冷酷王太子の過去2(sideアレンスティード)
それからレイティアは俺の近衛騎士になった。
レイティアは女騎士で19才、令嬢としては嫁き遅れだが、彼女は、騎士として独身を貫くらしい、、、
12歳から騎士団に入り、19才で第二部隊(諜報部隊)の副隊長になったほどの実力者だそうだ。最近副隊長になったばかりなのに何故俺の護衛になったのかは疑問だ。
ともかく、レイティアと俺は行動を共にするようになった。
しかし、俺の命を狙う手の者は減らず、レイティアが片付けてくれている。
「レイティア、いつもすまないな。」
「殿下が謝らないでください!!悪いのは殿下を狙う者達です!!」
と最近は俺の前で感情を露わにするようになった。
こんなに人と打ち解けたのは初めてだ。と嬉しく思っていると、レイティアが、
「殿下、私は殿下に一生の忠誠を誓っております。なので差し出がましいようですがレイティアとかた苦しく呼ぶのではなくティアとお呼びください。」と言った。
「ティア。なら俺からも言わせてもらう。俺のことはアレンと呼ぶように」
「承知しました。アレン殿下」
「殿下はやめてくれ」
「では、アレン様と」
それから俺とティアは気安い関係になった。主従というよりは友人という感じだ。最近は毎日が楽しいと感じるようになってきた。ティアが完膚なきまで叩き潰してくれたおかげか最近は刺客も来なくなり平和な日々を過ごしていた。
そんな時だ。父上が王太子に俺を指名したのは、、
バンッ!!
「父上、俺は王太子にはなりたくないと言ったではないですか!!」
入って早々抗議すると、父上は《王》の顔で、
「俺には息子がお前しかいないのだ。お前がいくら王にならないと言っても、王になることは決定している、、、」
「そんなっ、、、、」
後ろ盾もない、貴族にとってなんの旨味もない王子が王太子に認められるわけがない、また命を狙われる日々を送るのか、と俺は絶望した。。。
俺は自室に戻り、さっきの出来事をティアに言った。するとティアは、
「大丈夫です!!何があっても私がアレン様をお守りいたしますから!」
と微笑みながら俺に言った。
俺は、それを聞いただけで何故か胸が熱くなった。
俺が王太子に正式に決まってからまた刺客はやってくるようになった。今はティアが片付けてくれているが、数が多くなってティアの手にも負えなくなってきた。
そんなある日、陛下の命令で王都へ視察へ行った帰りのことだ。
「申し訳ありません、アレン様。私が不甲斐ないばかりに、、、、、くそっ」
ティアは初めて俺の前で悪態をついた。本当に余裕がないのだろう。
今、俺とティアは刺客10人ほどに囲まれている。俺はまだ剣術を習っていないので護身術が少々できる程度だ。俺は足手まといだからティアの後ろで大人しく守られている。するとティアは、俺を守りながら華麗な動きで敵の動きを封じていく、、、立っている敵が1人になった時、ティアは、
「お前は王妃様の手の者か?」
と聞いた。
どうやらティアはそいつに犯人を吐かせるつもりのようだ。
「ハッ。俺がいうと思ったのか?俺は裏では有名でね。信用を落としたくないんで、俺に雇い主を吐かせようって考えは捨てたほうがいいぜ。まぁ、おれは女ごときに殺されるほど弱くはないけどな。」
と挑発してきた。
ティアは「ならば、死ね」とそいつに斬りかかっていった。俺は何もできず見ることしかできなかった。何故だろうか。ティアは俺の護衛で俺のために戦うのは当たり前のはずなのに、戦って欲しくないと思う。この気持ちはなんだ。
「ぐっ、、、」
膝をついたのは、刺客の男の方だった。
「最期に聞く、、、お前に王太子を殺せと命じたのは誰だ。」
「.....っふ、誰がいうかよ。」
「そうか」
ティアはそう言い、その男を斬り捨てた。
「殿下、、、、ご無事ですか?」
「、、あ、ああ。今回もティアに助けられたな。ありがとう」
俺がそういうとティアは、
「それは、、よかっ、、た、、」
と言い、地面に崩れ落ちた。
「ティア!!」




