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ルワンダ侯爵邸にて

アレンスティード様がやってきてから、私は愛妾のイリス様の侍女ではなくなったのでとても気楽だ。

しかし、なんだか胸騒ぎがする。嵐の前の静けさのような。。。



殿下が王宮に帰る前の日、私は、殿下の客室に向かっていた。するとそこに、


「リア!あなた今まで私の世話を放り出して何をしてたの!」

と、殿下滞在中は自室にこもっておくはずだったイリスが私に突撃してきた。


「イリス様。侯爵様から自室にいるようにと言われているのでは?」


「そんなの知らないわよ!あなたが私のところに来ないのが悪いのよ!!」

はぁ、話が通じないですね.....


「イリス様。私はイリス様付きの侍女ではなくなりました。今は客人の身の回りのお世話を申しつかっております。」


「そんなの関係ないわよ!私が来なさいと言ったら来なさいよ!!」

.....いや、理不尽すぎる


「申し訳ありません。私にはできかねます。」

バシンッ

「口答えするんじゃないわよ!」


えっ?と.....なぜ私は叩かれたのでしょうか。叩かれると思っていなくて避け損ねました。

状況が飲み込めず呆然としていると、


「何をしている。」

そう言ってやってきたのは、《冷酷王太子》のアレンスティード王太子殿下だった。

レイティアやアリティアと話す時とは違う.....



イリスは殿下を見て、一瞬びびったが、

「あのぉ、あなた様は?」

と、鼻に付くような話し方をして媚をうっていた。

しかし、殿下は意に介さず、


「何をしていると聞いているんだ。」

威圧を出し、睨むようにイリスをみる。


「ひっ!この女が私の言う事を聞かないって言うので躾けていただけですわ。」


「そうか。そこの侍女は私にはよくしてくれたのだが....そもそも侍女に指図するお前は誰だ。」

イリスは自信満々と

「私は侯爵様の恋人のイリスですわ!」


「侯爵には奥方がいるのではなかったか?」


「えぇ、ですがデリオ様は私だけを愛していると言ってくださいましたもの。」


デリオ=ルワンダ侯爵には妻がいる。しかも、実質的には妻がこの侯爵家をまわしているのだ。貴族には愛人がいるという話はないことはないが、邸に住まわせることはない。客人が来ているのに、そんな表に出せないような存在を置いておくのは、客人に対して失礼なのだ。しかも今回は、その客人が王太子殿下だ。

王族を下に見ていると言っているようなものだ。


「......あとでこのことは侯爵に言っておく。リア、行くぞ。」

アレンスティード様もイリスと話をしていてもラチがあかないと思ったのか、話をぶった切った。


「はい。」

私は返事をして、アレンスティード様の後についていく。


その時、後ろから刺すような視線を感じたが、気づかないふりをした。




アレンスティード様の後に続き客室に入る。


「.....あの女は何なんだ。話が通じなさすぎるだろう。」


「あのイリスという人はしがない男爵令嬢だそうで、侯爵に見初められたとか。あまりマナーも身についておらず、正妻にするつもりは侯爵はなさそうですが、、、」

私が今まで見て思った感想をオブラートに包んでアレンスティード様に報告する。


「そうか、リア。頬を張られたようだが大丈夫か?」

アレンスティード様は心配そうに私の顔を覗き込んだ。ちかいちかい!美形が近い!やっぱり昔よりも凛々しくなっている。意識してしまって顔が赤くなる。

「っっ大丈夫です!そんなことよりも、ルワンダ侯爵を断罪することはできそうですか?」

顔の赤さを誤魔化しそう聞くと、


「あぁ、だが黒幕を断罪するのは厳しいかもしれない。」殿下はそう答えた。

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