精霊との契約
明るくなったからか、昨日の様に祠は怖さがなく周りの風景に良く馴染んでいるなと感じた。
相変わらずテンションの高いミコは置いといて、婆さんが昨日とは違い目がキラキラしていた。それは僕の周りを飛び交う精霊に焦点を合わして。
「驚いたのぅ。きれいな精霊様じゃて‥‥‥」
「クークー!」
「なんと‥‥‥話もできるのか。してスイ坊よ。どこで合った?良く好かれておるのぅ」
「あの〜精霊って本当にいるんですね。小川で見つけて着いてくるのですが。この水の精霊さんの名前って分かりますか?」
「ふむ。調度良い。ミコも良く聞いておけ。精霊信仰というわけではないが、この世界には多くの神々がおり、火、水、木、山、岩あらゆるものに神様が宿ると考えられる。自然と共存する物質を守護する神々は守護神となり呼び名もまた精霊と言われ扱われるのじゃ」
なんと。神様だったのか。
「クー?」
「なんと。。こんな下流に。闇御津羽神様でしたか。この子をお気に入りに?」
「クークー♪」
「えっと。。。クラミツハ?って凄い神様なのですかね?」
「‥‥八百万の神は生まれは一部の神々から誕生しその一部より発生する。互いに子を成す神もおるが。。基は神が与えし贈り物。。。闇御津羽神様は原初の神に近し水の神。水は山より勝手に湧くものではない。それくらいわかろう?」
「クラミツハ様は水の源泉を司る神様だよ?すごーい精霊でも上位♪」
おぉ‥‥なんか神々しく思うがクークーしか言ってないのだが。話が分かるのかちょっと得意気だ。ん?
眼の前に飛んで来て首を傾げてこっちを見ている?
「クークー?」
「ん?いいよ」
なんとなく聞いてきた様子なのでつい頷いてしまった。
精霊のかわゆさ故か危機感などもなく。忘れていた。神でも合った事を。
「うぎゃああああああ!ちょ、ちょっと!」
闇御津羽神と呼ばれる精霊の行動は単純だった。顔の前にいたそのかわいさとは裏腹に。
―――ボクノ右目を引っこ抜いた。
止め度なく流れる血、視界がぶれて見えなくなる。痛みはないのだが、よっぽどの事が訪れたのは分かる。垂れ落ちる血を止めようと両手で抑えるが。。それすらこじ開けられ。
クークー言う精霊は僕の右目の穴に入る。
「!?。。。!????」
「ほう。。契約をするとは。スイ坊は闇御津羽神様によほど気に入られたようじゃな」
「凄い!ドバーッと出たよ!血がドバーッって!」
あまりに起こった事に頭が理解できない。眼球を抜かれその中に入り。。頭の中で『クークー♪』と声が響く‥‥‥
落ち着いて両手を離せば右目から血は止まったか。どういう感じなんだ僕!?ゆっくりと視線がぼやけるけど目は‥‥‥目がある!?あれ!?夢でも見ているのか‥‥‥
「はぁはぁ‥‥‥いったい何がどう!?」
「落ち着けスイ坊や。精霊様と契約を成し遂げた。そなたにも神の力が宿ったようじゃのぅ」
「すげーすげー!初めて見た!血がドバーッって!ほら眼玉!眼もらって良い?」
隣に興奮している残念な姉は置いといて。
「‥‥‥何がなんだか説明してもらいますか。婆ちゃん!」
「ほえほえ。まあ川でその顔を洗っておいで。ゆっくりと説明するかのぅ」
□□□
再び小川に戻り顔や首周りを綺麗に洗いで戻る。その間ミコはキャッキャと興奮していたが頭の中でぐるぐる情報が理解できないのでスルーしている。
祠という夜には小さく思えた小屋に入る。
昨日は小さいと思えたが、明るい今ならそれなりに物があり、また子供の僕ら二人入ったとしてもスペースもあった。八畳ほどはあるのではないか。奥には薬草や、良くわからない物が雑踏と合った。
既に準備されているお粥に手を伸ばし、いただきますをして匙で掬う。朝からお粥かぁとも思ったが、胡桃や山菜が入っており以外と美味しい。昨晩に比べれば全然美味しかった。
再び先程の精霊について聞いたが、黙って食事を取れと言われ、ミコ共々静かに料理を食べる。視線は慣れないが、両目が開き確かに視線は両目で見えていた。
「さて。この国には多くの神々が住む。気付かず生を終えるものもおるが、おおよその者は精霊や神に出会うであろう」
ゆっくりとお茶を飲みながら話しだす。
「神々といえども互いに意思を持ち、交流が好きなのもおれば悪いものもおる。精霊も然り。争うものもおる。そういう存在じゃて、今後も会う故心がけるが良い」
「我ら人はその神々に比べればちっぽけな存在。が、その神々の力を受け入れる事ができる。それが精霊との契約、神々との契約じゃ」
なるほど。契約する事で魔法みたいな事ができるのかな?
「しかし精霊との契約は対価を伴う。力を得る為には何かを失う理。スイは見ての通り右目を失ったみたいじゃのぅ。高位の精霊達は特に人に興味がある。ヒトとして同じ様に見てみたいんじゃろうな」
「でも、なんか変わりに入って眼も見える気がするのですが‥‥‥」
「まぁ神じゃからな。そこは分からんが契約で生活が支障になる様な事はめったにない。スイは綺麗な群青色に変わってはおるが、見ると言う事に支障はなかろう」
「何か力が使える様になったのですか?」
「ふむ、それは確かじゃ。闇御津羽神様は水を司る神。水を操る神技術が使えるはずじゃて。まあそれぞれ神により能力は異なるので徐々に覚えればよい。ひとまず精霊様と契約おめでとうじゃな」
「おめでとースイ!強くなったかー!」
「あ、ありがとう?でいいのかな。じゃあさっき見た精霊さんは僕の眼になったのかな?」
―――ヒュン
と眼から飛び出しまたくるくると回る。
「クークー!」
「‥‥まぁ契約した精霊様はいつでも傍におる。そういうものじゃて。困った時には助けてくれようぞ」
「はぁ‥よろしくね闇御津羽神様?」
「クークー♪」
出たからと言って右目が見えなくなるわけでもなく、くるくる回る精霊様は相変わらず元気いっぱいだ。悪気はないのだが、右目を取られた恐れはある。
三つの目の精霊は綺麗な三色で僕を見つめていた。
まるで『よろしくね♪』と言わんばかりに。
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