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遼遠のノクス・リーガル  作者: 夏木裕佑
Act.1 来訪と船出
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6/23

Eps.6

 <ファーベンス>の船室の二倍ほどの大きさがあるがいっそう味気ない部屋で起き上がり、身支度を整える。クローゼットを開いて黒い航宙服に袖を通し、腹ごしらえでもしようかと通路に出た。

 気密ハッチが音を立てて素早く身を避けると、目の前に立っていたアキとぶつかりそうになる。思わず後ろに飛び退けると、彼女は何事もなかったかのように控えめな会釈した。

「おはようございます、船長」

「人を驚かすのが趣味なのか?」

「わたしは生体端末ですので、趣味はありません」

 そういう意味じゃない、と否定しそうになったが溜息をつくにとどめて改めて部屋を出る。

 通路は狭くもなければ広くもないといった幅と高さで、他の航宙船と同様にダクトやケーブルが張り巡らされている天井が所々に見えるが、それらは<アクトウェイ>の疑似人格が操作する複数のドロイドが整備作業をしている修繕箇所だ。ほとんどは照明パネルを組み合わせたフラットなデザインの金属製の板で覆われていて、元々ゴーストシップだったからか埃のひとつも浮いていない。

 準備万端とアキは言っていたが、実際には細かい整備作業などを後回しにした結果だったようだ。それに先のメキシコ・サードにおける戦闘でかなりの無茶をしたから、船体も無傷では済まなかったのかもしれない。

 一隻の船として稼働するのならばなんでもいいか、と割り切ってリガルは丸っこくて小さな整備ドロイドを避けつつ歩いていく。表情はもちろん顔すらない小さな彼らが少し愛らしく思えた。

「なあ」

「はい?」

「もしかして、おれが起きるまで部屋の前に立っていたのか?」

「そうですが」

 それが何かとでも言いたげな様子で佇んでいるアキを見つめながら、リガルはため息をつく。声帯端末と生活を共にするのは初めてだが、皆こんなに人間の生活リズムが欠落しているものなのだろうか。

 人間を教える必要があるだろう。新たに自分の仕事がひとつ増えたことを受け入れつつ、まずは初歩的なところから教え諭すことにする。

「今度から用がない時は自分の部屋に戻って過ごしてくれ。部屋が無ければどこでもいいが、あんな風に待たれていては心臓が持たん」

「わたしに休息の必要はありませんが」

()()()必要があるんだよ。いちいちハッチを潜るたびにお前がいるかどうかを気にしていたら嫌になるし、びっくりする。疲れるんだ」

「なるほど、了解しました」

 不満ではないが理解できない、という様子でアキは頷く。彼女は生体端末ゆえに人間の生活を理解しきれないのだろう。となれば、<アクトウェイ>が幽霊船として漂っている間に彼女は一人の人間にも出会わなかったということになるが、さて。<アクトウェイ>には大きな謎がいくつも隠されているが、解決は後日としなければなるまい。差し当たって生き延びるにはこの船が必要なのだ。

 この先いろいろと気苦労が多そうだ。頭を掻きながら、リガルは目の前に見えてきた船橋へ続くひときわ大きなハッチの前で立ち止まる。アキが同伴しているため認証タグを翳さずともロックが解除されて中へ入ることができた。このあたりは彼女が帯同していて便利な点のひとつだ。

 <アクトウェイ>は一人で生活をするにはあまりにも広すぎる。軽巡洋艦に匹敵する巨艦ともなれば内部容積は二百名前後が生活するのにじゅうぶんなものが確保されているのだ。輸送船など長期の航海が前提となる航宙船には、食堂やリネン室、シャワー室からトレーニングルームに至るまでを用意しなければならない。<アクトウェイ>にも人間の生活のための各施設が存在するのだが、どれも小規模だった。とはいえ性能に不足はなく、少し使ってみたところ素晴らしい出来栄えだった。明らかに通常の艦船より省力化の進んだ設計である。だからといって一人で独占するには過大だ。まるでひとつの集合住宅を借り切って暮らしているに等しい。このままでは精神衛生上もよくない。孤独には慣れるが、船のあちこちに立ち入る度に、お前は独りなのだと事実を突きつけられていては辟易する。

 船橋と同じレベルの居室を利用したのは距離が近いからというのと、資源——主に空気——の消耗を抑えるためだ。船内のあちこちにある生活施設のすべてを利用するのは無駄なため、リガルはアキに命じてドロイドに隣室まで生活物品を搬入させた。主に食料や衣類で、食事は自室で摂る。だが一日のほとんどは船橋で過ごすことになるだろう。船長とはそういうものだ。そしてわざわざこの星原の見えない場所で無為に過ごすこともない、とリガルは座席へ座りながら心に決めた。

 彼を取り巻き圧倒する星々の輝きは、つい数日前まであきらめていた夢の光だ。その光のないところへは、もう行きたくなかった。

 一頻り宇宙全体に包まれた浮遊感を感じた後、意識を現実に引き戻してコンソールを操作してメキシコ星系図を呼び出す。

 バルハザール宇宙軍の追撃を振り切ってメキシコ・サードを離脱してから四日が経過していて、シャワーと睡眠を挟んだリガルにとっては目新しいものがいくつか見えていた。やはり<アクトウェイ>のセンサーは非常に感度が高く、星系から高速で離れながらも多くの情報を得ることができる。

 メキシコ星系から繋がるバルハザール民主共和国はジル星系へ続く跳躍点には大型の輸送艦がおり、メキシコ・サードへの軌道を進んでいた。護衛艦として駆逐艦三隻が随伴しており、ダイヤモンド型の隊形で輸送艦を囲んでいる。メキシコ星系における有力な国防宇宙軍艦は<ファーベンス>を除けば連合警備隊に所属する数隻のフリゲート艦と駆逐艦三隻のみで、今は<ファーベンス>だけがメキシコ・サードからメキシコ・プライムへ向かい、他の船は星系内の各所に散らばっていた。星系防衛軍としては一挙に全艦が撃破されるのを避けるために分散配置としたいだろう。

「あの三隻の駆逐艦と輸送艦は後続部隊のようです。先んじて侵入した二三隻の艦隊とは別兵力ですから、これでメキシコ星系に存在する敵艦は二七隻になりました」

「敵軍の目的がメキシコ星系の占領に留まる保証はない。それに、メキシコ・サードから燃料を自給できるとはいえ、装備弾薬類はそうもいかないだろう」

「バルハザール本国から輸送艦が送り込まれるということですか?」

「兵站ってのはそういうもんだ。食うに困った兵隊なんでろくなもんじゃない。それに、三〇隻弱でレイズとやりあうには寡兵にすぎる。駆逐艦と巡洋艦、もしかしたら戦艦も何隻か寄越して前線兵力を増強するに違いない。第一艦隊だけでも余裕をもって対処できる規模でレイズに喧嘩を売るほど、バルハザールの連中も馬鹿じゃないだろう」

「そして何かを運ぶためには、なるほど、輸送艦が必要ですね」

「そういうことだ」

「それでは、カーレ星系はどうでしょう。あちらもバルハザール領宙と接していたはずですが、兵力を二分しているとは考えられないでしょうか」

 何とも言えないところだ。カーレ星系へ行くにはいくつかの星系を通過しないといけないし、内戦から復興の途上にあるバルハザールが国力で勝っているレイズを相手に全面的な侵攻を行うには、銀河連合が認知していない兵力増強が秘密裏に進めておかなければならない。彼我の国力差にはそれほど開きがある。専門の査察委員会までを立ち上げてバルハザール国内の復興支援と政情不安に対処していた銀河連合議会は責任を追及されるだろうが、そこまで仕事のできない連中とは思えないから、敵船力の総数はレイズが把握しているものとさほど大きな違いは無いのではないかとリガルには思えた。

 いずれにしても、バルハザール宇宙軍が行動を起こしているということは彼らなりの算段をつけていることを示唆しており、兵力差は彼らも身を以て知っているだろう。その差を縮めるべく総力戦など考慮しておらず、レイズと事を構えるにあたり国境星系での小規模紛争で決着をつけようとしているのかもしれない。メキシコ星系だけでも占領できれば、その経済的価値は莫大で、バルハザールは乾いた土に振る雨のように貪欲に利益を吸収できる。

 もっとも、その利益の全てが復興と貧困に喘ぐ市民に回るかと言われれば、そうではない。軍事政権がそこまで柔軟に利益の再分配を行った例をリガルは知らないし、今のバルハザールの首脳がそんな通説を覆す清廉潔白さを身に着けているとは考えられない。レイズとしても常設艦隊を動員しての防衛戦争であるからには全ての星系を奪還するまで戦い続けるだろう。

 おれはもう軍人じゃない、と頭を振って意識をメキシコ星系へと戻す。ともかくは<アクトウェイ>を駆ってマルメディス星系の艦隊司令部へ出頭すればいい。後は国防宇宙軍の管轄でノーマッドであるリガルには関知しないし、できない問題だ。

「なぜ増援は時間差を置いて来るのでしょうか?」

「先行部隊に露払いをさせるのが定石だからだ。ワセリー・ジャンプ航法は途中で止めることができない」顎をしゃくって、駆逐艦に寄り添われながらゆっくりと進んでいる輸送艦を示す。「素早く動けない輸送艦となればなおさらだ。僚艦が星系内に散開して、国防宇宙軍の艦艇が攻撃してきたとしても即応できる位置につくまでに、相応の時間が必要だ。跳躍点の安全確保のための合理的な策だよ」

「理に適った行動ということですね。ですが、矛盾しています」

 思いがけない指摘にリガルはアキの顔を見た。彼女は人間の意思と機械の冷徹さが混在する瞳で複数のホログラフを同時に操っている。メキシコ星系図や、敵艦の速度、軌道情報などをまとめたものだ。

「どこに矛盾があるっていうんだ?」

「この奇襲攻撃と敵の戦術です。船長のご説明を聞く限り、敵は妥当な戦術判断を下しているとわたしも思います。ですが、レイズに対する宣戦同時攻撃などというリスクの高い行動に出たバルハザール民主共和国の行いそのものは非合理的です。銀河連合からの批難は免れず、バレンティア連邦の介入も視野に入るでしょう。そうなればどれだけ善戦したとて、先は見えています。兵力は消耗し賠償金も支払うとなれば、彼の国が銀河連合の国際管理地域となり、指導部は追放を免れないでしょう」

「確かに一方的な侵攻は、バレンティアの機動艦隊を投入するにじゅうぶんな根拠となる。明確な銀河連合法違反だし、バルハザールがバレンティアと相対するために強力な味方の支持を取り付けているはずがない。あの超大国と正面切って対抗できる勢力はそもそも存在しないのだからな」

「かといって、彼らが単独で機動艦隊を相手取り勝機を見出しているとは考えられません。だとすればもっとたくさんの戦力をメキシコ星系へ投入したはずですから。そこで視点を変えて国家間の条約効力に目を向けると、これは当事国同士で履行義務が発生します」

「となれば、バルハザールには機動艦隊の投入までにレイズを降伏させ、戦争に決着をつける短期決戦の算段があることになる。奇襲攻撃はその一環である可能性があるが、それだけではないということか」

「はい。ですが敵は、橋頭保を固めるにもいささか慎重すぎます。部隊を二分するのなら、先行部隊は真っすぐにクイナレ星系かフォーマン星系へ向かっているべきです。国防宇宙軍の動員には時間がかかりますし、敵としてはレイズ星間連合が態勢を整える前に、可能な限りの成果を得たいでしょうから。つまり、敵が勝ち目を見ているのは予想できるのですが、そのための行動とは思えないのです」

 つい先ほどとはまったく別の視点でメキシコ星系図を凝視する。アキの指摘は論理的に正しいと思われ、その答えがいま目の前に浮かんでいるホログラフの中にあるかもしれないと思うと思考がどんどん進んでいく。

 軍人としてこの任務に服すのであれば可能な限り国防に資するよう努めるべきだが、リガルは今これまで自分を縛り続けていたしがらみ、立場からの解放を実感していた。もちろん、マルメディス星系にカルツィオから託された情報を届けるまでは犯罪者という仮の身分から逃れることはできない。

 考え込んでいる内に、そのまま傍らに立っていたアキが告げた。

「クイナレ星系への跳躍点に到達。準備も完了、いつでもジャンプできます」

「了解。まあ、とにかく移動しよう。考える時間はいくらでもある」

 その内、すべてが思い通りになるさ。そう自分に言い聞かせ、リガルは手を振った。

跳躍(ジャンプ)せよ」

「了解、跳躍します」

 星空さえも置き去りにして、<アクトウェイ>は物理法則をも振り払うように霧のように掻き消えた。





 ワセリー・ジャンプ航法は人類が利用する超光速航法技術として最も広く普及した、そして唯一の技術だ。

 航宙船に存在する系内、系外という類別は人類の生存圏が太陽系に限定されていた時代から存在するが、超光速航法が実現して以降はワセリー・ジャンプ航法を有する航宙船か否かという意味で用いられる。そのため系内航宙船は無骨で経済性を意識した設計が多く、例えばメキシコ星系で見られたようなヘリウム採掘船などがこれにあたる。

 翻って系外航宙船は高コストだ。特にパワーコアの最大規格出力は恒星間航行能力の実現のため、系内航宙船のものより遥かに大きなものを求められる。その他、常に港湾施設の近傍宙域で活動することが前提な系内航宙船と比較して系外航宙船は長距離の航海のために高い信頼性も求められ、生命維持装置や食料を補完する真空冷凍庫の大きさなど、あらゆる点で系内航宙船より高品質なものが詰め込まれる。総じて高い技術力とコストをかけて必要性能が実現されるため、系外航宙船は現代の人類がいち個人で購入し得る中で最高額の製品とも呼ばれた。

 一隻あたりの単価が高くなりがちなため、宙運企業などが使用する輸送目的の系外航宙船が大型化する傾向があるのは一重に費用対効果の問題に過ぎない。一度のジャンプに必要なエネルギーは、船体の質量と大きさにはほとんど比例しないし、片道の移動でも長い時は数カ月という時間を費やす系外航宙船にとっては貨物積載量を増やせばそれだけ効率が上がる。片道の料金に大きな変動がないのであれば、なるべく多く運べばいいのだ。だから商人としては可能な限り大きい輸送船を用意し、一度に大量の物資を輸送することで利益を出す。ただ、あまり巨大にすると入港できる宇宙港が限られてしまうし、通常空間での航行で燃費が悪化しせっかくの効率化も無駄となってしまうから、むやみやたらと大きな船を建造すればいいというものでもない。

 ではそのワセリー・ジャンプ航法とはなんなのかと問われると、リガルにも説明はできない。大雑把に、超ひも理論に始まるいくつかの物理学の結晶であるこの航法では、船を量子の()()()で包み込み、大出力を使用し空間へ重力井戸の穴を穿ち潜航する。これが入口となり、対称性の法則からある一点に出口が形成される。この時、宇宙の対称性はジャンプ中にも適用されるため時間の流れも同じものとなる。ジャンプに三日かかるのであれば、ジャンプ中の船内でも三日が経過しているのだ。

 メキシコ星系からクイナレ星系へジャンプする航程は七日間。ジャンプ中の船舶は外界とのあらゆる干渉が遮断される。そのため船橋から星も見えない。船体の整備はアキがドロイドを監督して行っているから、リガルが船長として判断を下さなければならないことは存在せず、その気になれば一日中寝て過ごすこともできる。せいぜい船橋でアキの集計した進捗状況を眺め、必要なら足を運んで作業中の丸っこい整備ドロイドの複雑かつ緻密な作業を眺めるくらいの日々で、変化のない一週間になりそうだった。

 食事をしてシャワーを浴び寝台に潜り込む。まだ自分のにおいが染みついていない清潔な布に包まれて眠るのは落ち着かず、寝溜めするつもりがすぐに目が覚めてしまう。いつもの癖で酒瓶を探してしまうが、カルツィオが気を利かせて積んでおくとは思えないのですぐにあきらめて水を飲んだ。しかしどうにも寝付けない日々は続き、一縷の望みを託して携帯端末(モブ)から船内ネットワークを経由しアキを呼び出すも、彼女も嗜好品の搬入は記録されていないと返すだけだった。

「お前はいいよな。人間の五大欲求から解放されていて、何の気兼ねなく過ごせて」

「はい? まあ、人間ではないので。何かご病気なのですか?」

 唯一の会話相手に皮肉を投げても、当然ではないですかといわんばかりの回答に閉口してしまうのだった。

 とにもかくにも、この三日間を無為に過ごすわけにはいかないし、船長として船を預かる身としてはこれまでのように怠惰な生活は許されない。一念発起し再出発すべきだ、と頭の片隅で理性が語り掛けてくる。本能のほうはといえば、確かにノーマッドとして宇宙を渡るのであれば、ただ独身貴族を謳歌するわけにもいくまいと理性の言葉に首肯するものだから、渋りながらもようやく重い腰を上げることにするのだった。それに、このままでは新しく乗組員を雇ったとしても船長として示しがつかないではないか。

 まずは髭を剃り、髪を整える。身に着けていた衣服は全てアキの寄越したドロイドに投げつけて洗濯させた。代わりにサイズの合った航宙服を受け取り、下着、肌着を身に着けてから上に羽織る。

 黒髪に黒瞳、やや白い肌になんとか美男子といえなくもない顔立ち。同じく黒色にグレーのラインが入った航宙服とブーツ。携帯端末をポケットへ放り込めば一端のノーマッドに見えなくもない。いや、そうなろうじゃないか、と頬を叩いて気を引き締めた。

 見違えた様子のリガルを前にして、アキがお似合いですよと心なしか嬉しそうに言った。

 彼女が部屋から去り、一人になったリガルはようやく身に着けた航宙服を脱ぎ捨て、ブーツの側面に備えられたハンドルを回し紐を締めなおす。そのまま部屋を出て、数キロに及ぶ船内通路のランニングへ向かった。

 はじめのうちは自分の体力がどれほど低下していたかを思い知らされるばかりだったが、あることを思いついてアキを呼び出す。

 サングラス型のAR装置はありそうになかったので、イヤホンを耳にはめてモブを航宙服のズボンのポケットに突っ込む。半袖のシャツ一枚で走りながら、アキが案内する方向へ走る。その先には中性粒子砲の球形埋没式砲塔やデコイ発射器、シャトル格納庫などがあり、ランニングをしながら<アクトウェイ>に馴染むこともできる。一石二鳥だ。

 体力練成に勤しむ間隙を縫って、改めて戦術論や国外情勢を知るためにニュースや書籍を読み漁る。船内をランニングし、シャワーを浴びて船橋に戻り、様々な情報を取り入れることを繰り返すのがルーティンとなり、寝台にもいろいろなにおいがつくようになった。

 そうして、<アクトウェイ>は超空間からクイナレ星系へとワープアウトした頃には、リガルの心身はすっかり一新され、溌剌としていたのだった。


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