第二十二話「死」
俺は相変わらず自分に厳しくあろうと走り続けている。
もう同じ道を何週しただろう。
「勝」
アルファートの声が聞こえた。
「どうした? アルファート」
「悪が発生した。それを成敗してほしい」
悪が発生した。
そういや俺はしばらくそこの活動は停止してたからな。
あの現象が止まって頃合いを見計らったやつか、それとも何も知らずに悪を成しているやつか。
そんなことはどうでもいい。
俺はその悪があるところにワープした。
気が付くと車の中にいた。
「誰だ!? 貴様は!?」
ちょうど車が発信する前だった。
「まさか貴様は……噂の……」
「さて、お前はどんな悪を成しているのかな」
「俺は何もしていない!!」
ほう。
「こいつは誘拐犯だ。車のトラックに子供を乗せている」
アルファートの声が聞こえた。
なるほど。
俺がその旨を誘拐犯に伝えると。
「どうか命だけは!!」
と命乞いをしてきた。
命が惜しければ最初からこんなことはしなければいいんだ。
俺は誘拐犯を殺した後、車のトランクを開けた。
そこには泣きじゃくる子供の姿があった。
「もう大丈夫だよ」
俺の顔を見た途端、子供は泣きじゃくるのやめた。
「自分の家は分かるかい?」
「うん、お兄ちゃん、助けてくれてありがとう」
助けてくれてありがとう。
俺が一番聞きたい言葉だ。
ここまでやって初めて聞いた。
ホテルの自分の部屋に戻ると
「おかえり」
と神奈と康夫が迎え入れてくれた。
「聞いてくれよ。今日」
俺は今日やった悪事の成敗を嬉しさいっぱいで話した。
それを聞いた神奈たちは喜んでいた。
俺の過去。
守れず。
守ったものにも裏切られた過去。
もう昔とは違う。
俺は守れる!!
これが俺の日常と化しつつある。
だがまだだ。
こんなことではまだ世界は変えられない。
神を倒さないといけない。
神を倒せば俺の戦いは終わる。
さて、神よ。
お前はどんな顔で俺を見ているのだろうか?
お前の力ならあの子供だって守れたよな?
それともお前にはその力がないっていうのか?
違うな。お前も自分の都合の良い世界を守っているだけだ。
お前にはできないことが俺には出来る。
俺も自分にとって都合の良い世界を作ろうとしている。
だが、あの子供を守ったのは自分の都合じゃない。
俺は悪を片づけたんだ。
力を感じる。
俺の力が成長していくような気がしてる。
あとで神奈にでも見てもらうか。
神よ。楽しみに待っていろ。
自分の死を。




