空白の時間アリス
主人公視点
きっと何かの答えを期待していたのだろう。肩を落としているのが、言葉は無くても伝わってくる。
ゲームとの違いに、ずれの様なものを感じている。素直に当てはめて考えれば、祝福はガチャなんだよな。
「12歳になると、女神像の前で祈り、祝福を授かる風習があるんだろ?」
ワンサードのウサ耳がぴくぴくっと動く。(こんなことで力になれるのなら少し考えてみるか)
「祝福を受けてない者には来世はないのか?」
ウサ耳がぴょこんと起きて、
「エリシオンは、大陸と交流が途絶えていたこともあって祝福を受けれなかった。だからかも知れないけど、来世だの転生だのは信じられてなかったよ」
(祝福が無いのにアリスは転生している。カレンの話と噛み合わない。転生には祝福が必要じゃないのか?)
「アランは何か、思い当たることがあるのか?」
(ゲームではキャラが死んだら――)
――キャラが使用不可になったら、アヌ猫にキャラを返して(トレードして)いた。『君の為なら死ねる』では、同じキャラを複数所持できない仕様になっているからだ。
どんな雑魚キャラも、所持していれば排出されない。捨てる意味はないし、そもそも“捨てる”は存在しない。
(――この世界に当てはめるのなら)
アリスが祝福を受けていたと言う可能性もゼロではないが、ワンサードの話から察するにその可能性は低いのだろう。するとひとつのこたえに行きあたる。
「祝福と転生は関係ない」
そうでなければ、アリスが転生していたことが説明出来ない。転生をガチャと考えたとたん、辻褄が急にあってくる。ゲームに当てはめるのなら、排出条件は所持していないこと。(転生条件は、世界に存在しないことか?)




