最後の悪あがき
殿下曰く、私が得た証拠の書類はルワンダ侯爵の名は書いてあったが、黒幕の名は書いておらず、侯爵を断罪するには確実な証拠だが、背後にいる者にはもっと確実な証拠を得ないといけないようだ。
「なるほど、レティアス様を断罪することはできないと.....以前から殿下に自分勝手な理由で刺客を放ったりしてるのに罪を明らかにできないとは、なんとも悔しいですね。」
感情を出来るだけ抑えて《私》は言う。
「アリティア、なぜお前が王妃が黒幕だと知っているんだ」
しまった!殿下は黒幕は誰か明言していなかった。ヘマした!!いや、別に隠すつもりはないんだけどね、どうしよう.......
「.........この件が解決してからアレンスティード様に説明します。」
結果、私は問題を後回しにすることにした。
「........いいだろう。」
そのあと、殿下と私はある話し合いをした。
今日は殿下が侯爵邸に滞在する最後の日。侯爵は後ろ暗いことをたくさんしている。
侯爵が最後の《何か》を起こすと感じたからだ。
その日の夜、私は1日の侍女としての業務を終え、カイルと2人で殿下の影として護衛していた。その間、ラナンさんとバドさんから侯爵とイリスの動きが怪しいと言う情報をもらった。侯爵はともかく、イリス?と思ったけど殿下がいない時はあの2人ずっといっしょに行動しているからあまり気にしないことにした。
「アレンスティード様、侯爵と愛妾の動きが怪しいという情報が入りました。」
「そうか。ならそろそろだな。」
そう言って殿下は立ち上がる。
「それにしても、侯爵もまぬけっすよね。自分の屋敷内で、殿下を狙おうとするなんて。疑ってほしいと言ってるようなもんすよね。」
....たしかに。侯爵がまぬけなのか。はたまた何か考えがあるのか。あの侯爵はそんなことは考えられないから後者はなさそうだ。
そうこうしている内に、屋敷内が騒がしくなってきた。この時間は使用人なども帰宅しているか、寮で寝ているので、刺客で間違いなさそうだ。こんな物音を立てるということは裏の暗殺者とかではなさそうだ。
バンッ
「殿下、申し訳ありませんがここで死んでいただきましょうか。」
侯爵が直々に出てくるとは.....本当にバカですね。
しかし、殿下を殺そうとする割には刺客のクオリティが低いように見えます。なんでなんでしょう。
そう考えながら、私とカイルは殿下を守るよう前に出る。
「お前たちが、間諜だったのか。気づかなかったよ。でも、この人数だ。貴様らはもう終わりだ。」
侯爵はそう言い、刺客に指示を出した。
すると、刺客は一斉に襲い掛かってきた。
カイルと私は殿下に襲いかかる奴らを1人残らず斬り捨て、ついでに自分たちにくる剣を弾く。
そんなに時間がかからず全員斬りふせることが出来た。侯爵は1人になり、焦り出した。
「っな!!」
「お前はもう終わりだな。」
殿下が言うとルワンダ侯爵は、
「うわぁぁぁぁ!くっそぉぉぉぉぉ!」
最後の足掻きとばかりに短剣で殿下を刺そうと走り出した。
それを見た私は、日頃の恨みも込めて首を手刀ではなく足で蹴り、気絶させた。
「.....お嬢、ヤバイっすね。」
カイルに引かれたようだ。なぜだ。
「アリティア。。。少しやりすぎだ。」
殿下にも窘められた。なんで!!




