第三十一話「アルファートの過去」
神とは……残酷だ。
私はごく普通の平凡な家庭に生まれ育った。
毎日友達と遊んでは楽しい日々だった。
だけど私が生まれ育った地域には生贄の風習があった。
年に一度一定数の子供たちを神に捧げるという風習だ。
その時に選ばれたのが皮肉にも私と友達だった。
もちろん私たちは反抗した。
だが大人たちの力の前では私たちの反抗はちっぽけなものでしか無かった。
「せめて、私の友達だけはどうか!?」
「ダメだ。お前の友達も生贄になることは決まっている」
生きていて欲しかった。
私は自分がどうなろうと構わなかった。
だけど友達には生きて、幸せになって欲しかった。
だけどそんな望みすら叶わない。
その時、私は決意した。
神を殺そうと。
私は死後も神を恨み。
ひたすら神に対して反逆の意思を芽生えていった。
成仏なんてできるわけがない。
生まれ変わることなんてできるわけがない。
神のそんなシステムに乗っかってたまるか。
私はひたすら神を恨み続けていた。
その途端、自分に力が湧くのを感じていた。
邪悪な力だ。
だが力なのには変わりはない。
これは好機だ。
これだったら神を殺せる。
しかし、このままでは何にも影響力が無い。
神がいる世界には届かない。
そこで私は神の邪魔をしようと思った。
そう地上世界でもっとも神に近い存在を殺せばいい。
そうすれば神に近づける。
そのためには媒体が必要だ。
それも私と波長が合う。
「見つけた!!」
何百年と時を待ち続けて私は見つけることができたのだ。
私の力の媒体となる人物を。
高根勝。
彼なら神を倒せる。
私は彼に期待した。
彼は私の想像以上に神に対して抗うようになった。
私と同じ、いや、それ以上かもしれない。
今、彼は仲間を失い、さらに神に対して恨みを抱いている。
これは好機。
彼の神の恨みが強まるたびに、私の力は強くなる。
彼は今後、さらに自分に厳しくなるだろう。
正直ここまでするとは予想以上だった。
これなら神を倒せる。
リルフィー教の大司祭オルトン。
こいつさえ殺せば、世界の秩序は乱れ混沌と化す。
そのまま勝に世界の破壊を命じれば。
神はこの世界を無視できなくなる。
そこが好機。
神の波長が私と同じになった。
その瞬間。
私は神を殺す。
神よ。もう時期私の積年の恨みを晴らす時が来たようだ。
首を洗って待っていろ!




