第三十九話 ゴレ男と作られた自分への疑問
土の塊。
無機質な、福島弁の声。
ゴーレム・ゴレ男。
ゴレ男
「俺は」
「誰かに、作られた存在だ」
「……」
「無表情ロボ芸人、言われてっけど」
「……」
「俺自身の意思って」
「あるんだべか」
ドゴォォォォォォン!!
【作られた存在結界】
発動。
世界中で。
「自分の人生は、誰かに決められたものじゃないか」という疑問が、広がる。
『親の期待で、この道を選んだ』
『環境が、自分を作った』
『本当にやりたいことが、自分でも分からない』
四郎自身も、その問いに、揺さぶられる。
HP
36000000
↓
19000000
ゴレ男
「俺は」
「……」
「最初、誰かの指示で、動いてたんだ」
「……」
「だから」
「今、俺がやってることも」
「本当に、俺がやりたいことなのか」
「分からなくなってる」
四郎は、考えた。
これは。
人生十二魔神とも、また違う、根源的な問いだった。
四郎
「ゴレ男」
「……」
「最初のきっかけが、誰かでも」
「……」
「今、お前が、続けてる理由は」
「お前自身のものなんじゃないか」
ゴレ男
「俺自身の……」
四郎
「うん」
「……」
「始まりが、どうであれ」
「今、選んでるのは、お前だろ」
静寂。
ゴレ男の、土の体が、わずかに、揺れた。
四郎の胸の七つの傷が、輝く。
ドクン。
ドクン。
笑界編・第三十九奥義。
湿拳・今選ぶ拳
効果。
『過去の経緯ではなく、「今、選んでいる」という事実に、自分の意思を見出させる』
『作られた始まりを、自分の物語に変える』
四郎
「行くぞ!」
ゴレ男
「俺、自分の意思があるのか、分からねぇ!」
四郎
「今、ここにいるのは、お前が選んだからだぞぉぉぉぉぉ!!」
ズガァァァァァァァァァン!!
直撃。
世界が光る。
ゴレ男の、無表情だった顔に、わずかな、表情が浮かぶ。
ゴレ男
「俺……」
「……」
「今は、俺の意思で、ここにいる」
ぽたり。
ぽたり。
どばぁぁぁぁぁぁ!!
湿拳洪水発生。
土の体が、少し、柔らかくなった。
【ゴレ男を浄化した】
経験値+440
笑石のかけら獲得
称号獲得
『今を選んだ者』
四郎
「三十九体目……!」
その時。
四郎自身の足元に、影が、すっと、伸びた。
標準語の、低い声。
シャドウ・カゲ太
「俺は、いつも、誰かの後ろに、隠れている」
「……表に出ること、考えただけで、足がすくむんだ」




