表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/19

第11話 金の剣

 ケセフさんとの出会いから数日経った。あの日以降も、僕らは情報収集を続けているが、状況を打開する手がかりを掴めずにいた。


 そんなある日の早朝、僕らはおじいさんの家の二階で眠っていた。今では、おじいさんが簡易的なベッドを用意してくれたおかげで、ふかふかの布団に包まれて眠れるようになっていた。


 その心地よさに浸っていたとき――


 ドドドドドッ……!


 遠くから地鳴りのような音が響いた。最初は小さかったそれが、徐々に大きく、近くなっていく。


 次の瞬間ーー


 「工作員どもに告ぐっ!! 無駄な抵抗はやめて今すぐ投降しろっ!!」


 怒号が外から叩きつけられた。僕らは飛び起き、慌てて窓へ駆け寄る。


 二階の窓から見下ろすと、複数の騎馬がナーヴさんの墓の周囲を暴れ回っていた。直したばかりの柵は、馬の蹄にあっという間に踏み潰され、アリヤが咲かせた花は泥にまみれて消えていく。


「工作員どもめ! 今すぐ出てこい!!」


「くそっ! アイツ、まさかやりやがったか?!」


「ひとり捕らえたぞー!!」


 声がした方を見ると、おじいさんが騎士に押さえつけられていた。


「おじいさん!!」


 僕らは階段を駆け降り、勢いのまま外へ飛び出した。


「おい! おじいさんを離せ!!」


 叫びながら、僕は騎士に飛びかかった。


 だが――


 ドスッ!


 横から殴り飛ばされ、地面に叩きつけられた。


「がっ……!」


 視界が揺れ、息が詰まる。その僕に、二人の騎士が剣を振り下ろそうとしていた。


 動けない――!


 その瞬間、鋼がぶつかる音が響いた。


 ガキィン!


「エリオル! お前は下がってろ!」


 ダンが僕の前に立ち塞がり、騎士たちの剣を弾き返していた。


「でも――!」


 言い終わる前に、騎士たちが再び襲いかかる。ダンは応戦するが、三人目の騎士が背後から斬りかかった。ダンは身を捻ってかわしたが、その隙を突かれ、脇腹を剣がかすめた。


「ぐっ……!」


「ダン!」


「エリオル、危ない!!」


 アリヤの声と同時に、僕の体が横へ押された。右から振り下ろされた剣を、アリヤがスコップの柄で受け止めていた。


「アリ――!」


 左からも気配が迫る。振り向くと、別の騎士が剣を振り上げていた。僕は咄嗟に後ろへ跳んだ。


 くそっ……!

 このままじゃ、みんなやられる!


 ダンは三人を相手にして手一杯。アリヤもそう長くはもたない。僕は武器もなく、ただ避けることしかできない。


 何か……何か手は――!


 ガキンッ!


 アリヤのスコップの柄が折れた。騎士がすかさずアリヤへ斬りかかる。


「アリヤ!!」


 その瞬間――


 風を裂く音とともに、外套のフードを被った人物がアリヤの前へ飛び込んだ。その剣が、攻撃を兵ごとまとめて弾き飛ばす。


「……総員、攻撃をやめよ!」


 低く、よく通る声が響く。

 フードが外され、長い金髪が朝日に揺れた。


「……あ、あなたは!」


 そこに立っていたのは――

 この国の騎士団長、ケセフだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ