第四十一話 ティア子と小さな存在の価値
小さく、光る、妖精。
神戸弁の、可愛らしい声。
フェアリー・ティア子。
ティア子
「うち、ミニコント専門やねん」
「……」
「小さい体で、小さいネタ、やるんやけど」
「……」
「みんな、大きいネタばっかり、見てて」
「うちのこと、気づいてもらえへんのよ」
ドゴォォォォォォン!!
【小ささ結界】
発動。
世界中で。
「小さな存在は、見過ごされる」という思い込みが、広がる。
『小さな貢献は、評価されない』
『目立つ人ばかりが、注目される』
『自分の頑張りは、誰にも気づかれない』
四郎の心にも、小ささへの、寂しさが、染み込む。
HP
32000000
↓
16000000
ティア子
「うちな」
「……」
「小さいなりに」
「一生懸命、ネタ、考えてんねん」
「……」
「でも」
「大きい妖怪たちの陰に隠れて」
「いつも、見えへんのよ」
四郎は、ティア子の、小さな体を、見つめた。
四郎
「ティア子」
「……」
「小さくても」
「ちゃんと、光ってるじゃないか」
ティア子
「……」
「気づいてくれるん?」
四郎
「うん」
「……」
「大きさじゃなくて」
「ちゃんと、見ようとするかどうかだと思う」
静寂。
ティア子の光が、わずかに、強くなった。
四郎の胸の七つの傷が、輝く。
ドクン。
ドクン。
笑界編・第四十一奥義。
湿拳・小さな光拳
効果。
『小ささへの劣等感を、独自の輝きとして肯定する』
『見ようとする姿勢が、存在を救うことを示す』
四郎
「行くぞ!」
ティア子
「うち、小さいから、見えへんのよ!」
四郎
「小さくても、ちゃんと見えてるぞぉぉぉぉぉ!!」
ズガァァァァァァァァァン!!
直撃。
世界が光る。
ティア子の光が、小さいながらも、はっきりと、輝き始める。
ティア子
「うち……」
「……」
「このままの大きさで、よかったんやね」
ぽたり。
ぽたり。
どばぁぁぁぁぁぁ!!
湿拳洪水発生。
【ティア子を浄化した】
経験値+380
笑石のかけら獲得
称号獲得
『小さな光を放つ者』
四郎
「四十一体目……!」
ヌラリ翁
「これで」
「西洋モンスター区、全二十体、終わりじゃ」
四郎
「やった……!」
ヌラリ翁
「次は」
「悪魔区じゃ」
「より、深い場所の悩みが、待っとる」
霧が晴れ、新たな空気が、辺りを包む。
熱気を帯びた、独特の気配。
陽キャ語の、明るい声。
デーモン系・デモ彦
「よっしゃ、お前か!」
「俺、過激ネタ担当のデモ彦!」
「……でも、その明るさ、実は、無理して作ってるんすよね」




