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仕事は減ってると思わせてサイレントに増えている

あっぶねー耳疑っちまったぜ。


流石に聞き違いよな。 今現在ですら忙しい身だってのに、それを公私共に知っているこのクソ編集が更に仕事増やそうとするなんてな。


あんま俺の耳疑わせんなよ。 これでもこの耳とは産まれる前からの付き合いなんだよ。 今後気まずいやろ。


「すいません。 ちょっと電波悪くて飛んじゃったのでもう一度いいですか?」


「原作、作画共に先生です」


「バカアホドジマヌケ」


「……奏士の知能が下がった」


まだ行けるぞ? ツルっぱハゲっぱヨーロッパ。 ド畜生クソモンキー。 乳にばかり栄養がいって頭が残念な独身アラサー。 時折寂しさで酒を飲む自称「仕事が恋人」


「編集長が言っていたので」


「なんて?」


「『……そういや、原作の千面童子先生って絵も描けたよね。 普段作画に任せてる原作が描く外伝って面白そうじゃね?』と」


「紅葉、悪いが俺は暫く留守にする」


「…………どこ行く気?」


「ちょっとクソジジイと雪山まで」


「……冷凍する気?」


いやいやそんなまさか。


ちょっと遭難させるだけよ。 森の奥でもいいかもな。 こえだちゃんと森の洋館。 絶対化け物居るヤツ。


「……落ち着いて」


膝上の紅葉に頬をぺちぺちされたので落ち着く。 おいぺたぺた触るな。 あと邪魔。


「……伊吹童子先生はどう思いますか?」


「……奏士が過労死寸前まで働けば大丈夫だと思う」


人の首に縄括って制止させた人が括った縄で絞殺してきたんだけど? 紅葉ちゃん愛が強すぎて俺を殺そうとしてる。


「……奏士が卒業したら考えてもいいかもしれない」


うちの子が本格的に過労死という名の他殺を計画している。 これはもう殺人未遂で行けるんじゃないか?


「……私は奏士のファンだからとても見たい」


ヤンダもう〜この娘スッゴイお目目キラキラさせてるじゃないの〜


「紅葉、ファンならまず作者の身体を心配しような?」


「……実際やるとなったら出来る?」


「今みたいに紅葉が部屋に入り浸ったりベタベタ甘えて来なかっ「この話は無かったことに」おい」


今、紅葉の目が見開いた。 普段ぼーっとしてる癖にこういう時だけ早いんだから。


「だそうです。 これで2対1ですね」


「いつから多数決に?」


民主国家である以上多数決で行こう。 多数決が無理なら暴力が待ってる。 紅葉がこっち陣営である以上、暴力勝負は買ったも同然。 まず2手目に暴力がスタンバってる事に違和感を持て。


「……奏士が描く外伝の連載予想は?」


「まぁ……編集長に見せたり企画会議を通したりストック作ったりで────通ったとしても早くて来年ですね」


「……意外と気長」


つー事は本当にふんわりとしか決まってなくて、「こんなことありましたよ〜」的なご報告ですかい。 そのままお蔵入りしてくれれば。


「半分ダメ元というか『やれるかな?』くらいの企画案ですから。 先生が無理なら私から編集長にそう伝えるだけです」


「……奏士が却下したら?」


「その時はその時です。 まぁ行っても私の首が飛ぶか担当交代とかでしょうし」


「……私は今人生最大の選択を迫られてる」


マジ顔で何言ってんだコイツ。 どう考えてもこの性悪編集の発言は嘘だろうが。


「流石に今ここで決をどうこうする訳では無いので、1度考えた上で可否を」


「はぁ、まぁ、ではそのように」


つってもなー瑠姫さんの言うボツネタってマジで頭おかしい時に生まれるやつだからな。 それを連載する程ネタが枠かと聞かれると難しい。


そもそもが実の兄妹妹ラブコメだし、その中の日常を切り抜いて四コマ連載するとなると本編で使う予定のやり取りを消費しそう。


とある海賊系少年漫画家は「ネタの出し惜しみは〜」って言ったらしいが、残念ながら俺にそこまでの才は無い。


1雑誌の切込隊長だの人気上位だのなんだの言われてはいるが、要素としては紅葉────伊吹童子先生という作画の割合が大きい。 本当に。 僕は慢心も自惚れもしないんだ。


ぶっちゃけ、俺が作画もやった結果そっち側は低迷とかあったら僕泣いちゃう。 僅かに保たれてる自信喪失しちゃう。 切込隊長じゃなくて格闘戦士アルティメーターになっちゃう。 遊戯王じゃねぇか。誰に伝わんねんかつての城之内のキーカードとか。


「一応聞きますけど、瑠姫さんはどう思ってます?」


「それは勿論、面白いものが出来ると確信しています」


迷いなく言い切られた。 作家にプレッシャーかけてくる編集の鑑であり、ド畜生。 まだ何も始まってないのに胃に穴開けようとするなよ。 漸く完治しそうなんだよ。


「……どうするの?」


「ゲロ悩む」


紅葉の柔らかほっぺを揉んでつまんでモチモチコネコネしながらお考え。 極上の肌触りともちぷに触感に考えとかどうでもいいな。


うーむ、あそこまで言い切られると流石の俺も悩む。 期待に〜とかそんな精神は出払ってるけど、ちょっとくらい興味は出る。 やってみようかなドキドキ。


あの人あんなでもこの漫画の第1ファンだしなぁ。 ちなみに俺は0番。


「……私は?」


「お前2番じゃね?」


あとモノローグを読んで会話に入るな。


「……私、2番目?」


「だって原作の俺が最初のファンじゃん? でも作品としては始まってないし作者ってことを加味して0番目、その次に連載の切っ掛けを作った畜生編集が最初のファンなので1番目。 紅葉は瑠姫さんがこの作品勧めたから2番目だろ」


「……私は2番目の女」


「含みがある言い方をするな」


「……私は瑠姫さんより早く奏士の絵のファン」


「今そこまで深い話はしてないからお口チャックで」


よし横からジイッと。 あ、こいつのチャック噛んでる。 使い古したリュックかよ。


「まぁでも、考える時間はくれるらしいしゆっくり考えるとするか。 まだ企画書すら書いてないんだし」


「どうぞ存分に悩んでください。 先生が悩めば悩むだけより良くなっていくのですから」


「……言われてる」


どうやら紅葉のチャックは本当にバカになってるらしい。 交換しなきゃ。 脳とか。


「……まぁ、ちょっと真面目に考えるんで後で企画書送ってください」


「はい。 後程」


これでこの話も一区切りかなー


つっても、後回しにしただけだけど。 学園卒業したらその分の時間でギリ描けそうだけど、連載二本同時は厳しそうだな。 不定期連載とか『完成したら出す』って方式にならない? それpixivと何が違うん?


? なんかモニターの瑠姫さんが咳払いしてる。


「────ところで先生」


「どっち?」


「お2人です」


「……奏士、締切忘れた?」


いやー締切までまだ余裕はあるはずだが? ちゃんと予定通り原稿進めるし。


「……先程から感じていたのですが、お二人共何かありましたか? 距離感と言いますか、妙に千面童子先生が受け入れてると言いますか」


「……先日結婚しました」


「してません」


「……事実婚です」


「違います。 事実無根です」


「……じゃあ仲直りして恋人になりました」


「……それ私聞いてないんだけど?」


あ、瑠姫さんが素になった。 そういや悠ちゃんに口止めしたから誰にも言ってなかったね。 も助にも言ってないけどあっちはどうなんやろ。 前のはからかっただけなのか何となく察してるのか。


「ねぇ、それ悠ちゃんとかも助は知ってるの?」


「……知らないんとちゃいます?」


「こっち見て言いなさいよ、ねぇ」


「あーすいまガガッなんか電波ザザッしわるいみたがーっ一旦通話切ザーッザッザッ」


「バリバリアンテナMAXですが?」


「……そもそも、奏士がそんな弱い環境にする訳ない」


お前どっちの味方だよ。 本当に口塞ぐぞ?


「……ちなみに婚姻届も書いた仲」


「俺以外の箇所がな」


「……卒業したら入籍の予約」


「卒業まで変わらなかったらね」


「……もう1夜を共にした」


「下宿してこの1年何度も一緒にオールしガッ」


紅葉に下から頭突きされた。 アゴくっそ痛い。 そんでもって紅葉も痛がってる。


「え〜あの奏士がねぇ……人生何があるか分からないわー」


「ホントにね」


「……ちょっと近いうちに帰ろうかしら。 奏士、根掘り葉掘り聞くから予定空けときなさい」


「すいませんちょっとその日は用事が」


「……まだ言ってない」


紅葉が頭を擦りながら俺を妨害してくる。 どうやら思ってたより痛いらしい。 そーれ痛いの痛いの違う箇所に飛んでけ〜 紅葉ちゃん時々外道になるし心とかに痛み移しとけば痛まないでしょ。 幻肢痛以外。


「……ところで、2つ目の話ってなんですか?」


あぁそういやんな事言ってたね。 1つ目がクソすぎて忘れてた。


「えーっとぉ…………ドラマCDと〜ボイコミと〜あ、あと書き下ろし雑貨と〜まぁ色々出るわよ」


「……聞き捨てならない」


「クソどうでもいい未定の連載とかよりそれ先に言えよ」

はいどーもみなさんこんにちは

金土と朝から晩まで遠出して遊んだ結果、土曜日の夕方から日曜の夜まで爆睡した作者です。 想像以上の疲労と体力の無さに大人を感じました。 あと年々回復が落ちてる気がして装備魔法「ドーピング」みたいなだなと。


子供には戻りたくないけど子供の体力が欲しいと願います。 とりあえずサタン様に。 それが無理ならサンタさんに。


でも私はサンタさんにお願いしても貰えなかった過去があるのでサタン様にお願いしましょう。 ちなみに一昨年の話です。 大人でもプレゼントが欲しい時はある。 とりあえず50万のパソコンからで。


ではこの辺で

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