第十五話「提案」
「何ですか!? 貴方たちは!?」
「警察だ。ここに高根勝が住んでいると聞いてやってきた。新木、ここでいいのか!?」
「私の力に間違いはありません。しかし……」
やはりダメだったか
確か高根はここに住んでいたはずだ。
だが、彼もそこまで馬鹿ではない。
ここが危険だと察知して遠くへ言ったのだろう。
まあいい。ちょっくら話でも聞くとしますか。
「突然お邪魔してすいません。貴方が高根勝様のお母様ですか?」
「そうですけど。勝がどうかしたんですか?」
「いや、彼を探してるんですけどね。どこにいるか心当たりは?」
「分かりません。でも最近妙なことが」
「妙なこと?」
「普段は部屋に閉じこもってるんですけどね。急にいなくなったりして、散歩でもしてるのかと思ったんですが、急に戻ったりして、どう説明したらいいか分からないんですけど」
「いえ、そこまで聞ければ充分です」
やはり彼には力がある。
しかしどうしたものか。
当てがあるわけではない。
急がないといけない。
彼の力は成長するという厄介なものだ。
いづれアルベルトよりも強くなるだろう。
それまでに彼を取り押さえておきたい。
しかし、当てがないんじゃあなあ。
「いやあ、俺の能力もここまで成長していたとは」
とりあえず俺たちは旅行? いや、逃亡していた。
神奈の情報によると新木たちが俺の家に押しかけてくるらしい。
まあ元手を抑えるのは常套手段だ。悪くない。
彼女が教えてくれなければ今頃俺は捕まってまた牢獄に入れられてただろう。
「勝の能力って便利でもあるんだね!」
俺の能力がここまで成長していたというのは、俺が康夫と神奈を違う場所にワープさせることができたからだ。
俺は指定の位置に彼らをワープさせ、俺もワープして新木達から逃げていた。
「さて、これからどうする?」
「安心して、勝の能力は錬金術も使えるぐらいだから。ホテルとか普通に泊まれるよ」
うん、俺の能力は便利だ。
しかし、神に挑む力がそんな便利なもの扱いされるのはあまり嬉しくはないな。
まあ、便利に越したことはないが……。
「それはいい、だがこれからどうする?」
「何だ? 他に何をどうする?」
「お前の能力は飾りか?」
「ああ、そうだった」
神奈。こいつは俺の思考が読める。
「そうねえ。貴方が神を倒すためにはオルトンを倒す必要がある」
「うん」
「でもオルトンを倒す前に新木達を倒さなければいけない」
「うん」
「だけど今の勝じゃ新木たちに勝てない……」
さすが神奈。分かるじゃないか。
ちなみに俺の能力には制限があって、オルトンがいるような神聖な場所へはワープできないようになってる。
これは邪神が説明してくれたから充分か。
だが……。
「ちょっと待て」
「何?」
俺は思考している神奈を止めて、ある提案をした。
それは……。
「新木を倒さなくても、オルトンは倒せるんじゃないかな?」




