知識の織手
主人公視点
「はいはい。脳筋はいいから、魔法使いには期待してるよッ」
龍三の後ろからあらわれたのは、クロークを纏った小柄の少女だ。俺は彼女を注視する――
(別に、少女だから注視したわけでは決してないッ)
▲▽▲
称号 :知識の織手
頭・胴:虹絹のクローク
…略
ゲームにいないキャラにどこまで有効な情報なのか分からなくて、俺はこの異世界転生が始まってからあまり注視を使わなかった。ゲームの時の仕様のままなんだが、それを過信するのは危ない気がするしな。(レンフォードのためにも生きて、彼が残したカレンも守る。これは約束だ)
(まて、この称号は確か)俺が思い出そうと考えていると――
「ティナ姉様」
ショタが隣で、少しびっくりしたような表情で可愛い声を漏らした。(姉様?クーシュの?)こんなところで、まさか家族と再会するなんて思ってなくて戸惑ってしまう。
(クーシュが傍にいない旅なんて想像できない)
「クーシュ、ほんとに姉さん?」
なんでだろう。ショタと話していると、ときどきカリスマが発動しないことがある。素の自分になって、厨ニ病を拗らせてるリアルの俺に戻っているんだ。
「はい。聖人様、間違いないです」
俺は少し俯いてたんだと思う。カレンが俺の肩に手を乗せて、目配せしている。(そうだな。俺がこんな感じじゃダメだ)
「良かったじゃん。家族と会えて」
俺はきっと、ぎこちなく笑ってたのかもしれない。いつもみたくふざけないとって、頭では分かってるんだけどな――。
「私は――」
いたずらに時間が過ぎて、そんな俺とショタの会話を置いていく。
「はいはーい。ちゅうもーく」
クロークを来た少女はそう言うと、おもむろにクロークのフードを取るのであった。
クロークのフードから現れたのは、ぴょこんとした耳と灰色(?)の髪のちょっと女王様気質が伺えるぺったんこ少女だ。
急に辺りからざわつき声があがる。
『灰色の髪?ハイエルフの系譜か?
風月の灰色のハイエルフと言えばあれだろ。
大賢者シャーロット?
いやいやシャーロット様なら銀髪だ』




