表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/5

探し中(その一)

 さがせ、かならずあるはずだ。


 ただし、さが場所ばしょにはをつけろ。


 これまでの定説ていせつちがっている。『呉服町ごふくまち』はちがうぞ。


 あの場所ばしょからでは当時とうじ、『志賀島しかのしま』をることはできない。『鴻臚館こうろかん』があるのは、『志賀島しかのしま』がえる場所ばしょだ。


 大正たいしょう時代じだい一人ひとり博士はかせ異議いぎとなえた。


 九州きゅうしゅう帝国ていこく大学だいがく医学部いがくぶ部長ぶちょう中山なかやま平次郎へいじろう博士はかせだ。


 博士はかせは『鴻臚館こうろかん』をさがしていた。


 その施設しせつ最初さいしょてられたのは、はるかむかしだ。千年せんねん以上いじょうまえになる。


 海外かいがいとの交流こうりゅうのため、他国たこくからの使節団しせつだんをもてなす施設しせつだ。いわゆる迎賓館げいひんかんである。


 と同時どうじにその施設しせつは、けんずい使けんとう使けん新羅しらぎ使出発しゅっぱつまえ滞在たいざいする施設しせつでもあった。


 最初さいしょは『筑紫つくしのむろつみ』とばれていたが、やがて『鴻臚館こうろかん』へと名前なまええた。


 つまり、『鴻臚館こうろかん』とは、古代こだい日本にほんにおいて、世界せかいひらかれた窓口まどぐちだ。


 しかし、いまのこっていない。どこにあったのかも不明ふめいだ。当時とうじ地図ちずのこっていない。


 まぼろし施設しせつ鴻臚館こうろかん』は、どこにあったのか。


 建物たてものはなくなっても、その痕跡こんせきなにかしらのこっている可能性かのうせいはある。


 これまでの定説ていせつでは、『鴻臚館こうろかん』があったのは、『呉服町ごふくまち』(現在れいわ福岡ふくおか博多はかた)だとされてきた。そのまちにあるふる地名ちめいから、そうかんがえられてきたのだ。


 それにたいして、中山なかやま平次郎へいじろう博士はかせ異議いぎとなえた。


 では、まぼろし施設しせつ鴻臚館こうろかん』は、どこにあったのか。


がかりならある。『万葉集まんようしゅう』のなかに」


 中山なかやま博士はかせう。


 周囲しゅういにいたひとたちは、自分じぶんみみうたがった。


「『万葉集まんようしゅう』って、あの『万葉集まんようしゅう』ですか?」


 むかしうたあつめた、ふるふる書物しょもつだ。現存げんぞんしているのは、原本オリジナルではなく写本コピーのみ。


 あれがどうして、まぼろし施設しせつ鴻臚館こうろかん』のがかりになるのか。時代的じだいてきにはかさなる部分ぶぶんがあるけれど、しょせんはうただ。


 なので、かれらはおもう。博士はかせあたまがおかしくなったのか。いいひとなのだが、最近さいきん仕事しごと趣味しゅみにと、おいそがしかったようだし・・・・・・。


 そんな空気くうき無視むしして、中山なかやま博士はかせつづける。


「『鴻臚館こうろかん』の場所ばしょしるした『古代こだい地図ちず』が、『万葉集まんようしゅう』のなかかくされている」


 そのため、ある程度ていど場所ばしょをしぼることが可能かのうさがすべき場所ばしょは、『呉服町ごふくまち』ではない。


 本当ほんとうさがすべき場所ばしょは・・・・・・。


 博士はかせげたのは、江戸えど時代じだいに『福岡城ふくおかじょう』があった場所ばしょだ。福岡藩ふくおかはん中心地ちゅうしんち


 そこに現在げんざい、おしろはない。おほりなどはのこっているが、べつ施設しせつになっている。


 博士はかせ周囲しゅういにいたひとたちは、一斉いっせいかおくもらせた。


 あの場所ばしょ現在げんざい、「帝国ていこく陸軍りくぐん基地きち」になっている。基本的きほんてきに「民間人みんかんじん禁止きんし」だ。


 ちょこっとだけらせてしい、そんな理由りゆうれられるだろうか。


 無理むりがする。軍人ぐんじん基本的きほんてき石頭いしあたまだ。「基地きちなからせてくれ」なんてったら、スパイ容疑ようぎ逮捕たいほされるかもしれない。


 では、どうするのか。


将来しょうらいだれかに期待きたいするのですか?」


 いま時代じだい無理むりでも、あの場所ばしょから基地きちがなくなる、そんな時代じだいるかもしれない。


 つまり、未来みらいたくすのだ。


「それもかんがえた。しかし、それは最終さいしゅう手段しゅだんだ」


 中山なかやま博士はかせには秘策ひさくがあった。


 博多はかたねむる『鴻臚館こうろかん』。


 そんなまぼろし施設しせつつけるために、


「あるまつりを利用りようする」


 中山なかやま博士はかせ周囲しゅういにいるひとたちはかんがえた。


 博多はかたには『三大さんだいまつり』がある。


 がつの『博多はかたどんたく』。


 しちがつの『博多はかた祇園ぎおん山笠やまかさ』。


 がつの『筥崎宮はこざきぐう放生会ほうじょうや』だ。


 どれもなが歴史れきしほこる。


 中山なかやま博士はかせは、そのなかひとつにをつけていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ