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失意~レンフォード~
主人公視点
『立ち止まるなッ。仲間を守るんだろッ』
俺の中から、俺じゃない声が聞こえた気がする。レンフォードが抑えてくれていた髑髏も自由になって、背後の髑髏と合わせると3体に囲われていた。とっさに零れ落ちていたレンフォードの盾を拾い上げ、レンフォードが剣で受けていた髑髏から繰り出される一閃を受け止める。次々に繰り出されようとする斬撃は、一歩ずつ近づいて来る死への足音のようだ。
「ストーン」
クーシュの魔法がもう1体の髑髏の胸を貫くが、髑髏の狂気は止まらない。
呼吸さえ忘れるスローの世界の中で――
(だめだ、みんなごめん)
そんな静止した時間の中で、カレンが俺の横を吹き抜ける。胸を貫かれた髑髏の頭蓋骨が空に舞う。カレンはその勢いを殺さぬまま、回転し俺が盾で抑えていた髑髏を背後から斬り落とした。
「レン……」
カレンの目にも、血の海に沈むレンフォードが映ったはずだ。(俺は――)許しを乞うように、膝をつき無力に項垂れた。ゲームと現実を錯覚して行った蛮勇に、俺は自分の責任を責め続けるしかなかった。
カレンがレンフォードの剣を左手で取ると――
「うおおおおぉぉ」
カレンが両手に剣を携え、髑髏の軍勢に向かい咆哮した。そのとき、俺はセカンドセンスが発動するのを感じると同時に、体から力が抜けそのまま意識を手放した。




