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ひいお婆様の魔法(クーシュ視点

【クーシュ視点】

 西果ての海岸に、もう一度夕暮れが戻りました。空は陽の光を取り戻し、紅く染まります。(これは、ひいお婆様の魔法です)


 魔法名は遠い記憶だったから、思い出せなかったけど、この夜に夕暮れを戻す幻想的な光景は忘れることは出来ません。


「おぉおおぉぉ」


 冒険者が口々に感嘆の声で、立ち尽くす光景はまるで子供聞いた英雄譚のようでした。カレンさんも組んでた腕が自然と下がり、聖人様も口がぽっかり開いています。


「静かにッ」


 また黒髪の女性の声が響いて、


「私がイズミだ。集まってくれて感謝する。これより、風月の名に置いて君たちをスカウトさせて貰う」


 あの黒髪の女性が、イズミさんなんですね。ストレートの髪を束ねるわけでもなく、そのままに背中で軽く紐で縛って大人って感じの女性です。白と黒を基調とし、所々に革を用いた如何にもな出で立ちがずるいよ。


「聖人様ッ!?」


(ほら、また聖人様の病気が始まったみたいです)


 ほんと、ぜんぜん聞こえてないんだからッ。でも、ひいお婆様の魔法が夜を照らしたってことは、きっと、姉様がいるんですね。私は少し憂鬱になってしまいました。

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