表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
湿拳四郎 ~笑界湿度400%~  作者: 伝説の男前


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
55/55

第五十四話 フィー助と代わりのきく不安

標準語の、淡々とした、佇まい。


フィーンド・フィー助。


フィー助


「お疲れ様です」


「量産型バイト芸人の、フィー助です」


四郎


「量産型?」


フィー助


「ええ」


「……」


「俺みたいなの、たくさん、いるんです」


「……」


「だから」


少し、声が、沈む。


「正直」


「俺が、いてもいなくても」


「同じなんじゃないかって」


「思うことが、あります」


ドゴォォォォォォン……


弱々しく、結界が、発動する。


【代替可能結界】


発動。


世界中で。


「自分の代わりは、いくらでもいる」という無力感が、広がる。


『自分が辞めても、誰かが代わりをやるだけ』


『替えのきく存在だと、思われている』


『自分にしかできないことが、何もない』


四郎の心にも、その無力感が、染み込む。


HP


30000000



16000000


フィー助


「俺は」


「……」


「いつも」


「『誰でもいい仕事』を、やってきました」


「……」


「だから」


「自分の存在価値が」


「分からなくなることが、あります」


四郎は、フィー助の、淡々とした表情を、見つめた。


四郎


「フィー助」


「……」


「同じ仕事をしてても」


「お前のやり方は、お前だけのものなんじゃないか」


フィー助


「……」


「俺だけの、もの?」


四郎


「うん」


「……」


「誰かと、代わりがきく仕事でも」


「お前が、その仕事をしてる時間は」


「お前にしか、作れないものだと思う」


静寂。


フィー助の、淡々とした表情に、わずかな、変化が、現れた。


四郎の胸の七つの傷が、輝く。


ドクン。


ドクン。


笑界編・第五十四奥義。


湿拳・かけがえなさ拳


効果。


『代替可能性への不安を、その瞬間のかけがえなさへの気づきに変える』

『地味な仕事にも、その人だけの価値があると示す』


四郎


「行くぞ!」


フィー助


「俺、代わりがきく存在なんです!」


四郎


「お前にしか作れない時間があるぞぉぉぉぉぉ!!」


ズガァァァァァァァァァン!!


直撃。


世界が光る。


フィー助の、淡々とした表情に、わずかな、温かみが、宿る。


フィー助


「俺……」


「……」


「今の仕事、もう少し、丁寧にやってみます」


ぽたり。


ぽたり。


どばぁぁぁぁぁぁ!!


湿拳洪水発生。


【フィー助を浄化した】


経験値+380


笑石のかけら獲得


称号獲得


『かけがえなさに気づいた者』


四郎


「五十四体目……!」


ヌラリ翁


「これで」


「悪魔区、全十三体、終わりじゃ」


四郎


「やった……!」


ヌラリ翁


「次は」


「いよいよ、怪獣区じゃ」


「ここからは」


「お前さんの世界の、怪獣たちにも、似た存在が、待っとる」


地面が、激しく、揺れた。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


巨大な、足音。


江戸町人語の、豪快な声。


ゴジラ芸人・ゴジ郎


「待たせたな、坊主」


「俺は、大御所ドッキリ破壊専門の、ゴジ郎だ」


「……だが、正直、壊すことしか、能がねぇって、言われ続けてきたんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ