45/319
ひいお婆様の魔法(クーシュ視点
【クーシュ視点】
西果ての海岸に、もう一度夕暮れが戻りました。空は陽の光を取り戻し、紅く染まります。(これは、ひいお婆様の魔法です)
魔法名は遠い記憶だったから、思い出せなかったけど、この夜に夕暮れを戻す幻想的な光景は忘れることは出来ません。
「おぉおおぉぉ」
冒険者が口々に感嘆の声で、立ち尽くす光景はまるで子供聞いた英雄譚のようでした。カレンさんも組んでた腕が自然と下がり、聖人様も口がぽっかり開いています。
「静かにッ」
また黒髪の女性の声が響いて、
「私がイズミだ。集まってくれて感謝する。これより、風月の名に置いて君たちをスカウトさせて貰う」
あの黒髪の女性が、イズミさんなんですね。ストレートの髪を束ねるわけでもなく、そのままに背中で軽く紐で縛って大人って感じの女性です。白と黒を基調とし、所々に革を用いた如何にもな出で立ちがずるいよ。
「聖人様ッ!?」
(ほら、また聖人様の病気が始まったみたいです)
ほんと、ぜんぜん聞こえてないんだからッ。でも、ひいお婆様の魔法が夜を照らしたってことは、きっと、姉様がいるんですね。私は少し憂鬱になってしまいました。




