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神に挑む  作者: ライプにっつ2
神に挑む
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第二十九話「楽しい日々」

 朝。

 俺は相変わらず走っていた。


 俺があの時疲弊していた以上にアルファートも疲弊していた。

 しばらくは戦闘は避けるべきだと言われた。


 でもまあいい。


 新木新を含めたある程度の神の勢力は片付けた。

 これは神奈が教えてくれた情報だ。

 しかし、思い返してみると、よくあんな場所であれだけ力を発揮できたな。

 神の勢力を相手に。

 日々の鍛錬の賜物と奇跡がなせる技だな。


 さて、神よ。

 今度はどんな手段を用意する?

 

 あの神の化身。

 あいつさえ倒せれば俺はオルトンを殺し、幸福な世界を手に入れることができる。

 神の死期が近づいている気がする。

 幸福な世界は目の前だ。


 だけど何だろう。この感覚は。

 終わりが近づいているようなその感覚。

 幸福な世界が出来れば俺のやるべきことは終わる。

 でもそれが、無性に悲しいような気がしてならなかった。


「お帰り、勝」

「お帰りなさいませ、救世主よ」


 出迎えは有難いが

 康夫がすっかり俺のことを救世主と呼ぶようになってしまった。

  

 いや、別に構わないんだけど。

 何か照れくさいんだよなあ。


「はい、勝、あーん」

「うぐ、これは……」

「玄米ご飯! 美味しいでしょ?」

「食えないわけではないが普通のご飯がいいな」

「何よ! 勝ったら!!」


 神奈は相変わらず短期だな。

 

「勝さん最近私も鍛えてるんですよ」

「ほう」

「腕相撲しません」

「構わないよ」


 

「グハッ」

「まだまだだな」

「さすが救世主。腕相撲でも救世主ですね!」


 何か康夫が馬鹿キャラに見える。




 俺は相変わらずのこいつらとつるむ毎日を歩んでいた。

 楽しい。

 今は毎日が楽しい。

 

 ネトゲばかりしてた俺。

 屍だった俺。


 そんな俺に仲間が出来たのだ。

 思えばいろんなことがあった。


 神奈と出会い、次は康夫


 彼らから牢獄から救い出してもらったこと。

 神奈に俺の能力を見てもらったこと。

 康夫と神奈が人質に捕らえたられた時に俺が助けたことなど。


 どれもみないい思い出だ。

 でもなぜだろう。

 いつの間にか俺はこんな日がずっと続けばいいのにと思い始めていた。


 幸福な世界。

 俺が作るべき世界。

 しかし、もう出来上がっているのだ。

 俺の周りには幸福な世界が。


 いつしか俺は神に抗うということが頭の中から消えていき。


 毎日走っては。彼らと駄弁る日々を過ごしていた。

 楽しい日々だ。





 こんな日々がいつまでも続けばいいのに。

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