第十六話「突然現れたやつ」
俺と康夫は今、オルトンがいるリルフィー教の建物内にいる。
俺が出した提案は康夫の透明な能力を使って警備を忍び、オルトンを暗殺するということだった。
試してみた。
俺の能力は神聖なところでは制限される。
だが康夫の能力は制限されていなかった。
これなら忍び込み。
アルファートが邪魔にしているオルトンを抹殺出来る。
あと、念には念を入れて、神聖な場所から他の場所へワープできたか試してみた。
これも上手くいっており、これならイレギュラーが発生しても対処することが出来る。
さて、オルトン。
恨みはないが死んでもらおう。
俺と康夫は幾多の警備を掻い潜り、遂にオルトンを見つけ出すことに成功した。
「初めましてだな。オルトン」
「どうやってここに? まさか」
「ああ、そのまさかさ。お前を殺しに来た」
「聞かせてください。なぜ私を殺しに?」
「お前がアルファートにとって邪魔な存在だからだ」
「待ってください。私は何も」
「命乞いは聞かない。死ね」
俺はオルトンにナイフを突きつけ、そのまま突進した。
「!?」
突然だった。
俺の持ったナイフは弾き飛ばされ、いつの間にか俺の首筋に剣が当てられていた。
「神に逆らう悪しき者どもよ」
目の前に立つ”やつ”はあまりにも神聖なオーラを放っていた。
アルファートの神聖さが小さく感じるほどだった。
「なぜ神に逆らう?」
やつは神聖な声で俺たちに問いかけてきた。
神に逆らう。
俺には神に逆らう理由がある。
この世界。
そうこの悲しき世界がその理由だ。
俺は神を倒し、新たに神となって幸せな世界を作る。
その旨をやつに伝えた。
だがやつはそれを鼻で笑うと、こう俺たちに言い放った。
「神は幸せな世界を作ろうとしているのだよ」




