あんたは転生者で、祝福が無くっても特別だ
主人公視点
ワンサードは黙って話を聞いて、それから静かに口を開いた。この時ばかりは、獣人も人も関係ないと感じる。意志の疎通が出来れば、それは人なんだと俺は思う。
「そうか。やはりあなたは、死なせることが出来ない。だから、私の知りうる限りをあなたに知って欲しい」
隣に座るワンサードが俺を見つめる瞳を見れば、それが真剣であることは言うまでもなく分かってしまった。
「おいまて、俺はたわいない世間話のつもりで(ゲームの話をしただけで)」
(またか)慌てる俺を余所に話だけが進んでいく。そこになんの意味があるって言うのだろう。意味のあるかわからない俺のゲームでの話がなんだと言うんだ。
「世界にはどうして、祝福なんてもんがあるんだろうな。アランは転生者で、祝福が無くっても特別なんだ。アランは考えたことあるか?」
(ほんとに何でなんだろうな、この世界はなんなんだろう)俺は首を横に振って答える。
「祝福は―――女神像の前で祈れば―――授かるけど。じゃぁ、転生者はいつ祝福を受けている?」
(お前たちが話す祝福の時の神様の声は、まさしくガチャのそれなんだ)
「それは。それは俺だって知りたいよ」
俺だってこないだまで、普通に生きていただけなんだ。
「ごめん」
俺の力無い声に、ワンサードのウサ耳がしょげたようにピタんとしおれてしまう。




