カレンお姉ちゃん?
主人公視点
昨夜は宿屋につくなり爆睡で、こっちの世界に来てから初めて、溶けるように眠ることが出来た。日本のものほどでは無いが、いままでの水準と比べると雲泥の差だ。疲れもすっかり和らいだし、こんな気持ちいい朝は今まで感じたことないくらいだった。
隣を確認すると、ショタはまだ夢の中だ。(しばらく寝かせてやろう。だいぶ無理させたもんな)起こさないように起き上ると、カレンが窓辺の椅子に腰かけて外を眺めているのが見えた。朝の光が窓から差し込み、カレンの紅い髪がさらに透けるような金色の紅に見える。
「――ん。よく眠れたか?」
カレンがこちらに気付くと、声を掛けて来た。
「ありがとう。よく眠れたよ(まぁな。爆睡ってやつだ)」
そう言うと、カレンがまた嬉しそうに右手のこぶしを口元にあてて静かに微笑むのだった。(ん?なんか俺おかしなこと言ったか)
「ほんと、お前たち二人を連れてると目立つだろうな」
(俺もクーシュみたいに耳隠すか)俺が耳をさわっていると――
「いや、耳の事じゃない」
と言って、カレンが噴き出すように笑った。
「おいっ。教えろよなんなんだよッ」
たわいない会話で笑い合ってる。(カレンも弟を重ねているのかもしれない)
「そう言えば、あんたら冒険者証ないんだろ。冒険者ギルドの受付カウンターが開いたら行こうか」
カレンのありがたい申し出を、俺は素直に受けることにした。こっちの世界の常識には、うといっていうかゲームの頃には無かったから分からないんだよな。
「そうだったな。それがないと不便なのか?」
そういや、ラシュム高地の『羊亭』でも同じこと言われたっけ。
「あたいもそうだったけど、孤児とか身元が証明しずらいやつほどないとダメだ。特にあんたら奴隷だろ。無いとへたすりゃ捕まってもおかしくない」
(まじかよ。やべぇな)
「クーシュも起こしてくるよ」
俺はそう言うと、ショタを起こしにかかった。




