86/319
真っ暗な未来(クーシュ視点
【クーシュ視点】
「アクシデントがあったことをまず謝罪するわ。だけど、――意図して無いけれど、実力は知ることができた」
その声で辺りは静まり返ります。海もまた音を立てず、静かに姉様の声を聞いているかのようです。
「そして、すまないのだけれど今回のこの選別は聖魔術師は採用が決まっているの。親和があった人はラッキーだったわね。そして、火にしか親和が無い人は連れて行けないわ」
隣で唇から血が出るほど噛みしめる少女と、驚き戸惑い感謝する少年を見て、私は事の明暗のもたらす運命に言葉も出ません。
「気付いてるとは思うけれど、私の後ろにいるのは自力でこのアクシデントから抜け出した者たち」
(やはり)と言う思いが駆け抜け、漏れそうになった後悔を飲み込みます。実力が足りない者は、付いていくことは出来ない。その当たり前のことが、受け入れられない。
『待ってくれ頼む。
必ず役に立って見せる。
土と風に新和がある。
俺はシルバーランクの冒険者だ』
私は目の前が真っ暗になり――もうそれ以上何も言葉が入って来ません。




