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俺の知らない世界

主人公視点

 ギルドは二階建て(4LDK?くらい)で、各部屋は扉なしの大きな吹き抜け構造になっている。中央は受付カウンターがあって、俺達はその隣、食堂のようなところでテーブルを囲む。


「カレン。西果ての海岸で何があるんだ?」


 ゲームだった頃、そこには何も無かった。


「そこで大手クラン風月のイズミが、リクルートするんだ。ついでに、魔法パレードもある。あたいは、賢者のクーシュにとってはこんな機会そうあるもんじゃないと思う」


 カレンが注文した軽食を取りながら、俺たちも他のパーティーがしているように雑談を始めていた。


「そっちのクラン行くつもりないぜ?」


 クランと言うのは、ゲームの時からあった言葉でパーティーの集合体のようなものだ。それに俺はゲームとしてのこの世界を熟知していて、魔法は大体暗記済みだったりする。


「アランは、始祖マリオンって知ってるかい?」


(この世界の住人じゃないから、そういう常識は分からないんだよなぁ)


「いや、初めて聞くな」


 カレンが飲み物を置くと、急に手を組んで真面目に話し始めた。


「魔法ってのは、始祖マリオンが世界にもたらしたとされているが、使われているのは、後に様々な研究機関が体系化させたものなんだ。だけど、イズミは始祖マリオンの魔法を使えるって話なんだよ」


 ゲームの時に無かった魔法体系か、てか俺の知ってるゲームと少しずつ違うんだよな。――昼間のアヌ猫のときもそうだった。


 正直、ここは俺の知ってる世界であって違う異世界なんだ。俺はアヌ猫と最後別れ際に、一番気になっていたことを聞いた。ガチャの画面でも、プレイ画面でも、俺の知ってる「君の為なら死ねる」では――月は1つなんだ。俺はアヌ猫との会話を、頭の中で繰り返していた。


「アラン?大丈夫か?」


「――!?」


(どうやら、俺は話の途中で考え事をしていたようで、途中の会話がまるごと頭に入って無かった。あとでショタに聞いとくか)


「あぁ。すまない」


「その魔法が使えるにしろ、使えないにしろ、そこで何か話が聞ければとあたいは思っている」

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