異形の怪物
十八話です!!
楽しんでいってください!!
王三人が戦っている頃、淳也と有紗は円卓に向かって走っていた。
「急げノロマ、円卓なら強力な魔導騎士が大勢いる。」
二人は人間には有り得ないスピードで走っているのにも関わらず、淳也は平然としている。有紗は、
「だ、誰が、ノロマ、よ。」
とても苦しそうな表情だった。しかし淳也はそんなものお構いなしに走っていく。
「これだから最近運動してない奴は…」
「誰の所為よ!!」
そう、有紗はこの一年間放課後は全て魔術に時間を割いていたので、体重は若干上がり、成績はガクンと下がった。
「ストップだ、止まれ…」
淳也は有紗に止まる様に言った。それを聞いた有紗は止まったが、困惑した顔で淳也に理由を尋ねた。
「?何で止まるの?」
それに返って来たのは淳也の呆れた声だった。
「周りを見てみろ、こんな所知ってるか?」
その言葉を聞き有紗は周りを見回した。しかし、周りにはコンクリートの建物ではなく木で造られた建物しかなかった。
「えっ?ここどこ?」
「恐らくだが、この空間は神器で創り出したな…じゃなけりゃ後藤が勝手に結界だろうが空間だろうが壊しちまうもんな…」
さぁーて、と言いながら淳也は、
自分と有紗の周り一面を蒼い炎で燃やした。
その間有紗は呆然と口を半開きにしたまま目の前の出来事を見ていた。
「う~ん、少しやりすぎたか?」
周りには十人以上の人が倒れている。しかし、息をしているのを見て淳也は安心した。
「………」
「ん?どうした急に黙り込んで…」
有紗の肩はプルプルと怒りの為に震えていた。
「あんたねぇ、何か一言言ってからやりなさ」
「くそっ!!」
話している有紗を急に淳也が抱っこして後ろに飛び退いた。抱っこされた有紗の顔は真っ赤である。
「ちょ、ちょっと」
「少し黙ってろ!!」
淳也は有紗を抱っこしながらどんどん飛び退いていく。そして飛び退いた後には灰色の魔力で出来た槍が一本ずつ刺さっていた。
「上か!!」
そして淳也が叫びながら見た先には、一人の男が立っていた。その男は今だに槍を放って来る。淳也も仕方無く魔力の槍で応戦した。
「は、早く降ろしなさいよ!!」
「降ろしたらお前針鼠になるぞ…」
針鼠という単語を聞いて有紗は黙ったが、
「ひゃっ!!どこ触ってんのよ!!」
と言いながら淳也の頭を殴りまくった。
「ば、馬鹿。痛い痛い痛い。だぁ~、くそっ!!」
淳也は有紗を降ろして、
「いいか?そこから一歩も動くなよ。」
有紗の周りを黒い魔力が球状に覆った。
「これなら結界じゃないし大丈夫か…」
「余所見とは余裕だな!!」
有紗を魔力で覆った直後、それまで上にいた男が手に灰色の西洋剣を持って急降下して来た。しかし、
「拒絶」
淳也の一言で男は後方へ吹き飛んでいった。男は飛ばされながら態勢を立て直し、その場に降り立った。
「それが貴様の固有魔術か…便利な物だな…」
「やらないぜ。」
「ぬかせ!!」
男は魔力の槍を何本も放ったが、
「拒絶。」
淳也のこの一言で悉く彼に触れる前に、地面に落ちた。
「そんなにゆっくりしていていいのか?」
「どういうことだ?」
「王の所には魔物と三人の魔術師が向かったが。」
淳也はその言葉を聞いて笑った。それを見た男は不機嫌そうに怒鳴った。
「何がおかしい!!」
淳也は男が怒鳴ったのを聞いて笑いを抑えて言った。
「お前らは王を舐めすぎだ…」
瞬間男はまた後ろに吹き飛んだ。
「グゥッ!!」
男が態勢を立て直した頃には、黒い魔力の剣を持った淳也が目の前にいた。
ブンッ!!
一閃で男の右肩から先が斬り落とされた。そして血飛沫が舞った。
「こ、こんなに強いなんて聞いていない!!」
男は右肩を抑えながら逃げようとしたが、いきなり身体が膨張したかと思うと異形の姿に変貌していった。
「アコヤタノタハ!!」
「何だこりゃっ!!」
淳也は男だった者から距離を取った。
「一体何が起こってるんだ!!」
そして異形の怪物は淳也に腕をゴムの様に伸ばして捕まえようとした。怪物に掴まれた物は、
ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
という音を上げながら腐った。それを見た淳也は冷や汗を流した。
「あんなもん喰らったら給食の残飯みたいにされちまう…」
淳也は有紗の元まで行くと怪物に極大の消滅魔力を放射状に放った。しかし、
「グギュジュル」
身体の三分の二を失っているのにも関わらず、怪物は生きていた。
「本当に今日は厄日だな…」
そう言うとさっきと同様に消滅魔力を放射状に放とうとした瞬間、
怪物から消滅魔力が放たれた。
「嘘だろ!!」
そう言いながらも淳也は固有魔術で防ぎきった。しかし、その顔には疑問が満ちている。
「あの怪物の能力…まるで…いや、そんな事はどうでもいい…問題はあいつをどうするかだ。」
そして淳也は怪物に向かって歩いていった。
すみません!!女たちの名前はもう少し後になるかもしれませんm(_ _)m




