第五十三話 ロード社長と背負う責任の重さ
ビジネス敬語の、丁寧な、佇まい。
デーモンロード・ロード社長。
ロード社長
「お世話になっております」
「事務所社長芸人の、ロードと申します」
四郎
「社長なのか」
ロード社長
「ええ」
「……」
「うちの事務所には」
「たくさんの芸人が、所属しております」
「……」
「ですが」
少し、声が、重くなる。
「社員全員の人生を」
「背負っていると思うと」
「夜も、眠れないのです」
ドゴォォォォォォン!!
【全責任結界】
発動。
世界中で。
「自分一人で、すべての責任を背負わなければ」という重圧が、強まる。
『部下の失敗も、自分の責任』
『チーム全員の人生を、背負っている』
『一人で、全部、抱え込んでしまう』
四郎の肩にも、その重さが、のしかかる。
HP
45000000
↓
26000000
ロード社長
「私は」
「……」
「経営者として」
「全員の生活を、守らねば、なりません」
「……」
「ですが」
「一人で、すべてを背負うのは」
「正直、限界です」
四郎は、考えた。
これは。
過重労働皇帝マンパワレスの、社長版とも言える悩みだった。
四郎
「ロード社長」
「……」
「全部、一人で、背負わなくても、いいんじゃないですか」
ロード社長
「しかし、私は、社長ですので」
四郎
「社長だからこそ」
「……」
「『助けてほしい』って、言える方が」
「強いリーダーだと思います」
「……」
「一人で抱えるより」
「みんなで、支え合う方が」
「事務所全体が、強くなると思います」
静寂。
ロード社長の、丁寧な佇まいに、わずかな、安堵が、滲んだ。
四郎の胸の七つの傷が、輝く。
ドクン。
ドクン。
笑界編・第五十三奥義。
湿拳・支え合い拳
効果。
『一人で背負う責任感を、チームで支え合う仕組みに変える』
『リーダーが弱音を吐くことの強さを示す』
四郎
「行くぞ!」
ロード社長
「私一人で、全員を、守らねば、ならないのです!」
四郎
「みんなで支え合えばいいんですぉぉぉぉぉ!!」
ズガァァァァァァァァァン!!
直撃。
世界が光る。
ロード社長の、緊張した表情が、ゆっくりと、緩んでいく。
ロード社長
「私……」
「……」
「少し、頼ってみても、いいかもしれません」
ぽたり。
ぽたり。
どばぁぁぁぁぁぁ!!
湿拳洪水発生。
【ロード社長を浄化した】
経験値+450
笑石のかけら獲得
称号獲得
『支え合いを選んだ社長』
四郎
「五十三体目……!」
ヌラリ翁
「お前さん、これで」
「悪魔区も、あと少しじゃ」
四郎
「あと、二十三体……」
標準語の、淡々とした声が、響いた。
フィーンド・フィー助
「お疲れ様です」
「量産型バイト芸人の、フィー助です」
「……正直、自分が、いてもいなくても、同じなんじゃないかって、思うことがあります」




