異世界転生
主人公視点
ゲームの頃にはない、眉つばな情報ってやつに踊らされている。これが、異世界でのリアルってことなのかもな。俺はいまここで、確かに生きている。
「あぁ。光の射す方へゆこう(俺もそう思うよ)」
セカンドセンスは、もう失ってしまったんだ。いまある全て(俺の知識込み)でもゲームクリアには、完全にもう詰んでいる。ここは――どんな可能性でも、希望がある方へ進むしかない。(まぁ、ゲームクリアつまり、世界救済を目指してるわけじゃないが、転生した意味がそこにあるんじゃないかって気はするんだ)
諦めて自堕落な生活を送るのは、前世で終わりにしよう。――これまでとは違うんだッ。
「私も賛成です。少しでも力になりたいんです」
唯一の自信はゲームでは、諦めたことがないこと。そこが異世界でも、ゲームの延長なら俺は諦めない。今度こそ、この異世界で意味のある生き方をしよう。
「んじゃ。決まりでいいかな。それとパーティー名なんだけど『異世界転生』でどうかな?」
「私はすごく良いと思います」
『異世界転生』なんてテンプレは、こっちの世界ではない。それなのに、カレンから聞けた言葉は耳慣れたそれだった。
「あたいは思うんだ、祝福がなくて土に還るしかない人も、来世がなくたって違う世界なら生まれ変わっても許されるんじゃないかって――」
(祝福がない人は、土に還る?)
「この世界の神様が来世をくれなくても、あたいは違う世界で生まれ変わっているって信じたいんだ」
そう言うと、カレンはすごく澄んだ瞳で俺とクーシュを見つめていた。(あぁ。これは本当に信じている目だ)俺はそんなカレンの澄んだ瞳を、いつまでも見ていたいと思う。




