異世界
二十八話更新しました!!
楽しんでいってください!!
淳也は背中の不快感によって目覚めた。比較的涼しい朝なだけに寒い。
「やっぱり嫌な夢だな…」
淳也が時計を見るとすでに八時を回っていた。淳也はそれを確認すると服を着替え朝食を作り始めた。
「笑え、か…あんたが死んで俺が笑えるわけがないだろ…」
料理を作っている時の淳也の顔には、一筋の涙が流れていた。
☆☆☆
午後十三時、円卓には調査に赴く者達が集まっていた。その中には当然沙也香と有紗もいる。淳也は全員を見渡すと一人だけリストに載っていない者がいるのを見つけ、その者の側に近寄って言った。
「何でお前がいる?王は俺だけの筈だが…」
声を掛けられた人物、優樹菜は笑顔で言った。
「有紗ちゃんの護衛♡」
ウインクしながら優樹菜は有紗に抱き付いた。淳也はというと、
「………」
無言で帰れよ、と言っていたが、それが伝わるはずもなく、優樹菜は有紗に頬ずりしながら言った。
「楽でいいじゃない。向こうはどんな所かも解んないんだし…」
「ゆ、優樹菜さん、や、止めて…」
淳也は有紗が優樹菜に苦手意識を持っている事に気付いた。
なるほど、殺されそうになったら優樹菜を呼べばいいのか…
淳也は心の中にメモをして優樹菜に言った。
「じゃあ、後はよろしく。」
淳也は踵を返すと調査員全員に向かって言った。
「そんじゃあ、次元の穴に入るぞ!!しんがりは優樹菜がやれ!!後藤は優樹菜から離れるな!!」
「別に後ろから攻撃なんて来ないと思うけど…」
そうして淳也達の調査隊は次元の穴に入って行った。
☆☆☆
穴の中は暗かったが、出口は入って来たのとは逆の遠くに開いていたので、淳也達は迷わず進んだ。そして着いた先には、
「綺麗だな…」
溢れんばかりの緑が広がっていた。遠くには建物も見える。淳也は穴から全員出たのを確認すると、その場にテントを張るように指示した。とは言っても人数は淳也、有紗、優樹菜と沙也香を入れて十人しかいないので、テントを張るのにそれ程時間はかからなかった。
「テント張りは終わったか…」
すると近くの茂みがザワザワと動いたので、淳也はそちらに歩いて行った。すると、
「●◆○☆□△★※◇▼!!」
訳の分からない言語を発しながら、一人の少年がナイフを持って淳也に襲いかかった。しかし淳也はそれを難なくかわすと、少年の後ろ襟首を持って地面に叩き伏せた。
「何を言ってるんだ?」
「●◆○☆□△★※◇▼!!」
少年は何かを叫んでいるが淳也にはサッパリ解らない。すると叫び声を聞きつけたのか、沙也香が走り寄って来た。
「どうしたんですか、淳也先輩!?」
「いや、この少年にいきなり襲われてな…しかも何を言ってるのかサッパリわからん…」
「●◆○☆□△★※◇▼!!」
沙也香もそれを聞き、思い出したかの様に一つの小さい水晶を取り出した。
「何それ…」
淳也が疑問に思っていると、沙也香が説明し始めた。
「えーと…本当は行く前に渡す筈だったんですけど忘れてました…これはですね、私の固有魔術を込めた水晶で、これを持っていればどんな言語もわかる優れ物です!!あ、動物なら何でもいけます!!」
淳也は説明に対し一つだけ疑問を持った。
「肝心の俺が喋る時は?」
「それも大丈夫です!!」
するとその水晶を沙也香は淳也に渡した。
「魔王の手下め!!僕達の村には手を出させないぞ!!」
持った途端に少年の言っている事が出来た淳也は、驚嘆の眼差しを沙也香に向けた。すると沙也香は顔を真っ赤にして、
「ほ、他の人にも配って来ますね!!」
と言ってテントまで走って行った。淳也は沙也香が走り去って行くと、少年に向き直って言った。少年は暴れている。
「落ち着け、俺は別に魔王とか言う奴の手下じゃない!!」
「!!」
急に言葉が理解出来たので少年も驚いて暴れるのを止めた。淳也は少年が大人しくなったので、自分の正面に座らせた。ちなみに淳也はあぐらをかいて座っている。
「あ、あんた達、魔王の手下じゃないの?」
「魔王?何だそりゃ…俺達は」
グルルルルルルッ!!
近くに淳也の見たことのある怪物の群れが現れた。
「ケ、ケルベロス!!」
少年は怯えながら淳也の後ろに隠れた。
「ケルベロス、地獄の番犬、ね…少年、名前は?」
「カ、カエシス。」
「ではカエシス、その場から動くなよ!!」
そう言うと淳也はケルベロスの群れに突っ込んだ。カエシスは止めようとしたが、淳也が腕に蒼炎を纏わせてケルベロスを吹き飛ばしているのを見て、驚嘆して目を見開いた。
淳也はといえば、正直魔物の相手は面倒でカエシスを担いでテントまで引き返そうとしたが、いきなりテントに魔物なんて連れて行ったら優樹菜に怒鳴られそうなので、その場で対処する事に決めた。
「ラスト…」
グシャッ!!
最後のケルベロスの頭を潰すと、埃を払いながら(血飛沫は雷速でかわしていたので付いていない)カエシスの元に歩いて行った。カエシスは目をキラキラさせながら淳也に言った。
「兄ちゃんウィザードなの!?」
「ウィザード?ああ、魔法使いね…まあ、そうだな…」
するとカエシスは飛び跳ねながら喜んで森の中に入って行った。それから淳也はテントサイトにいる全員に高等魔術、心話を飛ばし森に入って行った。
いや~、やっと話が進んでいきます(^_^)




