ティアラドロップ
主人公視点
俺はゲームとしてのこの世界しか知らない。何度クリアしても、魔王は再誕してしまう。
世界でどうなっているかなんて知らないんだ。(みんなの勘違いも、ここまでかみ合わないのって辛い)
ゲームとは違って戸惑ってるのも、本当の気持ちで誰かにわかって貰えたら救われるような気がしてしまう。
「この世界じゃないところから来たんだ」
全然答えになって無かったと思う。そんな俺の言葉に、ワンサードの俺を見る目が急に優しくなる。
「私の母さんもそうだったけど、おまえもそうなんだな」
(あれ?ちょっとだけかみ合わない)
「母さんは勇者と一緒に魔王討った記憶がある転生者だった。だーれも信じてくれなかったけどなッ」
ワンサードが鼻を右手でこすって少し上を向いている。
俺にはそれが、なんとなく本当だってわかった。俺はあのとき全員を注視して、情報戦に臨戦態勢だったのだ。(無意味に終わったけどなッ)
彼女の称号「ティアラドロップ」は、クエスト“部族の証”で母親から子供に贈るものなんだ。そしてこのクエストこそ、とあるガチャキャラのサブクエになっている。
「アリスだよね?」
「うお、なんであたしが偽名なのに母さんの名前知ってんだよ」
ワンサードの驚いて素に戻った様な、年相応の女の子の反応に少しだけ空気が緩んむ。
「魔王討伐のとき、一緒だったんだよ(俺が異世界から来たからだよ)」




