第十九話「オルトンの誘い」
「ハア……ハア……ハア……」
俺は毎日走り続けた。
ただ自分に厳しくあろうと。
さて、もう夜か。
今日は帰って風呂入って寝よう。
ホテルに着いた。
俺は自分の部屋のドアを開ける。
時計は夜中の0時を回っていた。
あいつらは呑気に寝ているんだろうなあと思った瞬間。
「勝。大変よ」
と神奈が俺に声をかけた。
康夫も起きていて、二人とも神妙な顔つきになっていた。
「大変って何がだ?」
「オルトンがテレビで勝と話がしたいと公表しだしたのよ」
ほう。オルトンがか。
面白いじゃないか。
俺をおびき出す罠か。
それとも本当に俺と話がしたいのか。
オルトンの近くにはやつがいる。
始末しようにも簡単にはさせてくれないだろう。
だが面白い。
俺は正義の味方だ。
堂々とお前の前に現れてやろうじゃないか。
「もちろん行かない「行くか」
俺は神奈の声を遮った。
「正気!? 貴方、おびき出されてるかもしれないのよ!?」
「それでも俺は行く。例え罠だとしても」
「行かないで!!」
神奈の声色が強くなった。
「貴方がいないと私は……!」
そういえばこいつは願ってたな。
世界の破滅を。
俺もこんな世界、壊れてしまえばいいと思う。
だが。
「俺は行くよ」
俺はプライドが強いのかもしれない。
こんなプライドじゃ世界は変えられない。
そんなことは分かっているのに。
「行かないで!!!」
神奈のその言葉と共に俺はその場から消え去った。
どういうつもりだ?
僕は驚いていた。
いや、それは力をもらったときからかもしれない。
しかし、オルトンの元に神のしもべとも思えるお方が現れたのだ。
それだけじゃない。
オルトンはそのしもべからも離れ、勝と1対1で話がしたいとまで言い出したのだ。
そのしもべも納得しているみたいだし。
神は一体何を考えているのだろうか?
まあいい。
僕は元々神に力を与えられた存在だ。
神に逆らう必要などない。
それに僕にはそこまでしてオルトンを守る理由もない。
しかし、オルトンを殺されては僕のプライドにも関わる。
だが。
今は見守るしかないのだろう。




