知り合って異世界
主人公視点
俺たちは軽く自己紹介して、身支度を整えると羊亭を出た。港国ヒズナへと向かう。ラシュム高地を下り、その先の荒地を抜けると――ヒズナだ。
そういや不登校になってから、こうやって誰かと出かけるなんて久しぶりだな。
「アランは道にも詳しいが、このルートは始めてか?」
――普通に会話が生まれる。
「いや。父さんと昔、王国からこのルートで流れてきたんだ」
(ん?)また知らない知識がすらすらと出てきた。(アランハルトの設定なんだろうか?)
会話はパッシブスキルのカリスマで勝手に変換されるから、だんだんと差異があっても気にならなくなっている。
「てか、いくつなんだい。エルフは見た目じゃないっていうだろ」
カレンが割と真剣なまなざしで俺を見ている。(そこそんなに重要か?)
「そこは安心しろ。見た目通り14だ」
カレンが口元にこぶしを当てて、こらえたように笑う。
「あはは。あんたらどこから見ても迷子の子供だよ。
そうじゃなきゃ、わざわざおせっかいしてないからな」
どぶの汚い水の反射でしか、見たこと無かったが俺ってそんな風に見えてんだな。
「優しいんだな」
俺の言葉に、カレンが右目を指しながら――
「あぁ。冒険者の洗礼なんてあたいだけでたくさんだろっ」
ガチャキャラだったときは、そんなのただのキャラの設定だって思ってた。だけどここは異世界って現実で、魔法では身体欠損が治らなかも知れない可能性に俺は少しの怖さを覚えた。
「そうか」
「そんな暗い顔すんなって、そうなんねぇようにあたいらがいるんだろっ」
――そんな顔しちゃってたんだな。
「クーシュちゃんはあんたの妹なのかい?」
「はいっ」
クーシュが俺の腕を引いて、元気にそう答える。
「おい。からかうのはよせ(どうしたショタ。急に攻めてくるじゃねぇか)」
そして、なにむくれてるんだよ。本当のことだろッ。
「聖人様は、生前奴隷だった私を救ってくれたんです。そしてすごい力で私を生まれ変わらせてくれたんです」
(Hey。ショタカムバーック。遠い世界に旅立ってるような虚ろな表情してんぞ)
「はいはいっ」
(そして、カレン。誤解だ。その生温かい目で見るのをやめろ。レンフォードも頷いてるんじゃねぇよ。そして、クーシュは男だッ)
「エスタの奴隷宿舎で一緒だったんだあぁぁ」




