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月に至る道(ワンサード視点

【ワンサード視点】

 ――月に至るか。


 素直にあたしの心にストンと落ちた。ハイウィンの風月が動いた。それは歴史が動いたのと同義だと、あたしは気付かねばならなかったんだ。


 母さんが通った道だ――。きっと海面には、大きな月が映っていたことだろうさ。


 あたしはこのタイミングで母さんを知る転生者と出会い、母さんと同じ道を辿ろうとしている。(彼もこの道を通っているのだろうか?)


 あたしはまだ泣いているふりをして彼を見た――。


「そうか――。道理で西果ての海岸までが近いと思った」


 驚いた様子も無く、むしろこの道がどこに続くかさえも知っているかのようだ。もしかすると、彼がそうなのかも知れないと言う希望をあたしは願う。


 月の明かりは、優しくそして今静かに、月に至る道を指し示そうとしている。道がどこまで続くかは、未知ゆえに行進は間もなくであることを予見させた。


 二つの月が満月になるのは、10年に一度きりなのだから。こ度の海面の降下を逃せば、世界は滅びているのかも知れないのだから――。

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