第二十六話「強行突破」
「勝。康夫と神奈を人質に取った。」
新木新の声でテレビからその内容が流れていた。
やられた。
俺は油断していた。
俺には仲間がいる。
それに付け入られたのだ。
「リルフィー教の建物の近くのアレリエンス邸で待ってるよ。じゃあね勝。フフフ」
警察マークの印が切り替わった。
映像は康夫と神奈が縛り付けられている場面に変わった。
そしてあろうことか、やつらは康夫と神奈にムチを打つというあくどい行為をやってのけた。
「なあ、アルファート」
「ん? どうした?」
「お前を殺すかもしれない」
「構わんよ」
「俺がやろうとしてること、分かるか?」
「分かるさ、存分に暴れてこい、私のことなど気にするな」
俺は猛烈に怒っている。
康夫。神奈。
俺の仲間だ!!
仲間をこんな扱いにされて黙って見過ごせるわけがない。
新木新、よくも俺を怒らせてくれたな。
「なんで、こんなことするの?」
「決まってるさ、君たちは神の敵だからだ」
「ああ、そうね。でもとても神に選ばれしものたちがやることとは思えないわね」
「君がどう言おうと神が正義なのは変わらないんだよ」
「この、卑怯者!! うっ!!!」
僕は彼の共犯者。康夫と神奈を捕まえて、手下共にムチを打たせた。
楽しい。これが神がやることか。
神とはなんと素晴らしいのだろう。
神はこうやって悪を裁いているのか。
神に感謝しないといけないな。
僕に快感を与えたことに。
「大変です!!」
「どうした?」
「やつが……来ました」
「アハハ!! のこのこやってきたか。ここがどこだか分かってるのか?」
「それが、その」
報告に来た手下の様子がおかしい。
何が起きた?
彼がここに来ていることは分かる。
だが、ここはリルフィー教建物の近く場所だ。
つまり神聖な場所だ。
やつが力を発揮できるはずが
「グハッ!?」
グハという声が次から次へと聞こえてくる。
何が……何が起きているというんだ……。
「待たせたなあ、クズが」




