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なんとなく!

はやくかけたほうだと思います。

「うーん。何をどう話せば良いのかよくわかんないね。わかんないことも多すぎるし。何から言えば良いのかな?」


 情報屋のお客さん第1号として、天夏ちゃん達とお話することになったんだけど、こういうときって何話せば良いのか全然知らないんだよね。


「そうですね…アヤさん、今日はまだ時間大丈夫ですか?」

「え?うん、大丈夫だよ」


 今、ゲームの中が午前8時20分だから、現実だと午後5時5分。まだ晩御飯には早いからね。基本的に、家事はホームロボットがやってくれるし。わたしは、まだまだこのゲームを楽しむのだ!


「でしたら、アヤさんがこのゲームを始めてからのことを順に話してもらえませんか。時系列に沿ってであれば、どんな事があったかわかりやすいですし、疑問に思ったことも、その都度聞いてもらえばお答えしますので。」

「なるほど〜。そうしようかな。他にいい案もないしね」

「では、よろしくおねがいします。」

「おねがいしまーす。」

「キュウ」


 よーし!これまでのことを振り返ってみようかな!大したことしてない気がするけど。それよりも、ユニちゃんがもう完全にあっち側なのが気になるね。


 まあいいや。まずは、キャラ作成だったね。わかんないことだらけで、天使のおねえさんに色々聞きながらやってたら、チュートリアル含めて3時間近く経ってたんだよね。わたし、がんばった。


 その話をすると、


「3時間!?マジですか。めっちゃ気合い入れてキャラ作ってるじゃないですか。私もこだわったほうですけど、1時間もかかってないですよ。」

「やっぱりそうなんだね。うーむ。長く付き合わせておねえさんには悪いことしちゃったかな。今度会ったらなにかお礼しないといけないね」

「アヤさんは、最初から【見習い従魔士】を選択したんですね。」

「そうだね」


 ん?それがどうかしたのかな。


「チュートリアルで従魔にしたのは、クロちゃんとユニちゃんのどちらですか?」

「クロちゃんだね!」

「……にゃ?」


 あ、起きた。クロちゃんは、さっきから天夏ちゃんの膝の上で寝てたんだけど、いまので起きちゃったみたい。うるさかったかな。


「そうなんですね…アヤさん、もしかしてキャラ作成時に従魔に関するボーナスをお取りになられましたか?」

「おお!よく分かったね。いくつかとったよ!」


 むしろボーナスを取るためのポイントの大半はそれに使ったね。それでクロちゃんが来たんだから、つかってよかったね!


「ちなみに、とったボーナスは、【初期従魔レアモンスターテイム】【初期従魔レア個体テイム】【初期従魔レアスキル保有】【初期従魔レベルボーナス5】だったね。たしか、とれるやつは全部とったよ」

「えっ、最初の2つどう違うんですか?」

「なんかね、【初期従魔レアモンスターテイム】の方はレアな種族になって、【初期従魔レア個体テイム】は、同じ種族の中でも特別な個体になるんだって。わたしもよく分かってないけどね」

「へー、スゴそうですね。かなりポイント使ったんじゃないですか?」

「そうなんだよね。全部15ポイントずつもしたんだよ〜。でも、他にほしいボーナスもなかったしね」

「ヤバいですね!クロちゃん超エリートですよ。60ポイントでしょ!?ジョブポイント半分以上突っ込んでるじゃないですか!」

「アヤさん、もしよろしければ、クロちゃんのステータスについても詳しくお伺いしていいですか。」

「わたしはいいよー」


 むしろ詳しく教えてほしいね。あ、でも


「クロちゃんはいいかな?」

「にゃあ」

「大丈夫だってー」


 やっぱり、こういうのは本人?の許可がないとね。個人情報らしいし。


「え?アヤさんクロちゃんの言うこと分かるんですか?」

「んー、なんとなく?」


 うちでも猫飼ってるしね。おかげで大体猫のことなら分かるよ。行動パターンはさっぱりだけど。目を離すと何しでかすかわかんないよね。


「えーっと、普通にクロちゃんのステータス画面を出せばいいのかな?」

「いえ、このゲームは通常、他人のステータス画面は見えないようになっています。ですから、ステータス画面のスクショを撮って、見せたい相手に見せるのが普通ですね。スクショの撮り方は分かりますか?」

「わかりません!」


 流石に、スクショがスクリーンショットの略なのは知ってるけど、使ったことのない機能の使い方はわかんないよね。


「では、こちらをこうして……」

「なるほどねー」


 天夏ちゃんが教えてくれたとおりに、クロちゃんのステータスをスクショする。…あれ?とったやつはどうすれば……


「スクショが撮れましたら、アイテムボックスから見ることができます。アイテムとして取り出せば、みんなで見れるというわけです。」

「りょーかーい」


 えーっと?アイテムボックスを開いて、たしか一番下になるのかな。タッチパネルみたいに、アイテムの一覧をスライドしていくと、『ピクチャ01』という名前のアイテムがあったね。これかな?うん、これだね。


「はい、どーぞ。本邦初公開!これが、クロちゃんのステータスだね!」

「では、失礼して……ふむ。」

「クラマス?おーい。私にも見せてくださーい。クラマスー?」


 クラマス?さっきも天夏ちゃんのことをそう呼んでたね。なんかの略語かな?


「え?ああ、ごめんごめん。はい、これ。」

「どもども〜。えっ、なんですかこれ凄いですね!レベルとLUKたっか!どっちも私とトリプルスコアついてますよ。」

「ラブ、それも凄いけど、スキルをよく見て。」

「スキル?はあ!?EXスキルあるじゃないですか!私、本物見るの初めてですよ。えぇ…」


 うーん。二人の反応を見ると、なんかクロちゃんのステータス凄いみたいだね。あ、クロちゃんが天夏ちゃんのお膝の上でドヤ顔してる。かわいい。


「はいはーい。質問!クロちゃんのスキルってそんなに凄いの?」

「ああ、やっぱり分かってなかったんですね。アヤさん、スキル名に『EX』がつくスキルは、ものすごく珍しいんです。β版では、キャラ作成でランダムスキル獲得の特典を選んだ人が、【彫金EX】のスキルを得ていたらしいですが、それ以外の報告例がないんです。」

「あーはいはい、ありましたねそんなの。あのおっさん、超バーバリアン面なのに金属細工専門ですって何の冗談かと思いましたもん。顔に似合わず仕事が超丁寧なのもずるかったですよね。私めっちゃ笑っちゃいましたよ。」

「そのせいで、あのあと私が頭下げに行く羽目になったんだからね。笑って許してくれたから良かったものの。アンタはもう少し行動に責任を持ちなさい!」


 やっぱり、天夏ちゃん苦労してるんだね。うーむ、しかし話を聞いてたら、わたしもその人を見たくなってきたね。


「あーもうまったく!また話が脱線してるし。とにかく、クロちゃんの【幸運EX】スキルは超レアです。β版を含めても2例目、製品版なら初ですよ。効果については、お聞きしても大丈夫ですか?」

「え?スキルの効果って、どうやって確認するの?それも聞きたかったんだよね。」

「……今までどうしてたんですか?」

「なんとなく?」

「………はぁ〜。」


 あ、ため息吐かれた。だってしょうがないじゃん。おねえさんが教えてくれなかったんだもん。


「ステータス画面で、確認したいスキルを長押しすると、そのスキルの詳細が見られます。」

「ありがとー」


 うーむ。超簡単だね。いい機会だから、クロちゃんの持ってるスキルの効果は全部確認しておこうかな。よくわかんないやつも多いしね。



解体:モンスターの死体を解体し、アイテムに変えることができる。

採取:フィールド上のアイテムを採取できる。採取したアイテムは、親となるプレイヤーのアイテムボックスに送られる。

闇魔法:闇属性の魔法を使用できる。

気配察知:一定範囲内にいる生物を探知できる。範囲はスキルレベルに依存する。

魔力感知:一定範囲内にある魔力を感知できる。範囲はスキルレベルに依存する。

気配遮断:相手の気配察知によって探知されにくくなる。

夜目:光量の少ない場所でも、視界を確保できる。

少食:必要な食事が1日1回となる。

幸運EX:幸運が非常に訪れやすくなる。レベルアップ時にステータスボーナス有。



「こんな感じかな!」

「なるほど。ありがとうございます。同一のスキルは、プレイヤーと従魔とで説明に違いなどはないようですね。」


 クロちゃんのスキルを説明したら、天夏ちゃんが自分のスキルと見比べてそう言ったね。天夏ちゃんのステータス画面は見えないから多分だけど。


「やっぱりEXスキル凄いですね。持ってるだけでレベルアップ時にボーナスつくんですよね。絶対LUKの数値めっちゃ高いのコレ関係してますよ。」

「たしかに、クロちゃんはレベルアップ時に3ポイントずつステータスが上がってたね。思い出してみると、LUKが毎回1上がってたって言われて納得できる上がり方だったね。」

「そうなると、クロちゃんのステータスとスキル構成はかなり強いですね。」

「え?クロちゃん攻撃手段ないよ?闇魔法もサポート専門みたいだし」

「あら、そうなんですか。いえ、それでも変わらないですね。むしろ役割がはっきりしている分だけ潔いですよね。」

「あー確かに。サブマスなんか超欲しがりそうですよね。」


 ……?どういうこと?


「アヤさん、このゲームではモンスターを倒してアイテムを得ようとした場合、死体を解体する必要があります。そして、誰がモンスターを倒したかに関わらず、解体したキャラのステータスやスキルを参照して、得られるアイテムが決まるらしいことが、有志の手により判明しています。β版の時の話ですが。もし、そのままの仕様であった場合、LUKが高く、【幸運EX】を持つクロちゃんが解体を担当できるのは、かなりのアドバンテージを持ちます。」


 な、なるほど〜。あれ?じゃあ、昨日の森での戦利品も凄いことになっているんじゃ?うーん…ま、確認は後ででいっか。どうせ説明するんだし、順番に行こうかな。それよりも、


「クロちゃんが凄いのはよく分かったけど、クロちゃんの種族の横についてる☆や◎については、何か知らないかな。」

「☆は、確かレア個体の印だったはずです。◎は、プレイヤーであれば上位職への転職が可能となった印で、従魔の場合は進化可能の印ですね。進化のさせ方はご存知ですよね?」

「「いいえ!」」


 あ、ラブちゃんと答えがかぶったね。でもなんで?


「ラブ、どうしたのいきなり?」

「なんとなくです!」

「……ツッコまないからね。さて、従魔の進化は、今言った◎を長押しすることで行います。フィールド上では危険なので、街の中で行うか、セーフゾーンがあるようであれば、そこで行うのが普通ですね。だから、外でしなかっただけなのかなと思ったんですけど……」


 進化の方法をわたしが知らなかっただけだったね。なんだかさっきから申し訳ないね。それよりも、


「よし!忘れないうちに、クロちゃんは今進化させちゃおうかな。クロちゃーん、おいでー」

「にゃあ!」


 声をかけると、元気にわたしの膝に飛び乗ってきたね。それだけ進化したいのかな。


「さーてと、クロちゃんのステータス画面を呼び出して、そこの◎を長押しだったね。ぽちっとな」

「ネタ古すぎません?」

「あーあー聞こえなーい」

「伝わっただけマシなレベルなんじゃ……」

「あーあーあーきこえなーい!」


 え〜、そんな古いかな。そんなことないよね?

 そんなこと言ってたら、いつの間にか新しい画面に表示が切り替わってたね。えーっと、進化先を選んでください?


「進化先って選べるものなんだね。」

「そうですね。進化先が1つしかない場合もあるようですが、複数ある場合が多いようです。進化先についても、スクショを撮って見せていただくことは可能ですか?リトルキャットはまだ進化先が未確認の従魔ですので。」

「むしろ、是非見てもらって、色々と教えてほしいかな。どんな進化先がいいのか、わたし何にもわからないからね」

「やっぱり、進化してもかわいいやつがいいですよね。」

「ね」

「……とにかく、スクショをお願いします。」

「はーい」


 うーむ。天夏ちゃんからの視線が冷たい。でも、やっぱり可愛さは大事だと思うよ。

 さてと、お願いされたからには、進化先選択の画面をパシャッとね。こんなもんかな。


「はい、どーぞ」

「ありがとうございます。……ふむ。」

「おおー。進化先は4つですか。結構多いですね。」

「でしょう!」

「何でアヤさんが得意げなんですか……」


 なんとなくかな!

 ちなみに、クロちゃんの進化先はこんな感じだね!



進化:リトルハンターキャット

   リトルブラックハンターキャット

   リトルマジシャンキャット

   リトルブラックマジシャンキャット



 ハンターかマジシャンかの違いと、ブラックがつくかどうかの違いだね。中身がどう違うのかはさっぱりだけど。これだけじゃ天夏ちゃんでも詳しくはわかんないんじゃないかな。


「アヤさん、それぞれの進化先を押せば、簡単ですが説明が見られます。スクショをお願いしてもいいですか。」

「りょーかい!」


 なるほど〜。まあ、そうじゃないと名前だけで選ぶことになっちゃうからね。流石に、それはどうかなってことなんだろうね。


 えーっと、進化先を押して、スクショをパシャリ。戻る時は…ここかな?ここだね。コレをあと3回やって、と。


「できた!はい、どーぞ」

「どうも。」


 それぞれの進化先についての説明は、こんな感じだったね。



リトルハンターキャット

獲物を狩るハンターとしての力に目覚めたリトルキャットの進化系。素早い動きと、牙や爪と言った自身の肉体を駆使して戦う。


リトルブラックハンターキャット

獲物を狩るハンターとしての力に目覚めたリトルキャットの進化系。より闇の力に特化しており、素早い動きに加え、牙や爪に闇の力を乗せて戦う。反面、光が弱点となる。


リトルマジシャンキャット

魔法を操るマジシャンとしての力に目覚めたリトルキャットの進化系。多彩な属性の魔法を駆使して、戦いを補佐する。


リトルブラックマジシャンキャット

魔法を操るマジシャンとしての力に目覚めたリトルキャットの進化系。より闇の力に特化しており、強力な闇の魔法も扱えるが、闇の魔法以外が使えない。



 ブラックが名前についてる進化先は、闇属性に特化してるみたいだね。闇を纏うクロちゃん……アリだね!


「クラマスクラマス、このブラックが名前についてる進化先って、アレじゃないですか?ホラ、βの掲示板で最後の方一時期話題になってたやつですよ。」

「……あー。はいはい。レア個体用の特殊進化先ね。確かに、そう言われるとそんな気もしなくもないけど……サンプルが無いから、なんともね。」

「はいはーい!なんのこと?」

「β版のときに、従魔士の一人が掲示板で言ったんですよ。レア個体には、通常個体にはない特別な進化先があるって。ただ、従魔士がそんないなかったですし、レア個体を持ってる奴も全然いなかったですからね。従魔士を続けてた奴が、βの最後の方でゲットしなかったらレア個体すら見つからなかったかもってくらいだったんで。あー、でも、それが最初から手に入るなら、15ポイントもジョブポイント使うのも納得ですかね。」

「そうね……アヤさん、未確定ですが、ブラック系統の進化先が今ラブが言った特殊進化先である可能性は高いです。ただ、説明を読む限りでは、闇に特化するため通常進化よりピーキーな種族となりそうです。あとは、アヤさんがクロちゃんに何を望むのかです。」


 わたしがクロちゃんに望むこと、それは……


補足

初期従魔レアスキル保有:EXスキル以外にも、マイナーなスキルが獲得される。「レア=強い」ではないため、消費ポイントの割にギャンブル性が強い。


天夏と0-15:同じ大学の先輩と後輩。天夏主催のゲームサークルがあり、0-15はそのメンバーである。

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