異世界帰属意識
主人公視点
街の冒険者に溶け込むと、アヌ猫のところへ俺は向かうつもりだった。一人で話したかったから、クーシュに後を付いて来られてもいけなかった。
アヌ猫は、ゲームの外部メニューだったはずなんだ。世界の中で、一番の特異点に感じられた。(しゃべる動物だろ?なんでみんな違和感を感じないんだ)
プレイヤーの代わりに世界には、冒険者がいて(アヌ猫は、そういうのじゃない)なにか世界の役割のようなものをロールプレイしている。
神だの、勇者だの、魔王だの、ようやく俺がこの世界に転生した意味につながる気がした。(そりゃ、なにか意味があれば、その意味を俺は知りたい)
「なにぶつぶつ言ってるのかにゃ」
「あぇ」
情けない声を上げてしまう。
「おまえ、ほんとにアヌ猫なのか」
「それはどういう意味なのににゃ」
「しゃべる動物だろ?」
子供っぽかった。つい、直情的になっていた。でも、生きる意味とか俺にしては大切なこと考えてたと思う。
「ドウブツって何かにゃ?」
「それは、鳥とか猫とかそういうの」
なんでだろう、リアルとの接点だとおもうと昔の自分に戻ってしまう。
「鳥は鳥で、猫は猫で、君は君じゃないのかにゃ」
なんだろう、すごく普通にあたりまえのことを、アヌ猫が言っているってのは分かるんだ。でもなんでだろう。――そういう帰属意識って、自分の中で定着した物事って、人から言われても簡単に受け止めることが出来ない。
「もっと素直になると、見えてくると思うにゃよ。風の大陸の神子に会ってみるにゃ」
(また、ゲームのときにない言葉か――)




