早くも気づかれました!
バカな先輩をシバいてスッキリしていると、ティアは隊長に呼び出しをくらった。怒られるのかな、面倒だなぁ、と思いながら隊長室に向かう。
コンコン
「入れ」
「失礼します。」
入るとレン隊長がいた。やはり忙しいのか、書類が机にうず高く積まれている。
「、、、お前、なんかやらかしたんだってな。先輩蹴り飛ばしたんだって?」
そう言われたので、否定の言葉を出さずに直立不動でいると、
「はあ、お前が悪くないのは知っているが、規律を乱さないためにもお前には罰則を与える。」
「、、、甘んじて受ける覚悟です。」
そう答えると、
「アリティア、お前には俺の書類仕事をここにあるもの全て終わるまで手伝ってもらう。」
「、、、了解しました。」
内心(隊長がめんどくさいだけなんじゃないか)と思ったけど、口には出さず書類仕事に没頭した。
ものの2時間で終わった。私には書類整理の仕事にも才能があったようだ!(えっへん!
隊長も「1人でやったら1日かかるのに、、、」
と少し放心状態だった。
「では、私は失礼します。」
と隊長室から退室しようとする。
「アリティア待て、俺と手合わせしないか?最近書類仕事ばっかでなまってるんだよなぁ。」
「では、よろしくお願いします。」
私は今世で初めてレンさんと手合わせすることになった。
訓練場に行くと、他の騎士達が訓練したり、サボったりしていた。隊長に気づくとすぐに騎士の礼をし、訓練場を譲った。
(、、、見るつもりなのか。)そう思いながらも訓練場で隊長と向き合うように立つ。
「いつでも来い!」
そう言われたので、
「行きます!」
と、前世から得意な強く踏み込んで相手の懐に入る戦法を使い隊長に迫る。
カンッ
前世と同じようにこの攻撃はレンさんには通用しないみたいだ。今はもう見切られているという感じがする。
「、、、お前、この戦い方、、、、」
ん?隊長がなんだか考え事をしている。
今だ!そう思い、私は木剣を構え斬りかかっていく。
「隙あり!」
と、隊長の後ろに高速で周り首筋に木剣をトンっと当てる。
「おい、あとで話したいことがある。」
と、隊長に言われた。
「わかりました。」
と返事をして、訓練場を出ようとすると、
手合わせを見ていた先輩騎士達が
「アリティアお前すげぇな?なよなよしてるくせに」とガタイのごつい男が言った。
なよなよした男は、「俺にもその戦い方を教えてください!」と、次々と声をかけられた。だんだんと返事がめんどくさくなってくると、ティアは跳・ん・だ。跳躍し、みんなの集まる場所から逃げ出すことにしたのだ。
みんなを撒いて、私はまた、隊長室に来た。
(今度はなんだろ?私何かしたっけ?)
と考えながら入室する。
隊長はなんだか泣きそうな顔をしていた。
「、、、、お前ティアだろ?」
そう言われ、私はハッとした。いや、別に隠すつもりはなかったけど、前世があるなんて言ったら気持ち悪がられると思い言いたくなかったのだ。
「、、、はい、アリティアなので愛称はティアですが、、」
動揺しすぎてすっとぼけてしまった。
「そういう所がレイティアだって言ってんだろ」
と目元を抑えて俯いてしまった。
「、、、すいません。」と言い、
「レンさん、副隊長から隊長になったんですね。おめでとうございます。」
レンさんはバッと顔を上げて私を抱きしめた。
「ティアっ、お前なんで死んだんだよっ。俺より強かったはずだろ?」
泣かせてしまいましたね。私の死を悲しんでくれる人がいて、幸せですね。
ティアにも一筋の涙がこぼれた。
「すいません、レンさん。でも、アレン様を守るために死んだことは私は後悔してません!」
「ですが、今世こそは絶対にもっと強くなろうと決意したのです!今度こそ、アレン様を悲しませないように生きて守り抜きたいのです!」
と今世決意したことをレンさんに言う。
「そうか、俺はティアにあまり無理してほしくないんだがな。お前が決めた道ならば俺は止めない。」
そう言ってくれた。
「おい、ティア、ところでお前今世は男か?」
と聞かれたので、
「今世も女です。そして、前世よりも身分は上です。」
レンさんはニコ隊長から前世の素性を知っているはずなので、そう言う。
「はっ?、、、女ってだけでも驚きなのに、上級貴族とか、お前ヤバイな。よく騎士団に入れたな。」
と言われたので、
「父が宰相なので騎士団に入ってもいつでも会えるよ、的なことを言ったら反対されなくなりました。」
「、、、、お前、宰相の娘だったのか。道理で上からお前には特に気を使うように言われたのか、、」
「、、、それは、申し訳ありません。」
などと、《今》の私のことや前世についての話で盛り上がった。
「では、私はこれで。」
と言い、退室する。
扉を出たところであっ、と思い、レン隊長を見る。
「、、ニコ隊長に言ったほうがいいでしょうか?」
そう聞くと、すぐに、
「やめておけ、第二部隊に配属されることになる。」
父は、第二部隊に配属は認めないと言っていた(活動範囲が広いから会える確率が減るからね)
「、、、わかりました。」
そう言い、私は今度こそ退室した。
前世について初めて人に話せて、なんだか気持ちが軽くなった気がした。
ティアはスッキリした顔で寮に帰っていった。




