この世に縁結びの神が居るのならとりあえず飛び蹴りしたい
「オアーッ!」
「!?!!?!?」
会計責任者みたいな叫び声と共に飛び起きた。 クソ悪夢だ。
いや本当に今のが悪夢か? 今俺が見てるこの現実の方が悪夢だったりしない? まぁ夢も現実も真面目に見るだけバカになるだけか。
心臓がバクバク。 腎臓もバクバク。 背中は寝汗でビッショリだ。 俺の腎臓主張強くね? 腎不全? 確かに正常ではないか。 正常じゃないのは腎臓か頭か。 1:9で頭かな。
息と鼓動を整えながら辺りを見る。
知ってる天井。 愛用の寝具。 障子越しの陽光。 驚いてる紅葉。 叫び声で安眠妨害されて半ギレの重政。 鳴り出す目覚まし。
感覚もはっきりしている。 こっちが現実か。 現実も大して変わんね〜。
重政に目線で土下座して時計を見る。 朝5時半か……夏だから5時半でもバッチリ明るくなってまぁ。 冬ならあと2時間は暗い。 季節って不思議だね。
悪夢のせいか、絶妙に寝足りない。 なんか普段通りの眠りじゃない。
でもなーもう完璧に覚めちゃったしなー。 これ以上ダラダラしてると朝の準備終わる前に紅葉達起きて来ちゃ────
「……?」
アレなんか紅葉起きてね? アレなんか紅葉俺の部屋に居るくね? アレなんか紅葉既に準備万端じゃね?
寝惚けて見間違いかと思ったが、どれだけ瞬きしても紅葉は居るし、どれだけ時計を見ても短針は5だし長針は6を指している。
ワンチャン俺が午後まで寝てる可能性にかけてみたが、何度見ても『午前』って表示されてる。 じゃあ時計が前後不覚になった世界線か? まだ夢見てる可能性の方がマシだな。
アレ? 昨日は俺一人で寝たはず……なんでこんな朝っぱらから紅葉が俺の部屋に居るのか分からんし、紅葉がこんな時間に起きてて朝の身支度も完璧に終わってるのも分からん。
偽物か? 本物は基本お寝坊さんだしこんな時間に起きてる場合は徹夜してるから身支度もクソもない。
「……♪」
さっきは驚いていたのに、目が合った途端紅葉ちゃんニッコニコで幸せオーラ全開。 重政撫でてる俺より出してない?
「……おはよ」
「おはようございます?」
「……なんで疑問形?」
そりゃ本来は居ない人が起きたら目の前にありえない状態で居るからでは? あれ俺釣りに行く約束とかしてたっけ? だとしたら俺ももうちょい早く起きるハズだが。
「……なんで居んの? 人の部屋で何してんのお前」
「……早く奏士に会いたくて目が覚めた」
「左様ですか」
「……そしたら奏士が寝てたから寝顔見てた」
なるほど不法侵入か。 俺の部屋ってフリーパスだっけ? あ、杉原千畝がビザ書いたのか。 じゃあ連帯責任で根井三郎には船に乗ってもらおうかタイタニック号に。 タイタニックとか言いながら奏士くん大パニック。 ダイナミックいつのもノリ。
「……可愛い寝顔だった」
うわ〜とても嬉しそー
いやこれ言われて俺はどうしろと? 男が可愛い寝顔言われて嬉しくなるわけなかろう。
「…… (ムッスー)」
さっきまで幸せそうだったのに急に紅葉ちゃん御不満。 何お前生理? 感情バランスやじろべえ?
「何? 俺なんかした?」
昨日からのこと振り返るけど俺何もしてないな。 多少紅葉の制服も汚したけどあれは正当防衛だし。
「……今日は夢を見た」
「……はぁ」
「……でも奏士が出てこなかった」
「……さいですか」
「……ずっと一緒って言ったのに約束破った」
「お前の夢の中まで保証できるか」
いやそもそも『ずっと一緒』とは言ってない。 俺がした約束は『また遊ぼ』だ。 ねじ曲げるな。
「……おはようからおはようまで一緒」
「せめてお休みからおはようまでは一人の時間作ろう?」
流石に嫌になると思うぞ? お互い基本単独人間なのに。
特に俺。 改心とか考え方変えるとか、そういったイベントしてないから根本は変わってないし。 元から1人が好きだし苦じゃないタイプだし他人といるとストレス感じるタイプ。 重政は他人じゃなくて他『畜生』だし、 泉ちゃんは他『人』では無いのでノーカン。
「……?」
紅葉はまぁ……人に属する猫扱いなので時折ノーカン。
「……奏士はこの落とし前をどうするつもり?」
「寝起きでそんなヤクザみたいなこと言われても……」
兄貴の大好きなケジメしなきゃダメ? スターターキットどこしまったっけ……
「……ちゅっ」
不意打ちキッスされた。 一瞬触れるだけのやつ。 紅葉ちゃん徐々に不意打ち上手くなってくね。 おじさん怖いよ。 なんかもう意識の隙間縫われて俺の知らないことされてるんじゃないかって。
「……今日はこれで許す」
「……どうもありがとうございます?」
よく理解できない問題がよく理解できない解決をしたらしい。 何これプログラミングあるある? だとしたらすげぇ怖いんだけど。
「……♪」
紅葉的に納得がいったらしく、ご機嫌に頬をスリスリ。 あまりマーキングすると重政ブチ切れるぞ。
「……今日の朝ご飯は?」
「ハムエッグと米と味噌スープ」
「……出来たら起こして」
そう言うと、紅葉は人を布団から追い出して自分が収まった。 何コイツ山賊じゃん。 最近流行りなの?
数分後には紅葉の寝息が聞こえてきた。 相変わらずの寝付き。 早起き過ぎて流石に眠かったらしい。
……まぁいいか。 どうせもう着替えるし。
お互いの関係が戻っても感覚までは劇的な変化とかはないらしく、寝てる紅葉の横で普通にパンイチになれた。 年頃の娘が寝てる横で普通に着替えるって、教育的に大丈夫か? あ、紅葉もう手遅れか。
背伸びすると骨はパキパキ鳴ってるし、普通に全身疲れてるけどどこか肩は軽い。 重機落ちたか? 俺のマッソーは大丈夫なのか? あ、大丈夫そう。
どこかに落としたのか、それともカサブタよろしく不要だから剥がれ落ちたのか。 なんか軽いしどっちでもいいか。 落としたなら必要な時思い出すだろ。
さて、と。 道場行くか。 の前に洗面所か。 顔洗わんと。
……これが夏休み初日の朝かぁ…………え? もしかしてこれがあと40日続くんですか? 重いんですけど。 さっきまで軽かった肩激重なんですけど。 重機五段重ねくらい。
ちっちゃい重機じゃなくてバカデカ重機がどうぶつタワーバトルの様に積み重なってる。 なんか責任とか増えた気がする。
嫌だー責任背負いたくねー。 俺が背負うのは自分と重政だけがいい。 やっぱ少しくらい改心イベント入れた方が良かったんじゃね?
だって向こうが乗り気なだけで俺まだそこまでの成長してないし…………近い内にもう一人分増えてその内また増えるの嫌だな。
なんかもう、支援するから一人で力強く生きてくんないかな。 清々しい程のカスが戻ってきて安心したわ。 やっぱカス野郎はこうでなくちゃ。 あれ今適切な罵倒を受けた気が。 私は馬! 私は鹿! 2人合わせて畜生でーす! そこは馬鹿であれよ。 いや現在進行形で馬鹿なのか。
……なんか朝から疲れた。 でもなんかそろそろ今週分終わる感じだしなんか言って締めるか。
え〜…………一発ギャグ『スポンジに囲まれたたわしの一言』
私以外たわしじゃないの! 5分かけて考えた結果がコレ? だって2人合わせて馬鹿だし……朝から何考えてんだ俺。
はいどーも皆さんこんにちは
最近角煮作りにハマってる作者です
角煮、豚バラブロックがそこそこのお値段な上、調理時間も長いという中々に挑戦しにくい料理ですが、味が1級品な上に白米とベストマッチするので時間があるとつい仕込んでます。 そのせいか最近は野菜の消費量も増えました。
そして食べ過ぎで脂肪がハザードオンして増えた分はジムでガタガタゴットン。 食べる度に角煮からAre you ready?と今後を聞いてくる始末。 でも美味しいですね角煮。 どちらかと言えば東坡肉の方が好きですが、作りやすさから角煮の比率が高くなりがちです。
ではこの辺で みんなも食べよう! 東坡肉! だってそっちの方が好きなんですもの。




