表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/46

第16話

いつも読んでくださってありがとうございます。

 すっごい変な音がした。


 いや、いきなり何が何だかとは思うけど、とにかくすごく変な音がしたんだ。後ろから。

 ふぃぃヨッ! ふぃヨ! ふぃヨ!

 文字にするとこんな感じ。

 駅の改札口をくぐった途端いきなり聞こえたその音は、強いて言うならHEIYO鳥の鳴き声に似てる。まあHEIYO鳥って俺が勝手に呼んでるだけで、単に外の世界で見た鳥を心の中でそう呼んでるだけなんだけどな。カッコーって鳴くからカッコウって呼ぶみたいな感じで、ヘヨーって鳴くからHEIYO鳥。見た目がすごくファンキー。赤青黄オレンジ緑ピンクの原色エミュー。

 閑話休題。

 とにかく変な音がしたのだ。なんの音だろうか。ついチラチラと後ろを振り向いてしまう。


「ああ、あれ? 子供の切符使うとあの音がするんだけど……あっちゃんは小学生の頃あんまり電車に乗らなかったもんね」


 ……挙動不審になった俺がおかしかったのか、母さんが教えてくれる。それで中学生になったばかりの頃うっかり子供料金で切符買ったのがバレたのか……って何をしみじみしてるんだ、いかんいかん。そう、これじゃ文明社会にやってきたばかりの原人だ。ターザンinニューヨーク的な。色々違うけど。落ち着いて電車に乗らなくてちゃ。


「あっちゃん、黄色い線から前に出ないでね?」

「白い線じゃないの?」

「あー……うん。黄色い線から出ないで」

「わかった。線ていうか、タイルだよね。あ、でもタイルの内側って言ったら変なことになるし、線でいいのか」


 これ、素足で踏んだら痛そうだよな。たしか目が見えない人はこれで周りの状況を確かめるんだっけか。むこうでは盲目の人なんか見たことなかったけど、いなかったはずもないよな。でも、そういえばそういう工夫もなかったよな? どうしてたんだろう。

 

 カン カン カン カン カン ……


 また音。改札の時と同じで何となく耳につくのは、電子音に共通する特徴か。電話も5時の鐘もちょっと苦手。これが踏切なのは、さすがにちゃんとわかってる……というか、駅に入る前に渡ったし思い出した。

 ホームに来るであろう電車に乗るために一歩前に踏み出して、


 ゴッ


 目の前で空気が吹き飛んだ。

 きゅうこうでんしゃ。うん、急行電車だ。知ってる。駅に止まらない電車だ。ふふん。それに、電車の速度にも適応済みだ。当然踏切で体験したからな……警笛と共に突っ込んでくるのを感じた時は、一瞬ドラゴンが襲撃してきたのかと思ったけど。

 ……うん、一週間引きこもってた間も薄々自覚はあった。自覚はあったけど改めて実感してみると酷い。五感まで強化されてる……っていうか鋭敏に成長? してる。成長? 成長っていうか、うん。鋭敏になってる。磨き上げられてる? 鍛えられる……五感て鍛えるものだろうか? 幼い頃から鍛えると絶対音感が身につくとは聞いたことがある。でも、目は基本的に悪くなるだけなんじゃないだろうか。メガネかけてる奴が特訓して視力回復とか聞いたこない。

 うーん、でも実際強くなってるんだよな。警笛と共に突っ込んでくるのを感じた・・・時……感じるって何をどう感じたんだろう? うーん……何となく、触覚に近いとこで感じた気がするんだけど。

 ドラゴンの襲撃とか、50 (90)ハード メートルは先で感知しないと色々危なかったからな。

 いくら無敵だったとはいえ攻略法が全くなかったわけじゃない。代表的なのが二つ。

 服毒と落とし穴。

 まあ、落とし穴っていうか、移動系。体当たりされても痛くも何ともないけど普通に吹き飛ぶ。ドラゴンのふき飛ばしを食らうと仲間は普通に死にかけるし、自分達がどこにいるかわからなくなるし。食われるといろんな意味で耐え難いことになるし。ぬめぬめで真っ暗な内臓の中で死ぬこともできず、ロッククライミング出来るわけでもなく。うん。ドラゴン怖い。

 別にドラゴンに限った話じゃなくて食われるの怖いんだけど、あれが一番速くて対処が難しいんだ。

 キーっとブレーキの音を立てながら、目の前で電車が止まる。カクカクした、おおよそ自然界では見ることのなさそうな形。四角い。


「そういえば新幹線って大きなヘビみたいだよね」

「え、そうかしら?」

「あの丸みのあるデザインは、わりと」

「それって、電車と比べてってことでしょ?」

「そうとも言うかも」


 電車じゃなくて新幹線だったら、乗る時に取り乱したかもしれないな。

 ……いや、さすがにそれはないか。普通に乗り物だってわかるし。


「さ、乗りましょ……ああ、手を貸したほうがいいかしら」

「いや、ないない。それはない」

「そう? あ、でも頭は気をつけてね。ぶつけないように」

「あはは、そこまででかくなってないって」


 家の中でドア枠に頭ぶつけたことあった?


「え、いや」


 ゴン


「がっ」

「あちゃあ……」


 痛みのあまりタタラを踏んで、後ずさってしまう。

 な、何でか、脳天から叩きつけるような衝撃が。ちょっと前頭部っぽい場所に……いや、嘘だろ。家でこんなとこぶつけたことないぞ。


「あのね、あっちゃん。家の扉は2メートルくらいあるの。電車の扉は185センチくらい。あっちゃんよりちょっとちっちゃいわ。だから踏み出す瞬間は大丈夫そうでも、体を起こしたらぶつかっちゃうのよ。さ、乗りましょ」

「う、うん」


 手を引かれて少し腰をかがめて乗る羽目になった。かっこわる。


「……」

「どうかしたの?」

「うん……うん、いや」


 ……ところで乗った瞬間電車揺れなかったか?

いかん、デパートにたどり着けなかった……あと先週タイトル間違えてますね。。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ