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第15話 玉座の骸骨 3

部屋の中は死んだように静まり返り、空気はまるで凝固したかのようだった。

誰もが一言も発せず、アンナはソファに腰掛け、深く大きなため息を吐いた。彼女は微かに唇を噛み締め、両目を赤く腫らし、何度か口を開きかけたが、言葉が喉まで出かかったところで不甘しさとともに無理やり飲み込んだ。


シルヴィアはそのすべてを冷徹な視線で見つめ、窒息しそうな沈黙を破った。

「エミ。ジョエル」


自分の名前を呼ばれ、二人の身体はビクッと跳ね上がり、迅速に直立不動の姿勢をとった。

「状況を説明しなさい」


「は、はい……!」ジョエルは顔を青ざめさせ、歯を食いしばり、震える声で地下宮殿で起きた惨劇、アイクの失踪、そしてあの恐怖の骸骨の始末を一部始終話し始めた。


事の経緯を聞き終えたシルヴィアは長いため息を吐き、軽蔑の眼差しを一同へと向けた。

「なによ……ただの役立たずの集まりじゃない。だから言ったのよ、普段からちゃんと訓練しておきなさいって。」


シュウはこの時、ずっとうつむいたまま、陰鬱な視線を床に落としていた。拳は力みで微かに白くなり、静かに呟く。「アイクが……消えた? それに……マナで作られた刀だと?」

彼は猛然と頭を振り向けてシルヴィアを見つめ、これまでにないほど真剣な口調で言った。「マナを凝縮させた実体武器なんて、今の技術で本当に可能なのか?」


シルヴィアは冷笑し、両腕を胸の前で組んだ。「どうせ、ルーキーどもが極限状態で見間違えただけでしょ」

「私は確かに見ました!」エリアは堪らず大声で反駁し、感情を昂らせた。「この目でハッキリと見ました! あの骸骨は純粋なマナを剣へと凝縮させていたんです……」


「……あの、本当に申し訳ないんだけど」アンナが突然ソファから立ち上がり、シュウとシルヴィアを真っ直ぐに見つめた。その声には微かな懇願と、決然たる意志が籠もっていた。「でも、あなたたち……私たちと一緒に、あの骸骨の討伐に行ってくれない?」


シルヴィアはまるで天大の冗談でも聞いたかのように、冷笑を連ねた。「討伐? あなたが? 一体何ができるって言うのよ。あの骸骨が何らかの制限で入口から出られない以上、現時点で何の脅威でもない。今は重要じゃない」


アンナは冷たくシルヴィアを睨みつけたが、歯を食いしばって反論はしなかった。今の自分にできることが限られていることなど、自分が一番よく分かっていたからだ。

険悪になった空気を察し、シュウはポンと自分の頭を叩き、一同を見渡して言った。「今日は色んなことが起きすぎた。みんな、まずは休んで態勢を整えてくれ。明日の一早、ここに集合して向かおう」


夜、闇が大地を包み込んだ。

アンナ、ヒカリ、エリア、そしてシュウの一行は野外に臨時の小さなキャンプを張った。一方、ジョエルとエミは自分の家へと戻り、部屋に引きこもって、傷ついた長弓を前に、明日あの高すぎる壁のような敵にどう立ち向かうべきかを深く思考していた。


キャンプ地では、ヒカリが一人、パチパチと音を立てる焚き火の傍らに座り、一言も発さなかった。目を閉じるたびに、ラルが自分を守るために暴虐的な斬撃を受け、血塗れになった光景が狂ったように脳裏に蘇る。ついに涙が決壊し、頬を伝ってゆっくりと流れ落ちた。


アンナがそっとヒカリの隣に歩み寄り、腰を下ろした。

ヒカリは気配を察し、うつむいたまま、掠れた絶望的な声で漏らした。「私……何もできない……。きっと、僕みたいな戦闘能力もない役立たずは、最初から君たちに付いてくるべきじゃなかったんだ……」


アンナは目の前の少女を見つめ、その瞳に優しく、しかし確固たる意志を宿した。

「そんな風に思わないで、ヒカリ。君には直接戦う力はないかもしれない。でも、あなたの分析力と観察力は本当に凄いの。誰にだって、自分に適した役目がある。私たちにとって、あなたもこのパーティに絶対欠かせない一部なんだよ」


遠くで、エリアはアンナとヒカリの交談を静かに見守り、心の中で微かに安堵した。そして彼女は身を翻し、キャンプの端で一人、剣を振るう練習をしているシュウの方へと歩いた。


『咻! 咻! 咻!』

鋭い風切り音が夜空に響き渡る。シュウはエリアが近づいてくるのを察したが、手の動きを止めず、刀を振りながら低く口を開いた。

「教えてくれ……。もし今日、俺もその場にいたら、勝てていたか?」


エリアは足を止め、うつむいて沈思した。二人の間に死寂が広がり、数秒の後、彼女は苦しげにその言葉を吐き出した。

「……分からない...」


「そうか……」シュウは苦笑し、ゆっくりと刀を収め、宮殿のある方向をじっと見つめながら思考に沈んだ。「マナの凝縮された刀……か……」


翌朝、金色の朝曦が巨大な滝の前に降り注いでいた。

一同が装備を背負い、滝の裏側へと前進しようとしたその時、背後から突然、氷のように冷徹な制止の声が響いた。


「待って!」


一同が驚愕して振り返ると、そこには優雅でありながらも重苦しい足取りで歩み寄ってくるシルヴィアの姿があった。彼女は無表情のまま、凍てつくような声で言った。「誰も行ってはならない。今のあなたたちは、弱すぎる。入ったところで無駄死にするだけよ」


アンナは歯を食いしばり、一歩前に踏み出すと、シルヴィアの視線を真っ向から見据えた。「私たちの仲間がまだ中にいるの! このまま放っておくなんて絶対にできない!」


シルヴィアの眼光が猛烈に沈み、ナイフのように鋭くアンナを抉った。「そんなに仲間と一緒に、あの世へ付き従いたいのなら――」

彼女は冷鼻を鳴らして半身をかわし、嘲笑うかのように轟音を立てる滝を指差した。「じゃあ、どうぞ」


アンナはそれ以上、一言の無駄口も叩かず、決然と滝へと向き直った。深く息を吸い、液晶ペンを虚空へと重重に走らせると、墨色の線条で構成された無数の「階段」が虚空に出現し、激しい水流の上にしっかりと浮遊した。


アンナが先頭を切って階段を上るのを見て、後方にいたエミとジョエルは羞恥に頭を垂れた。「アンナ……ごめんなさい……」

アンナは振り返り、疲弊した顔に無理やり温かい笑顔を浮かべた。「大丈夫だよ」


ヒカリとエリアはそれを見て視線を交わし、微塵の躊躇もなく、足を上げて固くその後を追った。

シュウは双方の対峙を見つめ、最後には無言で刀を抜くと、アンナの足跡に従った。シルヴィアは岸辺に立ち、両腕を組んだまま、彼らの背中を冷たく見つめていた。アンナが描き出した「階段」を見つめ、シュウから聞かされた【創作者の力】を連想し、彼女は黙って深く沈思していた―。


一同は再び、滝の裏にある古代の壁の前に辿り着いた。

アンナは足を止め、仲間を振り返って深く息を吸った。「いい、みんな。今回も私たちは勝てないかもしれない。でも、私たちの目標はあのアイツを倒すことじゃない、ラルを救い出すことよ!」


ヒカリとエリアは重重とうなずいた。アンナが再び壁に手を触れると、魔力が循環し、重苦しい機関音が響いて、後方の通路が再び豁然と開かれた。


四人は再び、あの威圧感に満ちた地下宮殿へと足を踏み入れた。

しかし今回、大広間の光景を目にした瞬間、アンナの瞳孔が猛烈に縮まった!

王座の上には、あの恐怖の男性骸骨が依然として孤零零と座っている。だが、その王座の傍らには、いつの間にか、もう一躯の身躯がやや繊細で、隠微に不気味な気配を放つ女性の姿をした骸骨が立っていたのだ!


アンナは液晶ペンを死ぬほど強く握り締め、その新しく現れた女性骸骨を指差して叫んだ。「アイクをどこへ連れて行ったのよ!?」


『咔噠……』

王座に座っていた男骸骨がゆっくりと立ち上がった。それは回答することなど一切不屑とし、右手を虚空へ突き出すと、周囲の狂暴なマナが再び狂ったように集束し、一瞬にしてあの幽藍の光を放つ魔剣へと化させた。それは長剣を引き摺りながら、不緊不慢な足取りで一同へと歩み寄ってくる。


それと同時に、後方のヒカリは薄暗い光線の中で必死に視線を走らせ、ついに王座の後方、瓦礫の山の隅に、あの小さな白い姿を捉えた!

「ラル! あそこにいる!」ヒカリが大声で叫んだ。


主人の呼喚を聞き、その奄奄一息だった白い身体が微かに震え、ラルは辛うじて虚弱な片目を開けて、不遠処にいるヒカリを見つめた。


「エリア、援護を!」

シュウは双眸を鋭く輝かせ、悍然と抜刀した。そして彼が飛び出したのと完全に同一の瞬間、エリアは精神的反噬を必死に堪え、詠唱速度を極限まで引き上げ、五秒の間で狂暴な詠唱を爆発させた。

「【プロテクション】!【ブレイブ】!【マインド】!【スピード】!【パワー】――付加アタッチ!」


五重の高階バフ魔法が絢爛な五色の光輪となり、轟然とシュウの身体へと纏わった! シュウの速度は瞬時に音障を突破し、一条の金色の流光と化して男骸骨へと直撃する!


『咻――!』

しかし、男骸骨の反応は常理を逸して速かった。金色の流光が肉薄した刹那、それは先手を打って剣を放ったのだ!

『鏘――――!』


耳を聾するほどの金属衝突音が大広間に響き渡る。五重のバフがあってもなお、シュウは剣を受け止めた瞬間に両腕が激しく痺れ、その並外れた巨力に危うく佩剣を叩き落とされそうになった! それだけでなく、相手の剣筋は極めて刁鑽であり、一撃一撃が致命的な要害を直撃する。シュウは狂ったように受動的な防御を強いられ、なんと反撃に出る隙間さえ一微塵も見出すことができない!


「今のうちよ! ラルを助けに!」

アンナは歯を食いしばり、身を屈めて脱兎のごとく疾走し、王座の後方にいるラルの元へと直奔した。走りながら、彼女は微動だにしないあの女性骸骨の動態を死ぬ気で見つめる。

動きがない? よかった……!


「アンナ! しゃがんで!!」後方から突然、エリアの引き裂かれるような悲鳴が響いた。


仲間への絶対的な信頼から、アンナは振り返ることさえせず、前進の慣性のまま猛然と前方へと飛び込み、身体ごと床を滑り抜けた!

『唰――!』

鋭い風切り音が彼女の頭皮を掠めていった。あの女性骸骨がいつの間にか数十メートルの距離を跨ぎ、鬼魅のように彼女の上空に出現していたのだ。手にした優雅な小型の骨剣が、虚空に凄惨な白い光の弧を描いていた。


速すぎる……! まったく見えない!

アンナは冷や汗を全身に流し、地面を無様に左右へと転がった。だが女骸骨の攻勢は疾風怒濤のごとく激しく、アンナの衣の袖が微かに擦られ、一筋の血花が舞った。


ラルの姿が目の前に迫る。アンナは目を血走らせ、震える手で液晶タブレットの上に重重と一本の線を引いた。

「【速度線スピードライン】――!!」


現実を超越した白黒の速度線が、瞬時にアンナの両足へと巻き付いた。彼女の速度は法則の加持によって爆発的に跳ね上がり、女骸骨との距離を強引に引き離す。彼女はそのままフライングキャッチの形で、地面に横たわる血塗れで微弱な呼吸のラルをその腕の中にしっかりと抱き締め、身を翻してエリアの方向へと全力で奔逃した!


戦場のもう一方では、シュウの処境がすでに危急存亡のときを迎えていた。

男骸骨が重苦しい一撃をシュウの膝に向けて振り下ろし、シュウは歯を食いしばって剣身で死守した。しかし、その技が繰り出し終えた瞬間の隙を突き、男骸骨は力を利用して長剣を反転、極めて奇怪な角度でシュウの頭部へと迅速に斬りつけた!


シュウは冷や汗を流し、無数の生死の境で培った直感だけで猛然としゃがみ込んだ。だが骸骨は彼の反応を見抜いていたかのように、そのまま容赦のない重い前蹴りをシュウの胸口へと叩き込んだ!

ドォン!』シュウは身体ごと吹き飛ばされ、狼狽しながら一面の石壁を粉砕した。


「シュウ!」エリアが大声で叫ぶ。


シュウは猛然と血の混じった唾を吐き出し、強引に呼吸を整えて、再び満身創痍のまま立ち上がった。そしてその時、男骸骨の手にある長剣が突如として大放異彩し、刺すような幽藍色の光芒を爆発させた。

マナか……! シュウの心は底へと沈んだ。


先発制人! シュウは足元の砕石を蹴り飛ばし、全力を尽くして前方に強攻を仕掛けた。長剣を残像と化し、骸骨の頭部と腰部を直刺する。しかし、これらすべての攻撃は魔剣の前にはあまりにも無力だった。

『鏘! 鏘!』

格当パリーされた瞬間、男骸骨は暴虐的な反撃斬を繰り出した!

『バキィン――!』


鈍い破裂音が響き、シュウの手にある、これまで無数の戦いを共にしてきた精鋼の長剣が、なんと真っ二つに叩き折られたのだ!

魔剣の威光は衰えず、そのままシュウの胸へと肉薄する。シュウは極限の距離で身体を猛烈に捻り、致命傷こそ免れたものの、鋭利なマナの剣気によって衣服を引き裂かれ、胸元に骨が見えそうなほどの数筋の血痕を刻まれた!


それと同時に、アンナの身体に纏われていた速度線の効果が突如として消失した。彼女は重いラルを抱え、体力も限界し、速度が落ちていく。後方の女骸骨は執拗に追いすがり、骨剣を高く掲げた。

「【ホワイト・バリア】!」エリアは狂ったように盾を施放し、アンナに迫る女骸骨の攻撃を必死に阻みながら、後方に向かって叫んだ。「ヒカリ! 早く撤退して! 入口へ戻るの!」

ヒカリは歯を食いしばり、自分には助ける力がないことを理解しながら、入口へと退いていった。


ラルを抱え、女骸骨に追いつかれそうになっているアンナの姿を見たシュウは、両目を血走らせ、胸の激痛を強引に堪えながら、重傷の身体を引き摺って悍然と前進した。そして手にした折れた剣で、女骸骨の重い一撃を強引に受け止めた!


しかし、戦場の逆側からは、藍色の魔剣を手にした男骸骨が、すでに無上の威圧を携えて一条の残影と化し、シュウの背後から筆直に突進してきていた!

前後挟撃。必死の局。


まさにその千鈞一髪の瞬間、奔走中だったアンナが猛然と足取りを止めた。彼女は迫り来る男骸骨を見つめ、そして折れた剣を持つシュウを見つめ、その瞳に狂気の決意を爆発させた。

「シュウ――!! あんたの最強の斬撃を放ちなさい!!」


シュウは震愕したが、この瞬間、彼は自分の命を仲間に委ねることを選択した。彼は咆哮し、体内に残るすべての魔力と怪力を振り絞って、手にある残破な断剣を反転させ、突進してくる男骸骨を迎撃すべく猛烈に斬りつけた!


二人の武器が半空で接触する、まさに千万分の一秒の刹那――。

アンナの液晶ペンが、虚空に一条の刺すような直線を力強く引き抜いた。


「【集中線】――――!!!!」


『ズガァァァ―――!!!』


漫画の法則における「絶対的な威力と視覚的衝撃」を代表する集中線が轟然と爆発した。本来なら普通の斬撃だったものが、集中線の増幅によって、常理を数十倍超越した恐怖の衝撃波へと変貌したのだ!

あの傲慢だった男骸骨が、この折れた剣による斬撃の下、初めてバランスを失い、身体ごと狂暴な衝撃力によって遥か彼方へと吹き飛ばされた! そして大広間の奥にある石板の古代の画像を轟然と木っ端微塵に砕き、砕石が辺りに飛び散った!


この震撼の一幕に、本来なら攻勢凌厲だった女骸骨の身形がピタリと止まった。


「いまだ、走れ!!」

アンナとシュウは迅速に視線を交わし、互いに深く頷いた。シュウは無理やりしてアンナを支え、二人はラルを抱えて入口へと狂ったように折返した。

エリアはそれを見て、体内の最後の一筋の魔力を徹底的に搾り尽くし、法杖を重く地面に叩きつけた。

「【ホーリー・大結界】!」


厚重極まりない金色の結界が地から湧き上がり、大広間を強引に分断した。アンナは猛烈に走りながら振り返った。あの女骸骨は結界の外に静かに佇み、追いかけることもなく、ただあの氷のように冷たい眼差しで、彼らが去っていく姿をじっと注視していた。


命懸けで逃げ延びた一同は、ついに狼狽しながらも宮殿を脱出し、滝の前にいるシルヴィアの元へと戻ってきた。

「早く! 早くこの子を救って!」


エリアは上岸するや否や、自身の透支した身体のケアも忘れ、泥の地面に膝を突いて狂ったように治癒術の光でラルを包み込んだ。しかし、この時のラルは完全に昏死しており、その息吹はいつ途絶えてもおかしくないほど微弱だった。ヒカリはエリアの隣に跪き、拳を死ぬほど強く握り締め、焦燥と無力感の中でじっと見つめていた。


シュウは折れた剣を引き摺り、顔色を蒼白にさせながらシルヴィアの傍らへと歩み寄った。彼は頭を垂れ、シルヴィアの耳元で、極めて凝重な声で数句のささやきを伝えた。


シュウの密報を聞き終えたシルヴィアは、本来なら冷漠だった神色を初めて微かに変えた。彼女は両目を閉じ、深く息を吸い込んだ。再び目を開けた時、


「どうやら……特訓の時間みたいね?」


【一方、その頃――】


無辺無際の暗闇。

音もなく、光もなく、重苦しい死寂が人の息の根を止めんばかりに満ちていた。


アイクはハッと両目を見開いた。彼は自分の身体を触り、自分がなんと、何もないの漆黒の虚空の中に身を置いていることに気づいた。


「アンナ……?」

「ヒカリ……?」

「エミ! ジョエル! みんな、どこにいるんだよ?!」


アイクは声を張り上げ、大声で仲間たちの名前を呼び続けた。しかし、暗闇の中には彼自身の回音が響くのみで、いかなる返答も返ってこない。

周囲は骨の髄まで凍るように冷たく、未知の恐怖がじわじわと彼の心へと這い上がってきた。


彼がどうすべきか分からず途方に暮れかけたその時、アイクは突如として気づいた。

前方の、あの果てしない暗闇の深淵の奥底に、極めて微弱で、若隠若現な、一条の「光」が灯ったことに。


彼は歯を食いしばり、拳を固く握り締めた。

「構うもんか……。とにかく、前へ進むしかない!」

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