進化と説明(嘘)
目指せ週一投稿
わたしがクロちゃんに望むもの。それは……
「やっぱり、かわいさだね!」
「ですよね!」
「ね!」
ヘーイ!と、ラブちゃんとハイタッチ。うむうむ。かわいさ以外に、クロちゃんに何を望むというのか。なにもないよね。と、いうわけで……
「進化先は、クロちゃん自身に選んでもらおうかな!」
「薄々そんな気はしていましたが、やっぱりそうなるんですね。」
「うむ!」
「でも、従魔が自分の進化先を選べるもんなんですかね。聞いたことないですけど。」
「クロちゃんは賢いから、きっと大丈夫だよ」
「確かに、そう言われるとそんな気もしてきますね。」
「でしょでしょ。さあクロちゃん、選ぶといいよ」
クロちゃんを抱えて、進化先を選ぶ画面の前に持っていく。クロちゃんは特に迷うこともなく、一つの選択肢を押した……んだけど、
「ありゃ?すり抜けちゃったね」
何度もクロちゃんは押そうとしてるけど、前足がステータス画面に触れることはなく、全部すり抜けてる。従魔だと押せないのかな?
「?アヤさん、どうかしたんですか?クロちゃんが、すごく前足をバタバタさせてますけど。」
「なんかね、頑張って進化先を押そうとしてるけど、画面にさわれないみたい。まあ、どれに進化したいのかは分かったから、わたしが押すね」
「へえ、さわれないんですね。」
クロちゃんを一度膝の上に戻す。わたしの頭の上がお気に入りみたいだけど、そうするとわたしが進化を見れないからね。今回はお膝の上で。
そのうえで、改めて進化先を選ぶ。ぽちっとな。
『クローディアを【リトルブラックマジシャンキャット】に進化させますか?YES or NO』
もちろん、YESだね!えいっ。
わたしがYESの部分に触れると、一瞬でクロちゃんが闇に包まれたね。おおー!かっこいい!闇はぐねぐねと蠢きながら、段々と小さくなっていって、最後はクロちゃんの中に吸い込まれていった。
「にゃあー!」
「「「きゃあー!かわいいー!」」」
あ、ハモった。進化を終えて元気に鳴くクロちゃんのかわいさに、わたしだけじゃなくて、ラブちゃんも、天夏ちゃんもメロメロみたいだね。
そのクロちゃんの見た目は、これまでとほとんど変わってないけど、一つだけ大きく変わったところがあるね。頭に、童話で魔女がかぶってるような、真っ黒い三角帽子をつけてる。かわいい!あとは、全体的に毛並みが良くなったかな。これまでよりも艶が出たね。かわいい!ただ、体の大きさとかは全然変わってないね。かーわーいーいー!
「ア、アヤさん。抱っこしてみてもいいですか!?」
「はい、どーぞ」
「きゃあー!」
天夏ちゃんが、とうとう自分を抑えられなくなった模様。さっきまでの冷静さをかなぐり捨てて、クロちゃんを抱きしめてるね。クロちゃんが嬉しそうだからいいけど。
「うわー、クラマスが壊れた。…ハッ!私もこの流れに乗っかればユニちゃんとイチャイチャできる!きゃあー!」
「キュウー!」
こっちも壊れたね。この流れに乗っかればって言ってたけど、ラブちゃんは最初っからユニちゃんとずっとイチャイチャしてたよね。まあ、でも気持ちはわかるね!クロちゃんもユニちゃんも超かわいいからね!
うーん。でも、2人がこんなだと、わたしが暇だね。あ、そうだ。聞きたいことがいっぱいあるから、今のうちに色々とスクショをとっておこうかな!そうしよう!
そして、しばらくステータス画面をパシャパシャしてたら、ようやく天夏ちゃんが現実?に帰ってきた。おかえり〜。
「あー、こほん。それでは、アヤさん、とりあえず、クロちゃんを、お返ししますね。」
「ありがとー」
天夏ちゃん、お顔が真っ赤だね。今になって恥ずかしさがこみ上げてきた感じかな。喋り方もカクカクだったし。まあ、わたしはあんまり気にしてないから、向こうもそのうちもとに戻るよね。
クロちゃんはそろそろまた眠そうにしてたから、定位置となってきてる頭の上にセット。すぐに寝息が聞こえてきたから、実際眠かったんだろうね。もしかしたら、進化で疲れたのかも。
「クロちゃん寝ちゃいましたね。すみません。疲れてたのに振り回してしまって。」
「大丈夫だよ。クロちゃんも嫌だったらさっさと逃げ出しただろうしね。そうしなかったってことは、天夏ちゃんと遊ぶのが楽しかったからだよ」
「だといいのですが。」
天夏ちゃんは、クロちゃんに無理させちゃったんじゃないかって心配みたいだけど、遊んでるクロちゃんすごく楽しそうだったし、きっと大丈夫だよ。あとは、起こさないように気をつければ問題ないかな。
「それよりも、クロちゃんも無事に進化したし、お話の続きをしようよ」
さっき準備を頑張ったからね!天夏ちゃんもその方がいいよね。
「そうですね。ラブはしばらく戻ってこないでしょうし、邪魔が入る前に話を進めましょうか。」
ラブちゃんは、まだユニちゃんに頬ずりしたりして、イチャイチャしてるね。ユニちゃんのどこがそんなに気に入ったのやら。…まあ、全部だよね!
「よーし!まずは、進化したクロちゃんのステータスからだね!」
「見せていただいていいんですか?」
「クロちゃんがさっきいいって言ってたから、きっと大丈夫だよ」
「はあ、アヤさんが気にされないのであれば、こちらとしては、ぜひ見たいですが。」
「きにされません!というわけで、ハイこれ。」
ネーム:クローディア 種族:リトルブラックマジシャンキャット☆Lv1 親:アヤ
HP:18/18(1UP) MP:20/32(2UP)
STR:3 VIT:3 INT:10(2UP) MND:6(1UP) DEX:9(2UP) AGI:7 LUK:26
スキル:解体 採取 気配察知 気配遮断 闇魔法 魔力感知 魔力隠蔽(New)魔力消費軽減(New) 夜目 少食 幸運EX
「結構強くなってますね。身体ステータスは4レベル分くらいの上昇ですか。LUKが上がっていないのが意外ですね。」
「そうなんだよね。レベルアップじゃないからかな」
「ああ、そういえば、そんな説明文でしたね。」
「うむ!あ、忘れるところだった。新しいスキルの説明は、こっちだよ」
「ありがとうございます。」
魔力隠蔽:相手の魔力感知によって感知されにくくなる。
魔力消費軽減:少ない魔力消費で魔法が使用できるようになる。
「まあ、名前通りの効果ですね。総合しても、特に尖った性能と言う感じでもなさそうですが。」
「そうだね。そのへんは実際に戦闘で確認したほうが早そうかな」
「そうですね。」
うむうむ。次に街の外に行くのが、今から楽しみだね。
「では次に、アヤさんのこれまでの話の続きをよろしいですか?」
「確か、ようやくキャラ作成が終わって、街の噴水前に着いたところからだったね」
「ええ。」
初めて見るファンタジーな街に興奮しながら、冒険者ギルドや、武器屋さんに行ったんだよね。あ!後で忘れずにギルドにいかないとね。まだ依頼完了させてなかったからね。それに、武器屋のおじさんにも剣を折っちゃったことを報告しにいかないとね。うぅ…。
…ということを伝えたよ。ただし、剣を折っちゃったのは内緒でね。
「ああ、ギルドに登録はしていたんですね。」
「うむ!チュートリアルでおねえさんがそうしたほうがいいって言ってたからね」
「なるほど。私も言われましたね。武器屋では、なにか買われたんですか?」
「あー、うん。おそろいの剣を買ったんだけど……ね」
「おそろい?セットで売られていたってことですか?」
「ううん。バラ売りだったよ。でもホラ、一対セットで作られてたのは見れば分かったからね。わたし二刀流のが戦いやすいし」
「見れば分かる?なんで?全部同じにしか見えませんでしたけど……そういうマスクデータが?」
?後半は何言ってるかよく分かんなかったけど、うーん、見れば分かると思うんだけどなぁ。
「あの、そのおそろいの剣を見せていただくことはできますか?」
「あー、その、ね。実は、ね、その剣、2本とも、ね、ポッキリね、折っちゃって、ね。…くっ」
「えっ、2本ともですか?」
「うぅ……うん」
「ああ、すみません。責めているわけではないので。それで、その後はどうしたんですか?」
「その後は、街の外に出て、クロちゃんの戦闘力調査でユニちゃんに体当たりを食らったり、森でウルフ達と戯れ(嘘)たりしていたね。ボス犬に会うまでは、ユニちゃんにやられた時が一番痛かったね」
それにしても、あの森はかなり生態系のバランス悪かったよね。わたしが会ったのはウルフに赤クマでしょ。捕食者しかいないじゃん。一応ユニちゃんもいたけど……うーむ、ウルフを根切りにできなかったのが残念。
「ストップ。えっ?ウルフと?戯れ?え?……ボス犬?」
あ、天夏ちゃんが混乱してる。珍しいね。
「おっ、なんですかなんですか。なんか楽しそうな話をしてますね。」
「キュウ」
ラブちゃんがこっちに帰ってきたね。ユニちゃんの名前を出したからかな。
「アヤさん、すみません。今の話でいくつかお聞きしたいことがあるんですけどいいですか。」
「いいよー。わたしもあんまり良く分かってないけど」
「ありがとうございます。ではまず、ウルフと戯れるとはどういうことですか?テイムはしていないようですが。」
「ふっふーん。甘いね。テイムなんかしなくても、モンスターと戯れることはできるんだよ」
「えっ、マジですか。」
「もちろん!ウルフなんかは、ほっといても向こうから近づいて来るからね。あとは、斬るなり刺すなり焼くなりすればいいんだよ。かんたん!」
「…やっぱりそういうことでしたか。」
「戯れるとは一体…?そしてそれはもうβでやったことありますよ。あんまり好みじゃなかったですね。やっぱり、戯れるならユニちゃんみたいに可愛いほうがいいですよ。ねー。」
「キュウ」
なーんだ。もうやってたのか。アレはアレで楽しいと思うんだけどなあ。まあ、わたしもしばらくはいいや。だいぶ満足できたからね。
「つまり、夜の森でウルフの乱獲をしてたんですね?」
「そうともいうね!根切りの予定だったけど、無理だった!」
「ねきり?なんですかそれ?」
「古い言葉で、皆殺しってことね。」
え?古い?そんなことないよね?皆殺しって直接言うと風情がないし。
「はあー、物騒ですね。」
「本当にね。アヤさん、次の質問いいですか?」
「どうぞ!」
「では、クロちゃんとユニちゃんが戦ったって本当ですか?」
「うん。でも…」
「何でそんな血も涙もない事をしたんですか!?ユニちゃんこんなに可愛いのに!」
「ラブ、落ち着いて。気持ちはわかるけど話が進まないから。」
「だってクロちゃんが戦えるか確認しないといけなかったし。ユニちゃんがちょうど目の前に現れたからね。この子相手なら、流石に死んじゃったりとかは大丈夫かなって」
「ユニちゃんに何かあったらどうするんですか!クロちゃんが大事なのも分かりますけど!もー、アヤさんなんて、ユニちゃんに顔面体当りされればいいんですよ!あ、やっぱなしで!私がされたい!さあユニちゃん、バッチ来「フンッ!」ったー!」
「すみません。ちょっと黙らせてきますので。」
ラブちゃんハッスルしてるなあ。そのまま天夏ちゃんに連れられて、店の裏手に引っ張られていったね。
クロちゃんはこの騒ぎの中でも気にせずぐっすりだね。大物になりそう。
「ユニちゃん、おいでー」
「キュウ?」
ラブちゃんが連れて行かれるときに、ユニちゃんがパッと飛び降りて、テーブルの上で目を白黒させてたから、わたしのお膝の上に乗っける。ユニちゃんモテモテだね。
「キュウ!」
「おっと…んふふ。くすぐったいよ、ユニちゃん」
ユニちゃんが、お膝の上からわたしの体を伝って肩の上に登ってきた。そのまま首筋に体を擦り付けて来たんだけど、毛並みがさわさわして少しくすぐったいね。
「よーし、おかえしじゃー。モフモフ攻撃をくらえー!」
「きゅう〜」
ユニちゃんが落っこちないように気をつけながら、毛並みをなでてあげる。ユニちゃんも気持ちよさそうだね。そろそろユニちゃんも眠そう。そのまま寝ちゃってもいいよー。
そのまましばらくユニちゃんを寝かしつけてると、天夏ちゃんとラブちゃんが戻ってきた。
「すみません。お客様の前で見苦しいところをお見せしてしまって。」
「いや〜、私としたことが、ユニちゃんの魅力に当てられちゃいましたね。テヘペロ。」
「…ラブ、反省してね。それともまだお話が足りない?」
「アッハイ。マジ反省してます。この0-15反省の極み。なんでお話はもう勘弁していただけると……」
「…はあ〜。アヤさん、本当に申し訳ないんですけど、ラブの暴走今回だけ大目に見てもらう事はできませんか?二度とこんなことはさせませんので。ホラ、ラブからも謝って。」
「すいませんでしたー!二度と暴走しません!……なのでもう一度この手にユニちゃん様を……」
「ラブ?」
「アッ、なんでもないです。すいませんマジ調子乗りましたお話だけは勘弁してください神に誓って二度としないんでマジで。」
途中から、わたしじゃなくて天夏ちゃんへの土下座へと移行したラブちゃんの前に立つ。既にラブちゃんの頭は地面との距離が0になってるね。
「アヤさん?」
「ラブちゃん!残念ながら、今回は許しません!」
「そんな!」
「ので!罰を与えます!」
「GMだけは、GMだけはお許しを〜」
【じーえむ】ってなに?まあいいや。とりあえず、さっきよりも更に地面に擦り付けられて、低くなった頭を上げさせる。そして、ラブちゃんのお膝の上に、夢の世界へと旅立ったユニちゃんを乗っける。
「罰として、お話が終わるまでユニちゃん様の見守りを命じます。起こさないようにね」
「あ、あ゛や゛さ゛ん゛〜」
あわわわ、よっぽど嬉しかったのか、ラブちゃんが泣いちゃった。あわわわわ、どうしよう?
「アヤさん、本当にありがとうございます。ラブはこのまま放っておけばもとに戻るので大丈夫です。」
「アハハ、ユニちゃんも楽しそうだったからね。別に怒ってないよ。それよりも、けっこう話してたし、一度休憩しない?」
「そうですね。その方がいいでしょう。お茶でも淹れますね。」
「ありがと〜」
むしろ、さっきからわたしがもらってばっかりで、なんだか超申し訳ない感じだよね!せめて情報屋のお客さんにちゃんとなれるだけの情報が、わたしのお話の中にあるといいんだけど……
うーむ、不安だね!
補足
GM:プレイヤーからの通報か、規約違反があると出てくる。今回の0-15は、ハラスメントで通報されたらアウトだった。
0-15:プレイヤーネームの由来はテニス…ではなく、15歳以下がストライクゾーンな自身の性癖による。現在子守中。




