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ベリル・シルフィードと秘密の部屋

あれから数日がたった。



私は午前中に令嬢としてのレッスンを全て終わらせ、午後から自由にさせてもらうメニューに変更した。



午後はいつもあの部屋に行く。



お母様の部屋から続く、秘密の部屋へ。



お母様の研究室は主に魔法に関する物と、錬金術に関する物が置いてある。


資料なども難しい内容のものから、簡単なものまでそろっていた。


他にもよく分からない魔石や植物、魔法陣などがあり迂闊には手をだせそうにない物まである。


その品揃えに胸踊り、勉強を始める私は

やはり研究好きなお父様とお母様の血を引き継いでいるなーっと思う。


そして基礎となる魔導書を読んでみたらそれはもう教わっていることで、少し難しいのに挑戦してみたら


お母様は私に風の上級魔法までいくつか教えていることに気がついた。



通りで……

練習するために森に入って使ってみたら木々をなぎ倒すぐらい凄まじい威力だった訳か。


お母様が屋敷から飛んできたものね。

あの日からお母様に着いて来てもらって練習することになったし。


でもまだまだ魔法というのは種類が多い。

風という属性だけでも。


さらに色々な魔導書を読み、術式構成と魔法の名称などを頭に叩き込んで、実際に使えるようにする。


それを目標にしつつ


薬学の資料を読み込んだり、錬金術などの他の分野にも少しずつ手をだしている。


私……魔導オタクになってしまうんじゃないかしら。


でも問題点をあげるなら


自分で読むだけじゃ、わからないことがでてきた時に教えてもらう人がいないし


基礎体力や魔力コントロール、集中力なども必要だし。


もっとストイックにいかなければならないということか…。


端からお父様やセバスにわからない所を教えてもらうという選択肢は削除していた。


なるべく1人で問題を解決したかった。

私の不安定な未来に巻き込みたくないし

何より怖いから。

気を許した相手に信じてもらえないのが。

嫌われるのが。裏切られるのが。


全部私が臆病なせい。


だから1人で運命に立ち向かおうと思った。

全てが終わってからそのことを伝えようと考えている。



話を戻すと

魔法の練習場所だって確保しなきゃだめだし。

確保したとしても、そこへ行くために屋敷を抜け出さなければならない可能性もでてくる。



やれやれ……問題は山積みね。



ここ数日はこの部屋に引きこもりがちになってしまったのでそろそろ体を動かたいところだわ。



そこで気になることが1つ。


この部屋の四方には魔法陣が描かれている。


詳しく説明するとドア以外の壁は棚になっていて、部屋の中央に研究用の大きな机があって、それを取り囲むように4つの魔法陣が描かれているのだ。


今のところわかるのが

これは東西南北の方角に1つずつ描かれており、魔法陣の一部から察しておそらくは転移魔法陣の可能性が高いということだ。


転移魔法陣というのは、もう一つ同じ魔法陣が描かれているところに一瞬で移動できるという便利なものだが、基本国の許可がいる。

それに条件の血というものが用いられることが多い。

条件の血とは、その魔法陣の使用者を限られた者だけにしたい時に、使用者の血を垂らすことによって制限できるというもので…


とにかく、一般人がホイホイ描いていいものではないはずなのだ。


魔法陣ではなく個人で転移魔術を使えるならば国境を越える許可証があれば使っていいが、まず使える人がめったにいないほど高い技術を要するらしい。



話を戻すけど……この魔法陣…

どこに通じてるのかしら?


1度気になりだしたら止まらない。


よくよく観てみると古代文字が魔法陣の下に書いてあるけど、意外と新しい筆跡。

言わば暗号として古代文字を使用してるだけだと思う。

解読できればどこに通じてるかわかるかもしれない。


一旦ペンを置くと古代文字を解読するために棚をあさりだす。


「確か……この辺に。」


探しだしたのは古代文字を解読するための辞典のようなもの。

ただし簡単なものなので、複雑な古代文字はわからないかもしれない。


古代文字も勉強しといて損はないだろう。


その辞典と魔法陣の下にある文字を照らし合わせてメモしていく。

地味に時間のかかる作業だ。



そして、全部調べてわかったことは。


やはりこの古代文字は行き先を表しているということ。




北:ヘンブリッツラボ


東:ラッセンギルド連合


西:漆黒の森


南:実りの島、別荘





………………とんでもないわね全部他国だわ。



おそらく許可は得てここに魔法陣が描いてあるんでしょうけど…



漆黒の森とかあきらかヤバイでしょ。


おっと動揺してしまったわ。



漆黒の森……この国からさらにもう一つ国をはさみ、そしてその国からも大分西に行ったところにあるという魔境または魔界の入り口と噂されているところだ。なんでまたそんなところと通じてるのか。



実りの島……って数多くの珍しい植物や生物が生息すると言われる別名精霊の国とも言われるところね。ここは別荘もあるっていうし、色々採取できるから納得といえば納得かしら。



ラッセンギルド連合国……その名の通りギルドが集まってできた国だ。家との関係性はよくわからないけど…使えそうね。



魔法都市ヘンブリッツ……魔法に関する数々の専門分野を学べる古都。ラボということは、この都市にもシルフィード家の研究所か何かがあるのだろうか?



なんだかんだ全部行ってみたい。

私の好奇心を大きく揺さぶってくるわ!!




早速だけど明日行ってみよう。



いいね!テンション上がっきたわ!おほほほほ!




…………ゴホンッ



最初に目指すはラッセンギルド連合国よ!

……これまで全く恋愛要素がないわ。

我が娘ながら……恐ろしい子。

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