第二十三話「神奈の恋 前編」
「アルファート、順調に進んでいるようだな」
「ああ、我々の勝利は目前だ」
高根勝。
彼は今も神に足掻こうと毎日走り続けては悪を成敗している。
私が期待しただけのことはある。
彼なら神を倒すことが出来るかもしれない。
神め。
私を産んだこと悔いるがいい!!
俺は相変わらずの日常を送っていた。
日々走っては、たまに悪を成敗する。
そういう日常だ。
神奈にも俺の能力を見てもらっている。
どうやら俺は一定の神聖な場所でも力を発揮できるようになったらしい。
だんだん神に近づいているということだ。
さて、神よ。待っているがいい。
死を……。死を……。
ククク!! ハハハハハ!!!
今日も俺は神に近づくために走り続ける。
「ちょっと待って。勝」
とその前に神奈に呼び止められてしまった。
「どうした? 神奈?」
「たまには息抜きしない? 私と」
息抜きか。
まあいい。俺は焦っていないしな。
「息抜きったってどうするんだ?」
「私と一緒に出かけよ」
「康夫も行くか「康夫はいいの」
「何で?」
「まあいいじゃない、早く行こっ!」
康夫の
「私を置いていくなんて酷い!? 三人で一つじゃないですかあ!?」
といった嘆きを背に、俺は彼女に半ば無理やり外に連れ出されることになった。
「わあ この服かわいい!」
神奈は乙女のようにはしゃいでいた。
「ねえ、似合う?」
「似合ってるよ」
俺は彼女と街を出歩いた。
彼女はいろんなところにワープしたいと言っていたが。
アルファートの力を使いすぎると叱られるので咎めておいた。
彼女は半ば不満気だったが、すぐに機嫌を直してくれた。
「もう夜だな。帰るか」
「ねえ、最後にこの公園に寄らない?」
人気がない公園。
こんなところに寄ってどうしたいんだろう?
まあそもそも彼女が俺だけ連れ出してどうしたいかなんだが。
「ほらよ。玄米ジュース」
「わあ。ありがとう」
「お前変わったものを飲むのな」
「いいじゃない。私は変わりものよ」
俺と彼女はそこら辺にあるベンチに座った。
「ねえ。勝」
「何だ?」
「神様ってひどいよね」
「…………」
「私、辛かったんだ」
彼女は語りだした。
容姿のことでいじめられていたこと。
容姿といっても不細工なわけじゃなくて、その逆。
男子生徒からはレイプまがいなことをされそうになったり
女子生徒からは可愛子ぶってうざい!! とよく貶されてきたようだ。
それで彼女はこの世に産まれてきたことを呪い。
ついには神まで恨むようになってしまったようだ。
俺と同じだな。
彼女は俺に心を開いてきた。
俺も心を開いて彼女に自分の過去を打ち明けてた。
彼女と同じいじめられた過去。
そして、折角守ったものにも裏切られたことなど。
「私と勝。同じ学校の同じクラスにいたら良かったのにね」
「そうだな。お前は裏切らないし」
「そしたら今頃私たちカップルね」
「それは分からんな」
「ええ? 私結構かわいいよ?」
「そもそも俺は恋愛に興味はない。ん?」
ふと、俺の左肩に彼女の頭の感触があった。
「私、勝にほれちゃった。」




