白亜の時間アリス
主人公視点
しかし、また俺のカリスマ意訳がすぎるだろう。(何がアリスの最後をしりたいだよッ)ワンサードもすごく期待しているし、これは半端な話じゃ信用を失いかねないだろうなッ。
「アリスとは、ルアエル大森林で出会い、彼女とは聖地巡礼の旅の途中で別れた」
俺はゲームの時をそのままに語った。まるでゲームでの記憶が、現実であったことの様にすり替わっている。
生き生きと蘇ってくる旅の風景――
「聖地巡礼ってなんだい?」
疑うことなく澄んだ瞳で見ている。
「魔力の泉って知ってる?魔力の泉は、枯れようとしてた。理由は世界に――、人が生まれたからなんだ。魔王を倒すためには、世界から薄れた魔力を濃くする旅が、人が世界に許される旅から必要だったんだ」
ゲームをしている人なら知っている世界の理を、ゲームではつまりストーリーと言うものだ。アリスは――、世界の理を探していた。
(あれ?)
「彼女は巡礼を通して導いてくれた」
カリスマスキルに導かれるように、自然と言葉が紡がれていた。
でもその一言だけは、何故か妙にリアルで、そしてどことなく懐かしい。正直、彼女との旅は長い。そしてルアエル大森林で別れたときも、ただ長い旅路を出会った場所で終えたかっただけなのだ。俺にとってこのイベントは特別で、最初にクリアしたときを崇拝していた。このイベントを通して、世界に散らばる聖地を見て回ってゲームの世界観に感動したっけ。
「アリスも俺と同じ盗賊で、誰よりも能力が高くて、カボチャが好きで、銃が好きだった」
(あれ?)
「それでアランは、母さんとどんな旅をしたの?」
「俺は――」
(なぜだろう。すらすらと色々なことが思い出せるのは)
その後も俺は、ゲーム(?)の話をおもしろおかしくワンサードに聞かせた。如何に旅が長いもので、世界を見て回った紀行録のようにさえ聞こえただろう。




