第45話
いつも読んでくださってありがとうございます。
色々滞ってすみません。
来週から出来る限り取り戻します。
ダテラス少年とは一体何者なのか? そんなこと塾の授業をいくら受けても、ケガク先生のテキストを読み進めてもわかるはずが無い。自分で考えて答えを出さなきゃいけないことだ。
先生が黒板に書き出した今年の時事問題のスポットが当たりそうな項目を左手で書き写しながら、右手でノートのフリースペースにメモを作る。この両手で別の内容を書き出す能力は向こうで身につけた技術の中では何気に便利で応用が利くスキルのような気がする。ちなみに両親に披露した結果母さんはすごいと言ってくれたが、父さんには『なんか気持ち悪いな』とか言われた。
父さんの両利きの器用さはなかなかかっこよくて羨ましい項目だったことを思い出したから、結構『勝った!』とか思ったんだけどなぁ。すげーショックを受けたっけか。
まあ、残念ながら左でできるのは見たり聞いたりすることをそのまま書き出すことだけで、右と左で別々に考えたことを実行できるわけじゃ無いところがすごくしょっぱいのだけど。むしろ気がついたら自動で左手がなんか書いてることもあるくらいだし。要するに二つのことを同時に考えられないんだよな。まあ、それくらいが普通なんじゃ無いかとは思うんだけどね。
っとと、脱線した。ええと……彼の不思議に関して書けることは……
1『俺に関して』
.俺の名前を知っていた
.変化した俺の見分けがついた→母さんも?
.人質問題>自分探し?
動画の公開→テロ
.俺の変化を何事もなかったかのように受け入れた→母さんも
.死体
◎俺と会ったことが無いらしい
.新しい人工衛星の打ち上げと小惑星探***
2『振る舞い』
.伊達をイラと呼ぶと奇声をあげる
.サミット開催地三箇所
。セイヨウハナズオウとか絶対使わないのに暗記カードに入れてる
>キーワードはユダの木?>これも奇声
.ダテラスを怪獣みたいってよく言われるらしい
。根く**コンクラーベ
……かなり左手側のノイズが混じってるな。
1『俺に関して』
.俺の名前を知っていた
.変化した俺の見分けがついた→母さんも?
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.俺の変化を何事もなかったかのように受け入れた→母さんも
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◎俺と会ったことが無いらしい
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2『振る舞い』
.伊達をイラと呼ぶと奇声をあげる
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。セイヨウハナズオウとか絶対使わないのに暗記カードに入れてる
>キーワードはユダの木?>これも奇声
.ダテラスを怪獣みたいってよく言われるらしい
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読みにくいな。あとでなんとかしよう。とりあえず振る舞いに関してはイララスとかユダの木を帰ってから調べてなんかわかるといいなってことにしといて、重要なのは俺に対する行動か?
恐ろしいことに、とりあえず書き出されたのがたったの4行で、そのうち2行が母さんに当てはまる。変化した俺に見分けがついたのはまあ、過程を見ていたからという理由をつけることもできるかもしれないけれど、逆に変化を受け入れたことに関しては体重が異様に増えたことすら俺より早く気づき受け入れていたくらいだ。レベル的には総合すると同じくらいじゃなかろうか。知らんけど。
っと、左手が止まってるな。
「おい蘭堂、聞いてるか?」
「あ、ああ、はい。聞いてます」
おおお、何か聞かれてたのか。先生の板書の手が止まってたんだな。問題は俺が何を聞かれてるのかだけど……ええと、ノートの方には何が書いてあるんだ?
シンボルの商標登録問題が話題になっている
お腹減った
母さんが
G20→アメリカ.イギリス.フランス.ドイツ.日本.イタリア.ドイツ.カナダ.日本.カナダ.EU.ロシア.中国.インド.メキシコ.→?
……え? もしかしてG20の残り聞かれてる? なんでこんな中途半端なとこで止まってるの? あ、これってあれ? 圧力爆弾的なノリで、他の人も順に聞かれてる感じ? 一個答えればいいとかってこと? なんかダブりがやたら多いんだけど……あ、ホワイトボードの方は無いんだな。
ええとここにないのは……韓国とかインドネシアとかだっけ? っていうかG20答えるのは時事問なのか?
「か、韓国です?」
「よし、韓国な。次、温 」
「アルゼンチンですか?」
「よし次ー」
よし! うまいことやり過ごした。とりあえずノートの方の重複部分は削っておこう。あと『お腹減った』とか『母さんが』とかも。ふむふむ……G20は今ちょうど15まできたのか。んで、サミットが始まったから改めてちゃんと覚えてるかチェックが入ったと。なるほどな。割と覚えてなかったから、さっき間楽先生のテキスト見直してなかったら危なかったかも。まあ、ちゃんと聞いてないと思われたから問題なのであって、ちゃんと聞いてると思われてたらわからないと言っても問題な……いや、結局受験のためには問題があるのか。
よし。G20が全部埋まったな。次行こう。
えーっと……そう、ダテラスがなんで俺のことをわかるのかって話だったっけか。
まず最初から俺知っていたとしよう。顔も、名前も知ってて。あ、項目1に書き足すことがあった。『鎧を着ていた俺になぜ物怖じせずに話しかけたのか』だ。
ええと、例えば顔も名前も知ってたなら、鎧を着てた俺に物怖じせずに話しかけるのもわかる。だって知り合いが変なかっこをしてるだけなんだからな。だけどその場合、あいつは俺にわざわざ名前も顔も知らなかったと嘘をついたことになる。なんでだ? しかも鞄の名札なんてちょっと考えれば嘘だってわかるだろう嘘を、だ。
じゃあ、名前も顔も知らなかったとしたら……? 例えば向こうの世界だとしたらまあ、わかるかもしれない。変身する魔法とかだって無いわけじゃ無いしな。初見のやつがそういう魔法を使う奴だったってだけの……いやでも初見はやっぱりびっくりするだろ。普通。
ともかくあれだ。例えば彼の目が特別製だったということならこれも成立する。
でも、特別製ってどういうことだ? なんらかのスキル? この世界 にはそんなもの無いはずだろ?
「……」
まさかダテラスも俺みたいに召喚されたとか? でも魔剣 は俺が初めてだって……
いや、待てよ? あの世界の出来事はあの一瞬一秒に圧縮されてるんだろ。ってことは、あの世界で俺よりあとの時代に召喚された人間もやっぱりあの瞬間に召喚されてあの瞬間に帰ってくる? まさか、そういうことなのか?




