第二十六話 デカスケと規格外の孤独
霧の中から、見上げるほどの、巨体。
標準語の、のんびりした声。
ジャイアント・デカスケ。
デカスケ
「俺の芸はな」
「規格外スケール」
「とにかく、デカいことが、ウリなんだ」
四郎
「分かりやすいウリだな」
デカスケ
「だろ?」
「……」
「でも」
少し、声が、小さくなる。
「デカすぎると」
「……」
「誰も、近寄ってこないんだよな」
ドゴォォォォォォン!!
【規格外結界】
発動。
世界中で。
「自分は人と違いすぎる」という孤独感が、広がる。
『普通の人と、話が合わない』
『自分のスケールが、周りと違いすぎる』
『近づきたいのに、距離を取られる』
四郎の心にも、その孤独感が、染み込む。
HP
45000000
↓
26000000
デカスケ
「俺、デカいだろ」
「……」
「だから」
「みんな、俺を見ると」
「『すごいね』とは言うけど」
「『一緒に遊ぼう』とは、言ってくれないんだ」
四郎は、デカスケの、巨大な体を、見上げた。
確かに。
大きすぎると。
距離が、生まれてしまうのかもしれない。
四郎
「デカスケ」
「……」
「お前のそのデカさ、すごいと思う」
「……」
「でも」
「すごいと思われることと」
「仲良くなることは、別なんだよな」
デカスケ
「……」
「そうなんだよ」
四郎
「だったら」
「……」
「ちょっとだけ、しゃがんでみないか」
デカスケ
「しゃがむ?」
四郎
「目線を、合わせるんだよ」
「……」
「体の大きさは変わらなくても」
「目線が合えば、近づける気がする」
静寂。
デカスケが、ゆっくりと、しゃがんだ。
ズシン。
地面が、少し、揺れた。
四郎の胸の七つの傷が、輝く。
ドクン。
ドクン。
笑界編・第二十六奥義。
湿拳・目線合わせ拳
効果。
『規格外の孤独を、目線を合わせることで、繋がりに変える』
『大きさの違いを、距離の理由にしない』
四郎
「行くぞ!」
デカスケ
「俺、デカすぎて、近寄りがたいんだー!」
四郎
「しゃがめば、ちゃんと、近づけるぞぉぉぉぉぉ!!」
ズガァァァァァァァァァン!!
直撃。
世界が光る。
デカスケの巨体が、ゆっくりと、優しく、丸まっていく。
デカスケ
「俺……」
「……」
「しゃがんでみたら」
「みんなの顔、ちゃんと見えるんだな」
ぽたり。
ぽたり。
どばぁぁぁぁぁぁ!!
湿拳洪水発生。
地面が、軽く、洪水になった。
【デカスケを浄化した】
経験値+450
笑石のかけら獲得
称号獲得
『目線を合わせた者』
四郎
「二十六体目……!」
ヌラリ翁
「お前さん、もう、三分の一じゃのう」
四郎
「まだ、五十体残ってるんだよな……」
その時。
霧の奥から。
複数の足音が、ガサガサと、響いてきた。
四郎
「次は、何体まとめてくるんだ!?」




