第二十七話 リュウノスケと大物の重圧
霧の中、複数の足音。
その先頭に立つのは、堂々とした、竜の姿。
茨城弁の、低い声。
ドラゴンMC・リュウノスケ
「よう、坊主」
「儂が、大物司会者じゃ」
「お前さんの相手、儂が、仕切らせてもらうべ」
四郎
「貫禄あるな」
リュウノスケ
「だっぺ?」
「……」
「だが」
少し、声が、沈む。
「大物って、思われ続けるのは」
「結構、重いもんだべ」
ドゴォォォォォォン!!
【期待重圧結界】
発動。
世界中で。
「期待に応え続けなければ」というプレッシャーが、強まる。
『一度すごいと思われたら、ずっとすごくないといけない』
『失敗したら、評価が落ちる』
『常に、完璧でいなきゃ』
四郎の肩にも、重さが、のしかかる。
HP
48000000
↓
27000000
リュウノスケ
「儂はな」
「……」
「ずっと、大物として、振る舞ってきた」
「……」
「弱音も、吐かず」
「失敗も、見せず」
「……」
「でも」
「正直、しんどい時もあるべ」
四郎は、考えた。
これは。
完璧主義に、似ているようで、少し違う悩みだった。
自分で選んだ「大物」というイメージに、縛られている。
四郎
「リュウノスケ」
「……」
「大物でも」
「……」
「しんどい時は、しんどいって、言っていいんじゃないか」
リュウノスケ
「……」
「それじゃ、儂の格が、落ちるべ」
四郎
「格より」
「……」
「本当のお前を、見せた方が、信頼されると思うけどな」
静寂。
リュウノスケの、堂々とした姿勢が、わずかに、崩れた。
四郎の胸の七つの傷が、輝く。
ドクン。
ドクン。
笑界編・第二十七奥義。
湿拳・弱音解放拳
効果。
『「大物」というイメージへの縛りを、ほどく』
『弱さを見せることが、信頼を損なわないと示す』
四郎
「行くぞ!」
リュウノスケ
「儂は、大物でいなきゃならんべ!」
四郎
「弱音も吐いていいんだぞぉぉぉぉぉ!!」
ズガァァァァァァァァァン!!
直撃。
世界が光る。
リュウノスケの体から、肩肘を張った緊張が、抜けていく。
リュウノスケ
「儂……」
「……」
「正直、たまには、休みたかったべ」
ぽたり。
ぽたり。
どばぁぁぁぁぁぁ!!
湿拳洪水発生。
【リュウノスケを浄化した】
経験値+460
笑石のかけら獲得
称号獲得
『大物の仮面を脱いだ者』
四郎
「二十七体目……!」
その時。
空から、急降下してくる、影。
山梨方言の、若々しい声。
ワイバーン・ワイ太
「おーい、見てたかい!」
「俺の空中ロケ、すごかっただらー?」
「……でも、本当は」
「ちっとも、うまくいってないんさ」




