あんたの話は、この世界の希望を根底から否定しかねない
主人公視点
「じゃぁ。神様の声についてはどうなんだ。あんたの話は、この世界の希望を根底から否定しかねない」
ワンサードが突っ掛かるように話しかけてくる。彼女の知りたいことは何なのだろう。
『光の欠片となりてあなたが還るその時まで、覚えておいて、人の子よ来世でもあなたはあなたなのです』
正直、来世を示唆するこの言葉はゲームでは流れないんだよな。(てか、エリシオンでは祝福はなかったんだろ。妙にこだわるよな)
「単に神様からのメッセージかもしれないし、祝福も純粋に神様からのプレゼント(ギフト)なのかもだろッ」
俺は半ばまるで、ゲーム事のように思っての言葉をそのままになげた。ワンサードは右手を口元にあて、小難しい表情をして考え込んだかと思うと――
「ごめん。話が脱線しちまった。母さんの最後はね」
急につきものが落ちたかのように、ワンサードが落ち着きを取り戻す。
「祝福が厳粛になると、受ける事が出来ない人がいて――それを望む人もいるんだよ」
俺はなにも言わずに頷いた。
「大聖堂の女神像に祈る。だけど、それは簡単なことじゃ無いんだ」
俺には、今ひとつそこがぴんと来ないんだよな。この世界の常識は、日本と比較しても分からないことばかりだ。
「大聖堂は各国の信仰の象徴であり、人々の救いであり、財源なんだよ。市民権にしても、冒険者が祝福を受ける時にしても、決まり事の上に成り立っているのさ」
いまひとつ話が見えてこない。
「転生者なのに、そこは年相応なんだな――。転生者なんていたら、祝福を飯の種にしている国や、それに順ずる集まりは良く思わない。来世と言う希望は、自らは望み人が受ければ――」
ワンサードは、そこまで話すと俯いてしまう。
「怨嗟の対象でしかないのさ」




