第十二話「勝救出作戦5」
油断していた。
まさか新木に私たちの行動を読まれていたなんて。
でも新木も相当馬鹿なようね。
あの程度の脅しで私たちを捕まえることが出来るわけないじゃない。
ということでアメリカにたどり着いた。
のはいいけど……。
「ヒャッホー。久々の旅行だ。」
一人うざいやつがいるんですけどお。
「あのう。静かにしてもらえない?」
「貴方は嬉しくないんですか?」
「何が?」
「私たちは見知らぬ地にいるんですよ!?」
「それがどうかした?」
「普通喜ぶでしょう!!」
はあ……。
いいわね。こいつは呑気で。
自分が与えられた力の重要性を弁えてるのかしら?
まあそんなことはどうでもいいとして、
勝ね。
彼はバスキュール神殿の近くの刑務所に拉致されている。
刑務所の監視は厳しい。
けど彼の力があれば勝を救い出すことは可能ね。
待っててね勝。
今助けるから。
「おい、犯罪者。飯だぞ」
俺は犯罪者じゃなくて正義の味方なの!!
そんなことを監視員に何度も言ってるが、聞き耳もたずだった。
「勝! 朗報だ!」
「どうした? アルファート」
「お前の味方がすぐ近くにやってきている」
「おっ! てことは?」
「お前はここから出られるということだ」
待つこと数時間。
さすがに今日はもう遅いから寝ようと思ったその瞬間。
「勝君」
と小声が聞こえた。
「あっ」
「迎えに来たよ~」
俺の目の前には黒髪ツインテールの女と
もうひとり見覚えのない男性が突っ立っていた。
「彼が神に挑む力をもつ青年ですか?」
「そうだよお」
神に挑む力をもつ青年?
俺のことなのか?
「さあ、早くここから出よう!」
待てよ?
「そういやお前らどうやってここまで来たんだ」
俺は疑問に思っていることを口にしていた。
この女は相手の情報を細かいところまで知ることが出来る。
しかし、それだけの力でここまで辿り着けるはずがない。
「それは彼のおかげよ。ね?」
「あ、ああ」
男性は曖昧な返事をしていた。
この男にも何か力があるのか?
「説明は後々、とりあえずこの人に触れたまま外に出ましょう」
なぜ触れる必要がある?
まあ今はそんな疑問は後回しだな。
俺は男性の方に触れた状態で刑務所の外へ出た。
意外とあっさりだった。
というのも監視員たちが俺たちの様子に全く気がついてなかったのだ。
これは推測だが。
恐らくこの男性は透明になる力をもっていて、それに触れたものもまた透明になることが出来るということなのかもしれない。
さて、新木新。
お前は俺を騙し討ちにしてくれた罪がある。
その罪。
俺が裁いてやる!!




