第三十話 ユニと清純の重圧
白く、輝く、一角獣。
標準語の、清らかな声。
ユニコーン・ユニ。
ユニ
「わたくし、清純派アイドル芸人として」
「ずっと、頑張ってきましたの」
「……」
「でも」
「清純でいなきゃ、いけないことが」
「正直、しんどくて」
ドゴォォォォォォン!!
【清純呪縛結界】
発動。
世界中で。
「イメージを壊してはいけない」という呪縛が、強まる。
『良い子でいなきゃ』
『清楚な自分しか見せられない』
『本当の自分を出したら、嫌われる』
四郎の心にも、その呪縛が、染み込む。
HP
37000000
↓
20000000
ユニ
「わたくし、本当は」
「……」
「もっと、ガサツな一面も、あるんですの」
「……」
「でも」
「ファンの皆さんが、イメージしてる『清純なユニ』を」
「裏切れなくて」
四郎は、ユニの、白い体を見つめた。
四郎
「ユニ」
「……」
「ガサツな一面も」
「お前なんじゃないか」
ユニ
「……」
「でも、ガッカリされたら」
四郎
「ガッカリする人も、いるかもしれない」
「……」
「でも」
「全部のお前を、好きになってくれる人も」
「絶対、いると思う」
静寂。
ユニの、清らかな表情に、わずかな、人間らしさが、滲んだ。
四郎の胸の七つの傷が、輝く。
ドクン。
ドクン。
笑界編・第三十奥義。
湿拳・全部見せ拳
効果。
『清純というイメージへの縛りを、ほどく』
『理想化された自分ではなく、等身大の自分を見せる勇気を与える』
四郎
「行くぞ!」
ユニ
「わたくし、清純でいなきゃ、いけませんの!」
四郎
「ガサツなとこも、ちゃんと魅力だぞぉぉぉぉぉ!!」
ズガァァァァァァァァァン!!
直撃。
世界が光る。
ユニの体から、緊張が、ふっと、抜ける。
ユニ
「わたくし……」
「ちょっとだけ、素を、出してみますわ」
ぽたり。
ぽたり。
どばぁぁぁぁぁぁ!!
湿拳洪水発生。
【ユニを浄化した】
経験値+410
笑石のかけら獲得
称号獲得
『等身大を見せた者』
四郎
「三十体目……!」
その時。
霧の奥から、低い、無口な気配が、近づいてきた。
標準語の、寡黙な声。
バジリスク・バジ
「……」
「俺、一目で、黙らせるのが、芸だ」
「……でも」
「黙らせた後、何を話せばいいか、分からない」




