浩平の生死
十四話です!!楽しんでいってください!!
自分の胸を貫かれた浩平は、信じられない目で自分を貫いた槍を見ていた。
「なぜ…だ…俺の空間歪曲は発動したはず…それなのに…」
そう言って浩平は膝を着いた。その手からは宿り木の神枝槍が消えている。
「俺の神器『誓約・極光の神槍』の固有神技は、所有者が的に定めたものを確実に貫く、という能力だ。これを止めるには、俺の神力を上回った高濃度の神力じゃなきゃ無理だ。」
淳也が話している間に誓約・極光の神槍は消えている。
「は…はは…何だよそれ…そんなの…止めれるわけ…ないじゃん…」
そう言って浩平は前に倒れた。
「………」
淳也はしばらく無言だったが、スタスタと浩平の横まで来ると、浩平の脇腹を思いっきり蹴飛ばした。
「オフゥッ!!」
「死んだフリしてんじゃねぇ。俺が的に定めたのはお前の服だ。」
ゲホッ…ゲホッ…と咳き込みながら浩平は言った。
「へ?あれ?今確かに槍が俺の胸に…」
浩平が確認すると、自分の胸には穴は開かず、服だけが破れていた。
「だから、最後まで俺の話聞けよ!!俺が的に定めたのはお前の服、誓約・極光の神槍は俺の定めたものしか貫かないって言ったろ!!」
淳也は落ち着くと浩平に言った。
「じゃあな、俺はもう行くわ。」
それだけ言って淳也が去ろうとすると、
「待ってくれ!!」
と浩平が言った。
「なぜ、今俺を殺さない…」
淳也は振り向くと一言だけ言った。
「そんな疑問、後にした方がいんじゃね、この空間俺の神力に耐えられなくて、もうすぐ消滅するよ。」
淳也は空間に開いた穴に落ちていった。そして、浩平が後を追おうとするとその穴は閉じてしまった。
「まじか!!く、くそヤドリギの断空剣!!」
浩平は急いで空間に穴を開け、その中に飛び込んだ。
☆☆☆
淳也が学校の屋上に戻って来ると、彼は有紗が無事なのを確認し寝ようとした。しかし、
「黒やん、任務放棄はいかんぞよ。」
という、ふざけた声に妨害された。
「お前に言われたかないわ!!」
淳也の前には、赤茶色の髪をした幼い顔つきの少年がいた。その少年は淳也の頬を突っついている。
「僕は任務放棄したことないぞよ?」
「疑問形じゃねえか!!」
淳也が突っ込むと、
「黒やん…」
「何だよ…」
「お腹減ったぞよ…」
キュ~、という音が少年のお腹から鳴った。
「お前、ミンチになゴッ!!」
という所で上空から淳也の頭に浩平が降ってきた。
「下が柔らかくてよかった……」
「ぷっ…」
二人の反応を見て、淳也は我慢の限界に至ったらしく、二人の顔を掴んで屋上の壁に叩きつけた。
☆☆☆
昼休み、有紗が屋上に来た時淳也の足元には人が二人転がっていた。淳也は有紗が来たのを見て床に転がる二人を蹴飛ばした。
「……滝川何してんの?」
「躾だよ躾。お前こそ何でここに?」
「私お昼はいつもここなのよ。」
その答えを聞いた淳也は、浩平と戦っていた時の様に、ある仮説を立てた。
「なるほど、クラスの女子生徒の中で一番胸が小さく、いじめられるからここに来るわけ」
だ、と言う前に有紗の(黄王ですら目を見張る様な)アイアンクローが淳也の顔を捕らえた。
「ジーザス!!やめろ、まな板!!」
まな板も禁句だったらしく、淳也は晴天の下、有紗のアイアンクローにより意識が刈り取られた。
浩平生きてた。よかった、よかった。




